ListGene ロゴListGene
業界特化 2026.10.15 公開 読了 20分

EC事業者の営業リストの作り方:ネットショップ運営会社の探し方と注意点

ネットショップを運営している会社に、発送代行や広告運用、サイト制作などのサービスを案内したいと考えたとき、最初につまずきやすいのが営業リストづくりです。EC事業者はモールの中の店舗名やブランド名で知られていることが多く、ショップ名だけでは、運営している会社の正式な名前や連絡の窓口が分からないことも珍しくありません。本記事では、EC事業者(ネットショップ・通販会社)の営業リストを作る手順を、狙う相手の決め方、探す入り口、特定商取引法に基づく表記を使った運営会社の確かめ方、個人で運営している店の扱い、リストに入れる列、声のかけ方の順に、経済産業省や消費者庁などの公的な資料をもとに整理します。

ノートパソコンで営業リストを確かめる人と、ネットショップ・買い物かご・段ボール箱・会社の建物を表すアイコンのイメージ

この記事の3つの要点

  • 1

    EC事業者の営業リストは、売りたい商材から狙う相手(扱う商品・売っている場所・規模)を決めてから作ると、関係の薄い店への連絡を減らせます。経済産業省の調査では、2024年の国内の消費者向け電子商取引(BtoC-EC)の市場規模は26.1兆円で、商品を売る物販系分野だけでも15兆2,194億円にのぼります。

  • 2

    ショップ名と運営会社の名前は一致しないことがあるため、店舗ページや自社サイトの「特定商取引法に基づく表記」で事業者の名称・住所・電話番号を確かめ、国税庁の法人番号公表サイトで照らし合わせてからリストに入れます。

  • 3

    個人で運営している店の氏名や住所は個人情報で、公表されていても個人情報保護法の保護の対象です。法人と個人を分けて扱い、モールやサイトから自動で集める前には利用規約を確かめ、「営業お断り」の表示は記録して守ります。

1 EC事業者とは:リストを作る前に決める範囲と市場の大きさ

「EC事業者」は、インターネットで商品やサービスを売っている事業者を広く指す言葉で、「ネットショップ運営会社」や「通販会社」と呼ばれることもあります。ひと口にEC事業者といっても、どこで売っているのか、誰に売っているのかによって、営業の窓口も困りごとも変わります。営業リストを作り始める前に、どの範囲の事業者を相手にするのかを決めておくと、あとで絞り込みの条件に迷わずに済みます。

主な形特徴営業の前に確かめたい点
自社サイトで売る事業者自社のドメインでネットショップを持ち、サイトの作りや集客の方法を自社で選べる決済・集客・サイト改善を誰が担っているか
モールに出店する事業者ショッピングモールの中に店舗を持ち、店舗名で知られていることが多い店舗名と運営会社の対応、ほかの売り場にも出しているか
実店舗とネットの両方で売る小売店舗の在庫や顧客の情報とネットショップをつなげて運営している店舗とネットのどちらの部署が決めるのか
メーカーの直販自社で作った商品を、自社サイトなどで消費者に直接売っている卸や小売との取引と、直販のどちらに力を入れているか
企業向けに通販する事業者事務用品や部品、資材などを法人に向けてネットで売っている買い手が法人か、注文の受け方や請求の方法

経済産業省の調査で見る市場の大きさ

経済産業省が2025年8月26日に公表した「令和6年度電子商取引に関する市場調査」によると、2024年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は26.1兆円で、前年の24.8兆円から5.1%増えました。このうち商品を売る物販系分野は15兆2,194億円(前年は14兆6,760億円)で、物販系分野のEC化率(すべての商取引の金額に占める電子商取引の金額の割合)は9.78%と、前年の9.38%から上がっています。同じ調査では、企業間の電子商取引(BtoB-EC)の市場規模も514.4兆円(前年比10.6%増)と推計されています。なお、本記事を書いた2026年10月12日の時点で、経済産業省の「電子商取引実態調査」のページに掲載されている最新の結果は、この令和6年度の調査です。

物販系分野を商品の分類ごとに見ると、市場の大きさとEC化率の組み合わせはかなり違います。同じ調査の数字を次の表にまとめました。

物販系分野の分類2024年の市場規模EC化率
食品、飲料、酒類3兆1,163億円4.52%
衣類・服装雑貨等2兆7,980億円23.38%
生活家電、AV機器、PC・周辺機器等2兆7,443億円43.03%
生活雑貨、家具、インテリア2兆5,616億円32.58%
書籍、映像・音楽ソフト1兆8,708億円56.45%
化粧品、医薬品1兆150億円8.82%
自動車、自動二輪車、パーツ等3,336億円4.16%
その他7,797億円2.08%
合計15兆2,194億円9.78%

出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」公表資料(2025年8月26日)。EC化率は、すべての商取引の金額に占める電子商取引の金額の割合です。

食品、飲料、酒類のように市場は大きくてもEC化率がまだ1割に届かない分類もあれば、書籍、映像・音楽ソフトのように半分を超える分類もあります。ネットでの販売がすでに当たり前になっている分類の事業者と、これからネットの売り場を広げようとしている分類の事業者とでは、役に立つ商材も話の切り出し方も変わってきます。自社の商材がどの分類の事業者に向いているかを考える材料として使ってください。

2 EC事業者に売れる商材と、狙う相手の決め方

EC事業者は、商品を仕入れたり作ったりするだけでなく、サイトの運営、集客、受注、決済、梱包と発送、購入者からの問い合わせへの対応まで、多くの作業を抱えています。そのぶん、外部の会社に任せたり新しい仕組みを入れたりする場面も多く、さまざまな商材の営業先になります。代表的な商材と、リストを作るときに見ておきたい手がかりを表にまとめました。

商材の例合いそうなEC事業者リストで見ておきたい手がかり
物流・倉庫・発送代行出荷が増えてきた、自社で梱包と発送をしている扱う商品の大きさや温度帯(常温・冷蔵・冷凍)、所在地
梱包資材・印刷物物販をしていて、ギフトや同梱物に力を入れている扱う商品の分類、ギフト対応の有無
決済・受注管理などの仕組み自社サイトで売っている、複数の売り場に出している自社サイトの有無、出店先の数
広告運用・検索対策自社サイトへの集客に取り組んでいる、新しい商品を出している自社サイトの有無、扱う商品の分類
サイト制作・商品撮影商品の数が多い、サイトの作り直しを考えていそう商品の数、サイトの更新の様子
問い合わせ対応の代行購入者からの質問が多くなりやすい商品を扱っている扱う商品の分類、問い合わせ窓口の形
越境ECの支援海外の購入者にも売れそうな商品を持っている外国語のページの有無、扱う商品の分類

越境ECについては、先ほどの経済産業省の調査が、2024年に中国の消費者が日本の事業者から越境ECで購入した金額を2兆6,372億円(前年比8.5%増)と推計しています。海外向けの販売を支援する商材であれば、こうした数字も話のきっかけになります。

狙う相手は「扱う商品・売っている場所・規模」で言葉にする

商材が決まったら、狙う相手を「扱う商品」「売っている場所(自社サイト・モール・実店舗との併用)」「規模」の3つで書き出します。たとえば発送代行を案内する会社なら、「常温の食品を自社サイトとモールの両方で売っている、従業員が数名から数十名ほどの事業者」のように言葉にします(想定ケース)。ここまで具体的にしておくと、探す入り口も絞り込みの条件も決めやすくなり、関係の薄い店にまで連絡してしまうことを防げます。

業界ごとの新規開拓の考え方は、営業屋のコラムでも扱っています。物流の会社が荷主を開拓する進め方は物流・運送業界の新規開拓営業|2024年問題後の商機、制作会社や広告代理店が取引先を増やす進め方は広告・制作会社の新規開拓|実績ゼロから取引先を増やす、実店舗を持つ事業者への営業は飲食・店舗向けBtoB営業|多店舗・本部の攻略法が参考になります。

3 EC事業者を探す4つの入り口

EC事業者を探す方法は、大きく4つに分けられます。どれか1つで完結させるより、入り口ごとの得意と不得意を知ったうえで組み合わせるほうが、漏れと手間の両方を減らせます。

入り口見つけやすい事業者分かること気をつけること
① モールの店舗ページモールに出店している事業者店舗名、扱う商品、運営会社の名称・所在地(会社概要や特定商取引法に基づく表記)店舗名と運営会社が違うことがある。自動で集める前にモールの規約を確かめる
② 検索エンジンと自社サイト自社サイトで売っている事業者運営会社、扱う商品、問い合わせの窓口1社ずつ調べるので時間がかかる。広告や比較サイト、モールの店舗も混ざる
③ 展示会や業界団体の一覧業界で活動している通販会社やメーカー会社名、事業の内容営業目的での利用を断っている一覧もあるので、注意書きを読む
④ 企業データベース法人などとして載っている事業者会社名、所在地、業種、連絡先など載っていない店は出てこない。EC事業者かどうかの見極めが要る
EC事業者の営業リストを作る流れ(ネットショップを見つける・運営会社を確かめる・リストに整える・連絡する)を表した図

① モールの店舗ページから探す

ショッピングモールでは、扱う商品の分類やキーワードで店舗を探せます。店舗のページには、特定商取引法に基づく表記や会社概要のページが設けられていることが一般的で、そこから運営会社の名称や所在地を確かめられます。ただし、モールの中の店舗名は運営会社の社名と違うことがあり、1つの会社がいくつもの店舗を持っていることもあります。リストには店舗名と運営会社の名前を別の列で残し、同じ会社を二重に数えないようにしましょう。また、店舗のページにはモールを運営している会社の名前も載っているため、出店者の名前と取り違えないよう気をつけます。

② 検索エンジンで自社サイトを探す

「〇〇(商品の分類) 通販」「〇〇 オンラインショップ」「〇〇 公式通販」のように、扱う商品と組み合わせて検索すると、自社サイトで売っている事業者が見つかります。検索結果には広告や比較サイト、モールの中の店舗も混ざるので、運営会社の公式サイトかどうかを確かめてからリストに入れます。自社サイトを持つ事業者は、サイトの作りや集客の方法を自社で選べる立場にあるため、決済や広告運用、サイト制作といった商材と話がかみ合いやすい相手です。

③ 展示会や業界団体の一覧を手がかりにする

通販や小売に関わる展示会の出展者の一覧や、業界団体の会員企業の一覧からも、通販に力を入れている会社が見つかります。ただし、こうした一覧の中には、営業目的での利用を断っていたり、利用の条件を定めていたりするものもあります。使う前に、ページの注意書きや利用規約を読んでおきましょう。

④ 企業データベースで絞り込む

企業データベースを使えば、地域や業種、規模で絞り込んだ一覧を短い時間で作れます。EC事業者を探すときは、消費者向けに売っているかどうか、事業の説明に「通販」「EC」「オンラインショップ」といった言葉が入っているかで絞るのが近道です。ただし、データベースに載っているのは法人などの事業者が中心で、個人で運営している小さな店は出てこないこともありますし、事業の説明だけではネットでの販売の比重までは分からないこともあります。リスジェネで絞り込む手順は第9章で紹介します。AIを使った営業リストの作り方全般はAIで営業リストを作る方法|ChatGPTの注意点と企業データベースの使い分けで解説しています。

4 特定商取引法に基づく表記で運営会社を確かめる

ネットショップでの販売は、特定商取引法でいう「通信販売」にあたります。消費者庁の「特定商取引法ガイド」は、通信販売を、事業者が新聞、雑誌、インターネット等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申込みを受ける取引(電話勧誘販売にあたるものを除く)と説明しています。

同ガイドによると、特定商取引法第11条は通信販売の広告に表示する事項を定めており、販売価格(送料を含む)、代金の支払いの時期と方法、商品の引渡しの時期、返品などの申込みの撤回や解除に関する事項のほか、事業者について次のような事項が含まれています。

  • 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
  • 事業者が法人で、電子情報処理組織を利用する方法(インターネットなど)で広告する場合は、代表者または通信販売に関する業務の責任者の氏名
  • 電子メールで商業広告を送る場合は、事業者の電子メールアドレス

ネットショップでよく見かける「特定商取引法に基づく表記」のページは、こうした表示をまとめたものです。営業リストづくりでは、ショップ名の向こうにいる運営会社の正式な名称と所在地を確かめるための、確かな手がかりになります。

運営会社を確かめる手順

  • 1
    表記のページを開く
    ショップの「特定商取引法に基づく表記」や「会社概要」を開き、事業者の名称(販売業者)、住所、電話番号、運営責任者の欄を見ます。
  • 2
    法人か個人かを見分ける
    名称に「株式会社」「合同会社」などが付いているか、個人の氏名が書かれているかを見ます。屋号とあわせて個人の氏名が書かれている場合は、個人事業主の店と考えられます。
  • 3
    法人番号公表サイトで照らし合わせる
    国税庁の法人番号公表サイトで、名称と所在地から法人番号を確かめます。名前の似た別の会社と取り違えないために役立ち、あとで重複をまとめるときの目印にもなります。
  • 4
    運営会社の公式サイトを見比べる
    運営会社がショップとは別にコーポレートサイトを持っている場合は、事業の内容や、法人向け・取引の相談向けの問い合わせ窓口があるかを確かめます。
  • 5
    確かめた日と出典を記録する
    表示の中身は変わることがあるので、いつ、どのページで確かめたかをリストに残します。

住所や電話番号が載っていない場合

同ガイドによると、消費者からの請求によってこれらの事項を記載した書面(インターネット通信販売では電子メールでもよい)を遅滞なく提供することを広告に表示し、実際に請求があったときに遅滞なく提供できる措置を講じている場合は、販売業者の氏名(名称)・住所・電話番号などの表示を省略できます(法第11条ただし書)。そのため、ショップによっては住所や電話番号が載っておらず、請求があれば提供するという書き方になっていることがあります。この仕組みは、購入を考えている消費者が取引の相手を確かめられるようにするためのものです。営業の連絡先を得る目的で開示を求めるのは控え、運営会社の公式サイトなど、ほかの公開されている情報で確かめましょう。

表記を見るときに取り違えやすいこと

  • ショップ名やブランド名と、販売業者として書かれている会社の名前は違うことがある
  • モールの店舗ページには、モールを運営する会社の名前も載っている
  • 1つの会社が複数のショップを運営していることがあり、ショップの数と会社の数は一致しない
  • 表示されている電話番号やメールアドレスは、購入者からの問い合わせを受ける窓口でもある

5 個人で運営している店の扱いと個人情報

ネットショップは、法人だけでなく個人事業主も運営しています。特定商取引法の表示には、個人の場合も氏名や住所、電話番号が載るため、EC事業者の営業リストを作っていると、個人の情報を扱う場面が出てきます。法人だけを相手にするときとは考え方が変わるので、先に整理しておきましょう。

公開されていても個人情報として扱う

個人情報保護委員会の「よくある質問(個人向け)」Q1-1は、個人情報保護法上の個人情報を、生きている個人に関する情報で、特定の個人であると分かるものなどと説明し、法人の情報は個人情報に含まれない一方で、法人の役員等の氏名などの情報は個人情報に含まれるとしています。この説明に照らすと、個人で運営している店の氏名や住所、電話番号は、個人情報にあたると考えるのが自然です。

また、同委員会の「『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン』に関するQ&A」のQ1-5は、新聞やインターネットなどで既に公表されている情報も、他の個人情報と区別せず保護の対象としていると説明しています。同じQ&AのQ2-4も、登記簿等により公開されているものでも個人情報であることに変わりはなく、取得する場合には利用目的の特定が必要だとしています。ショップのページで公開されているからといって、自由に集めて営業に使ってよいことにはならない点に気をつけましょう。

個人情報保護法では、利用目的をできる限り特定すること(第17条)や、個人情報を取得したときは、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに本人に通知するか公表すること(第21条)などが定められています。営業のリストに個人の店を入れる場合も、この扱いは変わりません。

個人の店を扱うときの工夫

  • リストに「法人/個人」の列を設け、個人の店は法人と分けて管理する
  • 個人の店については、連絡に使わない列(個人の住所など)を持たないようにする
  • 自社のプライバシーポリシーなどで、取得した情報を営業の連絡に使うことを利用目的として示しているかを確かめる
  • 表示されている住所が自宅であることも考えられるため、訪問や郵送での営業は控えるのが無難
  • 断られたら記録して社内で共有し、手段を変えて連絡し直すこともしない

営業リストの購入や名簿の扱いについての考え方は、名簿業者・営業リストの購入は違法?個人情報保護法で見る線引きで詳しく取り上げています。

メールで連絡するときは特定電子メール法に沿う

広告や宣伝のメールを送る場合は、特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)にも沿う必要があります。同法第3条は、あらかじめ送信に同意した相手など、同条に定める相手以外には特定電子メールを送ってはならないと定めており、その一つに、自己の電子メールアドレスを公表している団体または個人(個人の場合は営業を営む者に限る)があります(同条第1項第4号)。ただし、同法の施行規則第3条は、メールアドレスと併せて特定電子メールの送信をしないように求める旨の文言を公表している場合は、この限りではないとしています。送るときは送信者の氏名または名称などの表示(第4条)が必要で、送信をしないよう求められた相手にはそれ以上送れません。

6 EC事業者の営業リストに入れる列

EC事業者のリストでは、一般的な法人のリストに比べて「どこで、何を売っているか」を表す列が大切になります。ショップ名と運営会社、出店先、扱う商品の3つがそろっていると、誰に何を案内するかを決めやすくなります。

列中身の例確かめ方・使い道
ショップ名モールの店舗名、自社サイトの名前店舗ページ・サイトの表示。運営会社とは別の列で残す
運営会社販売業者として書かれた名称特定商取引法に基づく表記
法人/個人法人・個人事業主の別名称の書き方、法人番号の有無。個人は扱いを分ける
法人番号13桁の番号国税庁の法人番号公表サイト。重複をまとめる目印
所在地都道府県・市区町村特定商取引法に基づく表記、法人番号公表サイト
出店先自社サイト、モールの名前、実店舗の有無各店舗ページ、公式サイト。商材との相性を見る
扱う商品の分類食品、衣類、生活雑貨など商品ページ。案内する内容を書き分ける
公式サイトのURLショップのサイト、運営会社のサイト連絡の前に事業の内容を読み直す
連絡の窓口問い合わせフォームのURL、メールアドレス、電話番号運営会社の公式サイト。法人向けの窓口があれば優先
営業お断りの表示あり・なし問い合わせフォームや会社概要のページ
確かめた日・出典どのページで、いつ確かめたか情報を見直すときの目安
連絡の記録送った日、手段、結果、断られた日同じ相手に重ねて連絡しないための記録

列を増やしすぎると、1社あたりの調べものの時間がかさみます。最初は「運営会社・法人/個人・出店先・扱う商品・連絡の窓口・営業お断りの表示」のように、連絡に欠かせない列だけを決め、商談になった会社の傾向が見えてきたら列を足していくと無理がありません。モールの店舗と自社サイトの両方で同じ会社が見つかることもあるので、法人番号を手がかりに重複をまとめておきましょう。重複の整理のしかたは名寄せ・データクレンジングのやり方|営業リストの重複をなくす手順で解説しています。

優先順位の付け方の例

リストができたら、連絡する順番を決めます。正解が1つに決まるものではありませんが、たとえば次のような観点で点数を付けると、限られた時間を相性のよい相手に使いやすくなります(想定ケース)。

  1. 扱う商品が、自社の商材と関係の深い分類か
  2. 売っている場所(自社サイト・モール・実店舗との併用)が、自社の商材と合っているか
  3. 規模や所在地が、自社で対応できる範囲か
  4. 使いたい連絡の手段(フォーム・メール・電話)の窓口がそろっているか
  5. 営業お断りの表示や、過去に断られた記録がないか

7 EC事業者への声のかけ方

EC事業者は日々の受注や発送、購入者への対応で忙しく、関係の薄い営業の連絡は読まれないまま終わることもあります。相手の店をきちんと見たうえで連絡していることが伝わるように、手段ごとの注意点と文面の組み立て方を押さえておきましょう。

問い合わせフォームで送る

ネットショップの問い合わせフォームは、購入者からの質問を受けるためのものであることもあるため、運営会社のコーポレートサイトに法人向けや取引の相談向けのフォームがあれば、そちらを使います。「営業目的のお問い合わせはご遠慮ください」といった表示があるフォームには送らず、その会社はリストに記録して対象から外します。文面の組み立て方はフォーム営業の文面テンプレート3パターン:構成・ABテスト・注意点で解説しています。

メールで送る

メールで送る場合は、第5章で触れた特定電子メール法のきまりに沿って、送ってよい相手かどうかを確かめます。アドレスを公表していても、あわせて広告や宣伝のメールを断る文言が載っていれば送れません。送信者の名称の表示や、配信を止める連絡先の記載も忘れずに入れます。

電話をかける

特定商取引法に基づく表記にある電話番号は、購入者からの問い合わせを受ける窓口でもあります。購入者への対応と営業の電話が重なると、相手の業務の妨げにもなりかねません。電話をかける場合は、運営会社の代表番号や法人向けの窓口を選び、相手の営業時間に合わせ、断られた会社にはかけ直さないようにします。

文面で伝えること

どの手段でも、①相手の店を見たことが分かる一文(扱う商品や売っている場所)、②自社の商材がその店のどんな作業に役立ちそうか、③すぐに返事ができる小さな提案、④連絡が不要な場合の伝え方、の4つが入っていると読み手に負担をかけにくくなります。発送代行の会社が送る場合の例を挙げます(想定ケース)。

〇〇(ショップ名)を運営されている△△株式会社 ご担当者様。突然のご連絡失礼いたします。発送代行を行っている□□株式会社の××と申します。貴社が常温の食品を自社サイトとモールの両方で販売されているのを拝見し、ご連絡しました。当社では、複数の売り場からの注文をまとめて出荷する体制を用意しており、出荷作業のご負担を減らすお手伝いができるかもしれません。ご関心があれば、料金の目安をまとめた資料をお送りします。今後このようなご連絡が不要でしたら、その旨をご返信ください。

相手の事業の内容に触れる部分は、公式サイトの文章で事実を確かめてから書き、扱っていない商品や売り場を書いてしまうことのないようにします。

フォーム営業を自動化する場合

件数が多くなると、1社ずつホームページを読んで文面を書き分ける作業に多くの時間を取られます。営業屋のアポジェネPROは、AIが1社ずつホームページを読んで文面を書き分け、問い合わせフォームに送るツールです。料金は月額3,000円(税込)とフォーム送信成功1件3円で、送信に失敗した分は0円です。フォーム送信成功50件までは無料で試せ、お試しにクレジットカードの登録は要りません。自動で送る場合も、営業お断りの表示があるフォームを外し、断られた会社を記録して守ることは変わりません。

8 モールやサイトから自動で集めるときの注意

プログラムを使えば、モールの店舗ページや検索結果から、店舗名や会社名を短い時間で大量に集めることもできてしまいます。けれども、集められることと、集めて営業に使ってよいことは別の話です。自動で集める前に、次の3つを確かめておきましょう。

集める先の利用規約を先に読む

モールや比較サイト、検索のサービスは、利用規約やガイドラインで、掲載している情報の使い方や、プログラムによる自動的な取得について定めていることがあります。自動で集めることを禁じていたり、掲載している出店者の情報を第三者が営業目的でまとめて使うことを想定していなかったりする場合もあるため、集める前にそれぞれのサイトの利用規約を原文で読み、認められている範囲かどうかを確かめてください。判断がつかない場合は、自動で集めるのをやめて1社ずつ確かめるほうが安全です。

相手のサーバーに負担をかけない

短い間隔で大量のページを読み込むと、相手のサイトの表示が遅くなるなど、出店者や購入者に迷惑をかけるおそれがあります。規約で認められている場合でも、読み込む間隔を空け、必要なページだけを読むようにしましょう。

集めた後の扱いも決めておく

自動で集めた情報にも、個人で運営している店の氏名や住所が混ざることがあります。第5章で見たとおり、個人情報として利用目的を定めて扱い、使わない列は消しておきます。どこから、いつ集めたかを記録しておくと、情報が古くなったときの見直しや、相手から問い合わせを受けたときの説明にも役立ちます。

本記事は公開されている資料をもとにした一般的な情報の整理であり、法律相談ではありません。特定商取引法・個人情報保護法・特定電子メール法の個別の事案や、各サイトの利用規約の解釈については、弁護士などの専門家や各サイトの運営者にご確認ください。

9 リスジェネでEC事業者のリストを作る手順

営業屋のAI営業リスト作成ツール「リスジェネ(ListGene)」は、AIが分析した100万社超の企業データベースから、業種・地域・規模などで絞り込んで営業リストを作るツールです。検索と一覧の閲覧は無料で、CSVでダウンロードするときだけ1件3円の従量課金、初期費用と月額費用はかかりません。第3章の入り口でいえば④の企業データベースにあたり、EC事業者のリストは次の流れで作れます。

  • 1
    フリーワード検索に「EC」「通販」などを入れる
    フリーワード検索は、企業名・事業概要・採用情報などのフィールドを横断して探す機能です。「EC」「通販」「ネットショップ」のように、事業の説明に入っていそうな言葉で探します。業種や地域、特徴を普段の言葉で入れるAI検索も使えます。
  • 2
    取引形態で「B2C(個人向け)」を選ぶ
    詳細条件の取引形態では「B2B(法人向け)」と「B2C(個人向け)」を選べます。消費者に向けて売る事業者を探すときはB2Cを選び、企業向けに通販している事業者を探すときはB2Bを選ぶか、指定せずに探します。
  • 3
    地域・業種・規模で絞る
    都道府県・市区町村、大分類・詳細業種のほか、従業員数・資本金・売上高からAIが判定した企業規模ランクなどで、第2章で言葉にした「狙う相手」に近づけます。
  • 4
    使う手段に合わせて、持っている項目で絞る
    「ダウンロードデータに含まれる項目で絞り込む」で、問い合わせフォーム・電話番号・メールアドレスなどを持つ会社だけに絞り込めます。問い合わせフォーム・電話・メール・FAXの保有状況からAIが判定した推奨アプローチチャネルで絞ることもできます。
  • 5
    検索結果を無料で確かめ、EC出店情報の列を見る
    検索結果は無料で閲覧できるので、業種や所在地が狙いどおりかを確かめてから必要な会社を選びます。CSVに含まれる項目には「EC出店情報」(トップページの項目の説明では「Amazon等」)もあります。どの会社にどこまで入っているかは、トップページからダウンロードできるサンプルCSVで列の中身を先に確かめておくと安心です。
  • 6
    必要な分だけダウンロードし、確かめの列を足す
    決済の最低額の関係で、ダウンロードは17件からです。表計算ソフトに取り込んだら、第6章の表にある「ショップ名」「出店先」「確かめた日・出典」「営業お断りの表示」「連絡の記録」などの列を足し、第4章の手順で特定商取引法に基づく表記と照らし合わせてから使い始めます。

リスジェネのデータについて

リスジェネの企業情報は、各企業が自社のWebサイトで公開している法人情報をもとに整理したもので、掲載情報の削除を希望する企業のための掲載情報の削除依頼の窓口も設けています。企業規模ランクや推奨アプローチチャネルのようにAIが判定した項目は推測を含むため、連絡の前には各社のホームページで事業の内容と連絡先を確かめ、「営業お断り」の表示がある会社は対象から外すことをおすすめします。代表者名のような個人の氏名を含む場合は、第5章で触れた個人情報保護法の考え方に沿って扱ってください。

10 よくある質問

Q.EC事業者の営業リストは無料で作れますか?

A.作れます。モールの店舗ページや自社サイトの「特定商取引法に基づく表記」から運営会社を確かめ、国税庁の法人番号公表サイトで法人番号を照らし合わせれば、費用をかけずに一覧を作れます。ただし1社ずつ調べる時間がかかり、モールなどから自動で集める場合は利用規約の確認が欠かせません。リスジェネなら企業の検索と一覧の閲覧は無料で、必要な分だけ1件3円でダウンロードできます。

Q.特定商取引法に基づく表記の情報を営業リストに使ってもよいですか?

A.表記は、通信販売で買う人が取引の相手や条件を確かめられるように特定商取引法で定められた表示です。運営会社の名称や所在地を確かめる手がかりにはなりますが、個人で運営している店の氏名・住所・電話番号は個人情報にあたり、公表されている情報であっても個人情報保護法の保護の対象です。利用目的を定めて通知・公表するなど法律に沿って扱い、営業の連絡は公式サイトの法人向けの窓口などを選ぶのが無難です。なお、この回答は法律相談ではありません。

Q.個人で運営しているネットショップにも営業してよいですか?

A.営業の相手になりえますが、法人に比べて気を配る点が増えます。表示されている住所や電話番号が自宅のものであることも考えられるため、リストでは法人と個人を分け、個人の店は利用目的を定めたうえで連絡に使う列だけを残します。広告や宣伝のメールを送る場合は、特定電子メール法の同意や例外のきまりにも沿う必要があります。なお、この回答は法律相談ではありません。

Q.リスジェネでEC事業者を探すにはどう絞り込めばよいですか?

A.詳細条件の取引形態で「B2C(個人向け)」を選べるほか、企業名・事業概要・採用情報などを横断して探すフリーワード検索に「EC」「通販」といった言葉を入れて絞り込めます。CSVに含まれる項目には「EC出店情報」もあります。どの会社にどこまで情報が入っているかは、無料の検索結果やサンプルCSVで確かめてからダウンロードしてください。

Q.リスジェネの料金はいくらですか?

A.企業の検索と一覧の閲覧は無料です。CSVをダウンロードする場合のみ1件3円の従量課金で、初期費用と月額費用はかかりません。決済の最低額の関係で、ダウンロードは17件からになります。

この記事のポイント

  • 売りたい商材から、狙うEC事業者を「扱う商品・売っている場所・規模」で言葉にしてからリストを作る
  • 探す入り口はモールの店舗ページ・自社サイト・展示会や業界団体の一覧・企業データベースの4つで、組み合わせて使う
  • 特定商取引法に基づく表記で運営会社を確かめ、法人番号公表サイトで照らし合わせ、ショップ名と運営会社は別の列で残す
  • 個人で運営している店の情報は、公表されていても個人情報として扱い、法人と分けて管理する
  • 自動で集める前に利用規約を確かめ、メールは特定電子メール法に沿い、「営業お断り」は記録して守る

EC事業者のリストづくりを、無料の検索から始めてみる

取引形態やフリーワード、地域・業種・規模で絞り込み、一覧を無料で確かめてから、必要な分だけダウンロードできます。

無料で検索してみる

検索・閲覧は無料・初期費用0円・月額0円・ダウンロードは1件3円(17件から)

関連コラム

営業ノウハウ全般

LG

ListGene編集部

営業屋が運営するListGene(リスジェネ)の公式コラム。BtoB営業の現場で役立つリスト活用ノウハウ、AI営業戦略、法令遵守の最新情報を発信しています。