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AI活用 2026.10.12 公開 読了 22分

AIで営業リストを作る方法:ChatGPTの注意点と企業データベースの使い分け

ChatGPTのような生成AIに「〇〇業の会社を挙げて」と頼めば、営業リストらしい一覧はすぐに返ってきます。ただ、その一覧には実在しない会社や古い情報が混ざることがあり、そのまま電話やフォーム営業に使うと、つながらない番号や見当違いの連絡で時間を失いかねません。本記事では、AIで営業リスト(法人リスト・企業リスト)を作るやり方を3つに分けて比べたうえで、生成AIの答えを確かめる方法、生成AIが得意な作業とそのまま使える頼み方の例、公開データや企業データベースとの使い分け、集めるときの規約や個人情報の注意点までを、公的な資料と各サービスの公式の説明をもとに整理します。

ノートパソコンで営業リストを確かめるビジネスパーソンと、AI・企業・検索・データベースを表すアイコンのイメージ

この記事の3つの要点

  • 1

    AIで営業リストを作るやり方は、ChatGPTなどの生成AIに直接頼む、公開データをAIで整える、AIで分析済みの企業データベースから絞り込む、の大きく3つです。生成AIは会社の一覧そのものを作るよりも、狙う会社の像を言葉にしたり、条件や優先順位を考えたりする作業で力を発揮します。

  • 2

    OpenAIのヘルプセンターや個人情報保護委員会の注意喚起が示すとおり、生成AIの答えには誤った内容や存在しない情報源、訓練の時点より後の変化を反映していない情報が混ざることがあります。会社名・所在地・連絡先は、法人番号公表サイトや各社の公式ホームページといった元の情報で確かめてから使います。

  • 3

    テレアポ・フォーム営業・メールでは、リストに必要な列が変わります。他のサイトや地図サービスの利用規約、代表者名などの個人情報の扱い、メールなら特定電子メール法にも気を配り、「営業お断り」は記録して守ることが、AIを使っても変わらない基本です。

1 AIで営業リストを作る3つのやり方

「営業リスト AI」や「法人リスト AI」と調べると、ChatGPTに頼む方法、AIで情報を集めるツール、AIを使った企業データベースなど、さまざまな話が出てきます。中身を分けてみると、AIの使いどころは大きく3つに整理できます。1つ目はChatGPTなどの生成AIに会社の候補を直接挙げてもらう方法、2つ目は国税庁の法人番号公表サイトのような公開データを取り寄せてAIで整える方法、3つ目はあらかじめAIで分析された企業データベースから条件で絞り込む方法です。

やり方できることできないこと・苦手なこと費用手間間違いの出やすさ
① 生成AIに直接頼む狙う業種や会社の像を言葉にする、条件の案や知られた会社の例を出す多数の会社の正確な一覧、今も正しい連絡先、実在の保証使うサービスのプランによる頼むのは早いが、1社ずつ確かめる作業が残る出やすい(実在しない会社・古い情報)
② 公開データをAIで整える地域で絞った法人の一覧の土台づくり、表記ゆれの整理、業種分類の下書き法人番号公表サイトのデータに電話番号や業種は含まれないデータは無料(出典の記載などの条件あり)整える作業と連絡先の調べものに時間がかかる元のデータは公的だが、AIが付けた分類は確かめが要る
③ AIで分析済みの企業データベースから絞る業種・地域・規模などでの絞り込み、普段の言葉での検索、似た会社の検索データベースに載っていない会社は出てこない月額制や件数ごとの従量制など、サービスによる少ない(条件を決めて絞り込む)AIの分類や推測は外れることがあり、使う前の確認が要る

この3つは、どれか1つを選ぶものというより、組み合わせて使うものです。たとえば、生成AIに相談しながら「どんな会社に、なぜ営業するのか」を言葉にし、その条件に合う会社を公開データや企業データベースといった出どころの分かるデータから取り出し、最後に人が公式の情報で確かめる、という分担にすると、AIの速さを生かしながら誤りを持ち込みにくくなります。営業リスト全体の作り方は、営業屋のコラム営業リストの作り方完全版でも詳しく扱っています。

AIで営業リストを作る3つのやり方(生成AIに頼む・公開データをAIで整える・AIで分析済みの企業データベースから絞る)と、最後に人が確かめる流れを表した図

2 ChatGPTに会社を挙げさせるときの注意点

ChatGPTに「〇〇県で△△業を営む会社を50社挙げて」と頼むと、会社名と所在地が並んだ表がすぐに返ってきます。見た目はそのまま使えそうですが、生成AIの仕組みと各サービス自身の説明を知っておくと、なぜ確かめが欠かせないのかが分かります。

実在しない会社や存在しない情報源が混ざることがある

OpenAIのヘルプセンターの記事「ChatGPT は真実を伝えますか?」は、ChatGPTは訓練に使われたデータのパターンに基づいて回答するように作られており、ほかの言語モデルと同じく誤った出力や誤解を招く出力を生成することがあり、間違っていても自信があるように聞こえることがある、と説明しています。同じ記事では、こうした現象がハルシネーションと呼ばれること、その例として誤った事実のほか、捏造された引用や出典、存在しない情報源への参照があることも挙げられています。GoogleのGeminiアプリのヘルプ「Gemini アプリの回答について」も、Geminiがハルシネーションを起こし、不正確な情報を事実のように示すことがあると書いています。

これを営業リストに当てはめると、もっともらしい社名が作られていたり、実在する会社の名前に別の会社の所在地や事業内容が組み合わされていたりする、といったことが起こりえます。個人情報保護委員会が令和5年(2023年)6月2日に出した「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」も、一般の利用者に向けて、生成AIの応答結果には不正確な内容が含まれることがあり、文章は確率的な相関関係に基づいて生成されるため、不正確な内容の個人情報が含まれるリスクがあると注意しています。代表者名や担当者名を答えさせた場合には、とくに気をつけたい点です。

知識に期限があり、古い情報が混ざる

同じOpenAIのヘルプは、モデルは特定の時点までのデータで訓練されており、ツールを使わない限り、それ以降の出来事は回答に反映されないとも説明しています。会社の情報は思いのほか早く変わります。東京商工リサーチが2026年1月9日に公表した2025年の「休廃業・解散企業」動向調査によると、2025年に休廃業・解散した企業は6万7,210件で、前年から7.2%増えました。これに移転や社名の変更、電話番号の変更が加わることを考えると、AIが学んだ時点の会社の情報が、今も正しいとは言い切れません。

検索の機能を使っても、確かめる作業は残る

OpenAIのヘルプによると、利用しているプランによっては、ChatGPTの検索の機能でウェブから最新の情報を探し、出典付きで答えさせることができます。出典のリンクが付けば確かめやすくなりますが、同じヘルプは、ChatGPTを最終的な情報源ではなく初稿として使い、引用やデータ、外部文書への参照は検証し、リンクに直接アクセスしてソースを確認するよう勧めています。また、技術的な問題や有料の壁、robots.txtの設定によって、特定のウェブサイトから情報を取り出せない場合があるとも書かれています。検索付きの答えであっても、漏れや取り違えがありうる下書きとして扱うのが無難です。

個人情報を入れるときは、利用目的と学習の扱いを確かめる

手元の顧客名簿や、代表者名が入ったリストを生成AIに貼り付けて整えさせたくなる場面もあるでしょう。個人情報保護委員会の前述の注意喚起は、事業者が生成AIサービスに個人情報を含むプロンプトを入力する場合は、特定した利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認するよう求めています。さらに、本人の同意を得ずに個人データを含むプロンプトを入力し、その個人データが応答結果の出力以外の目的で扱われる場合は、個人情報保護法の規定に違反する可能性があるとして、入力する場合はサービスの提供者がそのデータを機械学習に使わないことなどを十分に確かめるよう示しています。

なお、個人情報保護委員会の「よくある質問(個人向け)」Q1-1は、法人の情報は個人情報に含まれない一方で、法人の役員等の氏名などの情報は個人情報に含まれると説明しています。会社名と代表電話だけの一覧と、代表者名まで入った一覧とでは、生成AIに入力するときの注意点が変わることを覚えておきましょう。

生成AIが挙げた会社を使う前に確かめること

  • 国税庁の法人番号公表サイトで、会社名・所在地・法人番号が一致する法人が実在するか
  • その会社の公式ホームページで、事業内容と電話番号・問い合わせ窓口が答えと合っているか
  • ホームページに「営業のご連絡はお断りしています」といった表示がないか
  • 確かめた日と、どの情報で確かめたかをリストに記録したか

3 生成AIが得意なリスト作りの作業

ここまで読むと、生成AIはリスト作りに向かないように感じるかもしれません。けれども、使いどころを変えると頼りになる場面は多くあります。会社の一覧そのものを作らせるより、リストを作る前の「考える作業」と、作った後の「整える作業」を任せるほうが、生成AIの得意なことと営業リストに求められる正確さを両立しやすくなります。

作業生成AIに頼めること人が確かめること
狙う会社の像を言葉にする商材の特徴から、必要としていそうな会社の業種・規模・状況の候補を出す今の取引先や商談の傾向と合っているか
業種の分け方と検索の言葉を洗い出す関係する業種名や言い換え、外したほうがよい業種の候補を挙げる使うデータベースや公開データの分類名に合わせられるか
優先順位の付け方を決める規模・地域・設立年・採用の状況などを使った点数の付け方の案を出す自社の営業の人数で回せる件数になっているか
表記ゆれや重複を整理する「株式会社」と「(株)」、全角と半角などをそろえ、重複していそうな行に印を付ける法人番号で突き合わせ、別の会社をまとめていないか
1社ごとの下調べをまとめる公式ホームページの文章を貼り、事業の要約と商材との接点を書き出す要約が元の文章と合っているか
連絡の文面を考える相手の事業に合わせた書き出しの下書きを作る事実と違うことや大げさな表現が入っていないか

この表の左から2列目は、どれも「実在する会社の名前と連絡先を生成AIに思い出させる」作業ではない点が共通しています。会社名と連絡先をそろえる部分は出どころの分かるデータに任せ、生成AIには条件や優先順位を考えさせ、人が最後に確かめる。この分担にしておくと、ハルシネーションが入り込む場所をかなり絞れます。営業でのAIの使い方を広く知りたい場合は、営業屋のコラムAI営業の最新トレンド2026や、リスジェネのコラムAI営業の最前線もあわせてご覧ください。

4 そのまま使える頼み方(プロンプト)の例

ここでは、関東の中小の製造業に勤怠管理の仕組みを案内している会社、という想定ケースで頼み方の例を紹介します。〇〇の部分を自社の内容に置き換えて使ってください。社外秘の情報や、個人の氏名・連絡先は入力しないことを前提にしています。

例1:狙う会社の像を言葉にする

あなたはBtoB営業の担当者です。当社は〇〇(商材)を販売しています。主な特徴は〇〇で、今の取引先には〇〇のような会社が多くあります。この商材を必要としていそうな会社の特徴を、業種・従業員の規模・地域・最近の状況(採用を続けている、拠点を増やしている など)の観点で5つ挙げ、それぞれ理由を1文で書いてください。実在の会社名は挙げないでください。

最後の一文で会社名を挙げさせないようにしているのは、この段階で欲しいのが「どんな会社か」という条件だからです。返ってきた特徴のうち、今の取引先の傾向と合うものを残し、次の例2に進みます。

例2:検索に使う言葉と外す業種を洗い出す

次の会社の像に当てはまる会社を、企業データベースで探します。検索に使う業種名やキーワードを、言い換えを含めて15個挙げてください。あわせて、似ているが対象から外したほうがよい業種を5個、理由とともに挙げてください。会社の像:〇〇

データベースによって業種の分け方や呼び方は違うため、言い換えを多めに出しておくと、絞り込みの取りこぼしを減らせます。外す業種を一緒に考えさせておくと、関係の薄い会社にまで連絡してしまうことも防げます。

例3:公開データの表記をそろえる

次の表は会社名と所在地の一覧です。会社名の「株式会社」「(株)」などの表記をそろえ、全角と半角の混ざりを直し、同じ会社が重複していそうな行に印を付けてください。表にない内容を推測で書き足さず、判断できない行には「要確認」と書いてください。

貼り付ける表からは、個人の氏名の列を外しておきます。「推測で書き足さない」「判断できない行は要確認」と書いておくのは、生成AIがもっともらしい値で空欄を埋めてしまうのを防ぐためです。

例4:優先順位の付け方を決める

営業先の優先順位を付けるための点数表を作りたいと考えています。使える列は、業種・所在地・従業員の規模・設立年・採用中かどうか、です。当社の商材は〇〇で、営業の担当は〇名、1か月に連絡できるのは〇件ほどです。各列に何点ずつ配分するか案を出し、そう考えた理由も書いてください。

点数の付け方そのものは正解が1つに決まるものではないので、生成AIの案をたたき台にして、実際に商談になった会社の傾向と照らし合わせながら直していきます。

例5:1社ごとの下調べをまとめる

以下は、ある会社の公式ホームページの「会社概要」と「事業内容」のページの文章です。この文章に書かれていることだけを使って、事業の内容を3行で要約し、当社の商材〇〇と関係がありそうな点を挙げてください。文章に書かれていないことは推測しないでください。

相手のホームページの文章を元にすることで、答えの根拠を自分の目で確かめられるようになります。それでも要約が元の文章とずれることはあるので、連絡の前に元のページを開いて見比べる習慣をつけておきましょう。

どの例にも「実在の会社名は挙げない」「推測で書き足さない」「書かれていることだけを使う」といった一文を入れているのは、前の章で見た誤りを入り込みにくくするためです。ただし、これで誤りがなくなるわけではありません。生成AIの答えは下書きとして受け取り、事実にあたる部分は元の情報で確かめてください。

5 公開データをAIで整えて営業リストにする手順

費用をかけずに、出どころの分かる会社の一覧を作りたいときは、国や行政が公開している法人のデータが土台になります。ここでは代表的な2つの公開データと、生成AIで整えて営業リストに仕上げる手順を紹介します。

国税庁「法人番号公表サイト」

国税庁の法人番号公表サイトでは、法人番号を指定した法人などの「基本3情報」、つまり商号又は名称、本店又は主たる事務所の所在地、法人番号が公表されています。ダウンロードのページでは、前月末時点の情報を全国分や都道府県ごとにまとめた全件データと、新たに法人番号を指定した法人や商号の変更などを日ごとにまとめた差分データが、CSV形式とXML形式で提供されています。所在地で地域を絞れるので、特定の地域の法人の一覧を作る土台になりますが、公表される情報に電話番号や業種は含まれていません。

同サイトの利用規約では、コンテンツは公共データ利用規約(第1.0版)に準拠した条件で利用でき、利用する際は出典を記載すること、編集・加工して利用する場合はそのことも記載することが求められています。AIで整えたリストを社外に渡す場合などは、この点も守っておきましょう。

経済産業省「gBizINFO(Gビズインフォ)」

経済産業省が運営するgBizINFOは、政府が持つ法人の情報を提供するサイトで、所在地や資本金、従業員数、業種のほか、補助金、届出・認定・表彰、調達といった情報を条件に検索できます。法人の情報はCSVやJSONなどの形式でダウンロードでき、REST APIでの取得にも対応しています。gBizINFOの利用規約では、出典を記載すれば商用利用も可能とされる一方、編集・加工した場合はその旨を記載すること、提供する情報の正確さや最新さは保証されていないことも明記されています。

公開データから営業リストを作る手順

  • 1
    地域を決めて全件データを取り寄せる
    法人番号公表サイトから、営業したい地域の都道府県の全件データ(CSV)をダウンロードします。
  • 2
    市区町村などで絞り込む
    表計算ソフトで開き、所在地の列で市区町村を絞り込みます。件数が多すぎる場合は、この段階で範囲を狭めておきます。
  • 3
    gBizINFOで業種や認定などの情報を足す
    法人番号を手がかりにgBizINFOの情報と突き合わせ、業種や資本金、補助金や認定の情報など、営業する理由になる列を足します。
  • 4
    生成AIで表記をそろえ、分類の下書きを付ける
    前の章の例3のように表記ゆれを整え、必要なら事業内容から業種の分類の下書きを付けます。会社名や所在地そのものは書き換えさせないようにします。
  • 5
    公式ホームページで事業内容と連絡先を確かめる
    電話番号や問い合わせフォームのURLは、各社のホームページで1社ずつ確かめます。「営業お断り」の表示がある会社は対象から外し、その理由を残します。
  • 6
    出典と確かめた日を記録する
    どの公開データを使い、どう加工したか、いつ確かめたかを残しておくと、利用規約の出典の記載にも、あとで情報を更新するときにも役立ちます。

公開データで作るときに見落としやすいこと:データは無料でも、電話番号や問い合わせ窓口を1社ずつ調べる時間はかかります。何社分を、どれだけの時間で作るのかを先に見積もっておきましょう。無料で使えるそのほかの集め方は営業屋のコラム営業リストを無料で作る方法で、新しくできた法人を追いかけるやり方はスタートアップ・新設法人への営業戦略で紹介しています。

6 テレアポ・フォーム営業・メールで変わるリストの列

AIでリストを作るときに見落としやすいのが、使う手段によって必要な列が違うことです。電話で営業するのにメールアドレスしかないリスト、フォーム営業をするのに問い合わせフォームのURLがないリストでは、せっかく作っても使えません。頼み方や絞り込みの条件を決める前に、どの手段で連絡するのかを決めておきましょう。

手段欠かせない列あると良い列気をつけること
テレアポ会社名・電話番号・所在地・業種・架電の記録・営業お断りの記録代表者名や担当部署、営業時間相手の営業時間に合わせ、断られた会社にはかけ直さない
フォーム営業会社名・問い合わせフォームのURL・業種・送った日・結果事業内容の要約(文面の書き分けに使う)営業目的の送信を断っているフォームには送らない
メール会社名・メールアドレス・アドレスを知った経緯・送った日・受信拒否の記録担当部署特定電子メール法の同意や表示のきまりに沿って送る

企業データベースの中には、会社ごとに向いている連絡の手段をAIが判定しているものもあります。たとえばリスジェネの「推奨アプローチチャネル」は、問い合わせフォーム・電話・メール・FAXの保有状況から、フォーム営業・テレアポ・メール営業・FAX DMのどれが向いているかをAIが判定した項目です。手段に合わない会社をあらかじめ外せるので、ダウンロードした後に列を見て選び直す手間を減らせます。テレアポ用のリストの作り方はテレアポリストの作成方法で詳しく解説しています。

メールで営業するときは特定電子メール法に沿う

総務省と消費者庁の「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」によると、広告や宣伝のためのメールは、原則としてあらかじめ同意した相手にだけ送ることができます(特定電子メール法第3条)。例外として、名刺などの書面でメールアドレスを知らせてきた相手、取引関係にある相手、インターネットでメールアドレスを公表している団体や営業を営む個人への送信が挙げられていますが、アドレスと一緒に広告宣伝のメールを送らないよう求める文言を公表している場合は、この例外にあたりません。送信者の氏名・名称などの表示(第4条)や、受信を拒否された相手に送らないことも定められています。AIでメールアドレスを集めた場合も、このきまりは同じように関わります。メールを使った営業の進め方はメールDM営業の成功法則もあわせてご覧ください。

フォーム営業に使う場合

問い合わせフォームを使う場合も、「営業目的のご連絡はご遠慮ください」と書かれたフォームには送らない、送り主を明らかにする、といった配慮は電話やメールと変わりません。文面の組み立て方はフォーム営業の文面テンプレート3パターンで解説しています。

なお、営業屋のアポジェネPROは、AIが1社ずつホームページを読んで文面を書き分け、問い合わせフォームに送るクラウド型のツールで、フォームで届かない場合はメール窓口へ自動で切り替えます。料金は月額3,000円(税込)とフォーム送信成功1件3円で、送信の失敗とメールでの補完は0円です。フォーム送信成功50件までは無料で試せます(お試しにカード登録は不要で、50件に達すると自動で止まります)。

7 自動で集めるときの注意:規約・個人情報・相手への配慮

AIやプログラムを使えば、ウェブ上の情報を短い時間で大量に集めることもできてしまいます。けれども、集められることと、集めて営業に使ってよいことは別の話です。自動で集める前に、次の3つを確かめておきましょう。

集める先のサイトの利用規約を先に読む

多くのサイトやサービスは、利用規約で掲載している情報の使い方を定めています。たとえばGoogleの「Google マップ / Google Earth 追加利用規約」(最終更新日 2025年6月4日)は、禁止行為として、許可されている場合を除いてコンテンツをコピーすることや、コンテンツを大量にダウンロードしたり一括フィードを作成したりすることを挙げています。地図サービスは、1社ずつ所在地や営業時間を確かめる参考にとどめ、画面の情報をまとめて写し取って名簿にするような使い方は避けるのが無難です。プログラムで自動的に集める場合も、それぞれのサイトの規約で認められているかを確かめ、相手のサーバーに負担をかけない配慮が欠かせません。

担当者名などは個人情報として扱う

前に触れたとおり、法人の役員等の氏名は個人情報にあたります。代表者名や担当者名を含むリストを事業で使う場合、個人情報保護法では、利用目的をできる限り特定すること(第17条)や、個人情報を取得したときは、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに本人に通知するか公表すること(第21条)などが定められています。AIで集めた情報やAIがまとめた情報であっても、この扱いは変わりません。リストを購入する場合の考え方は名簿業者・営業リストの購入は違法?個人情報保護法で見る線引きで詳しく取り上げています。

件数が増えるほど、送り先の選び方と記録が大切になる

AIでリストを作る時間が短くなると、つい件数を増やしたくなります。けれども、関係の薄い会社に連絡すれば相手の仕事の手を止めることになり、苦情や評判の悪化にもつながります。「営業お断り」の表示がある会社や、一度断られた会社をリストに記録して社内で共有し、同じ会社に電話・フォーム・メールで重ねて連絡しないようにしておくことが、AIを使う場合でも長く続けられる営業の土台になります。重複の整理のしかたは名寄せ・データクレンジングのやり方で解説しています。

本記事は公開されている資料をもとにした一般的な情報の整理であり、法律相談ではありません。個別の事案については、弁護士などの専門家にご相談ください。

8 目的別の使い分けと確かめの流れ

3つのやり方のどれが向いているかは、作りたい件数、使える予算と時間、狙う会社の条件がどれだけ決まっているかで変わります。迷ったときは、次の表を目安にしてください。

こんなとき向いているやり方理由
どんな会社を狙うかがまだ定まっていない① 生成AIに相談する商材の特徴から、狙う会社の像や条件を言葉にする作業が得意
費用をかけず、決まった地域の法人を少しずつ当たりたい② 公開データをAIで整えるデータは無料。連絡先を調べる手間は時間で払う
新しくできた法人を継続して追いかけたい② 法人番号公表サイトの差分データ、または③の設立年での絞り込み新たに法人番号が指定された法人を日ごとに確かめられる
条件を変えながら何度も作りたい、件数が多い③ AIで分析済みの企業データベース絞り込みと連絡先がそろっており、作り直しが早い
今の取引先に似た会社を探したい③ 似た会社の検索。①で特徴を言葉にしてから検索してもよい取引先の業種や規模を手がかりに、まだ連絡していない会社を探せる

どのやり方でも最後は人が確かめる

どのやり方を選んでも、AIが付けた分類や推測、生成AIの答えには外れがありえます。連絡の前に、次の順番で確かめておくと手戻りを減らせます。

  1. 実在するか:法人番号公表サイトで、会社名・所在地・法人番号を確かめる。
  2. 何をしている会社か:公式ホームページで事業内容を読み、自社の商材と関係があるかを確かめる。
  3. 連絡先は合っているか:電話番号・問い合わせフォーム・メールアドレスを、公式ホームページの表示と見比べる。
  4. 断られていないか:「営業お断り」の表示や、自社の過去の記録を確かめる。
  5. 記録したか:確かめた日と結果をリストに残し、次に使う人に引き継ぐ。

主な営業リスト作成ツールの機能や料金の違いは営業リスト作成ツール10選の比較でまとめています。

9 リスジェネでAIを使って営業リストを作る手順

営業屋のAI営業リスト作成ツール「リスジェネ(ListGene)」は、AIが分析した100万社超の企業データベースから、業種・地域・規模などで絞り込んで営業リストを作るツールです。3つのやり方でいえば③にあたり、検索と一覧の閲覧は無料、CSVでダウンロードするときだけ1件3円からの従量課金で、初期費用と月額費用はかかりません。AIを使ってリストを作る流れは次のとおりです。

  • 1
    AI検索に普段の言葉で条件を入れる
    業種・地域・特徴を、たとえば「関東にある、金属加工を手がける中小の製造業」(想定の例)のように普段の言葉で入力します。AI検索は1日50回まで無料で使えます。第4章の例1・例2で生成AIと一緒に考えた会社の像を、そのまま入れてみるのも一つの方法です。
  • 2
    今の取引先に似た会社を探す
    AI検索に企業のURLや企業名を入れると、似た会社も探せます。取引先と同じような業種や規模の、まだ連絡していない会社を見つけたいときに使えます。
  • 3
    詳細条件で絞り込む
    大分類・詳細業種、都道府県・市区町村に加えて、AIが付けた項目でも絞り込めます。企業規模ランクは従業員数・資本金・売上高などからAIが5段階で判定したもの、推奨アプローチチャネルは問い合わせフォーム・電話・メール・FAXの保有状況からAIが判定したものです。
  • 4
    使う手段に合わせて、持っている項目で絞る
    「ダウンロードデータに含まれる項目で絞り込む」で、電話番号・問い合わせフォーム・メールアドレスなどを持つ会社だけに絞り込めます。第6章の表の「欠かせない列」がそろう会社を残します。
  • 5
    一覧を無料で確かめる
    検索結果は無料で閲覧できるので、業種や所在地が狙いどおりかを確かめてから、必要な会社だけを選びます。トップページからサンプルCSVをダウンロードして、列の中身を先に確認することもできます。
  • 6
    必要な分だけダウンロードし、記録の列を足す
    決済の最低額の関係で、ダウンロードは17件からです。表計算ソフトや顧客管理の仕組みに取り込み、送った日や結果、営業お断りの列を足して使い始めます。

リスジェネのデータについて

リスジェネの企業情報は、各企業が自社のWebサイトで公開している法人情報をもとに整理したもので、掲載情報の削除を希望する企業のための削除依頼の窓口も設けています。企業規模ランクや推奨アプローチチャネルのようにAIが判定した項目は推測を含むため、連絡の前にはホームページなどで事業内容と連絡先を確かめ、「営業お断り」の表示がある会社は対象から外すことをおすすめします。代表者名のような個人の氏名を含む場合は、第7章で触れた個人情報保護法の考え方に沿って扱ってください。

10 よくある質問

Q.AIで営業リストは無料で作れますか?

A.作れます。生成AIのサービスには無料で使える範囲があるものもあり、国税庁の法人番号公表サイトや経済産業省のgBizINFOのデータも無料でダウンロードできます。ただし、法人番号公表サイトのデータには電話番号や業種が含まれないため、連絡先は各社のホームページなどで1社ずつ確かめる時間がかかります。リスジェネなら検索と一覧の閲覧、AI検索(1日50回まで)が無料で、必要な分だけ1件3円からダウンロードできます。

Q.ChatGPTだけで営業リストは作れますか?

A.それらしい一覧は作れますが、そのまま営業に使うのはおすすめしません。OpenAIのヘルプセンターは、ChatGPTが誤った出力や存在しない情報源への参照を生成することがあり、検索などのツールを使わない限り訓練の時点より後の出来事は回答に反映されないと説明しています。ChatGPTは狙う会社の像を言葉にしたり、条件や優先順位を考えたりする作業に使い、会社の一覧は出どころの分かる公開データや企業データベースから作るほうが、確かめる手間を減らせます。

Q.AIで集めた営業リストを使うと違法になりませんか?

A.AIを使ったかどうかよりも、集め方と使い方が問われます。他のサイトや地図サービスの利用規約で禁じられた方法で集めていないか、代表者名などの個人情報を含む場合に利用目的の特定や通知・公表など個人情報保護法に沿って扱っているか、広告宣伝のメールを送るなら特定電子メール法の同意や表示のきまりを守っているか、を確かめてください。なお、この回答は法律相談ではありません。

Q.AIで作った営業リストの正確さはどう確かめればよいですか?

A.国税庁の法人番号公表サイトで会社名・所在地・法人番号が一致するかを確かめ、各社の公式ホームページで事業内容と連絡先、営業お断りの表示の有無を確認します。確かめた日をリストに記録しておくと、あとで情報が古くなっていないかを見直しやすくなります。

Q.リスジェネの料金はいくらですか?

A.企業の検索と一覧の閲覧は無料で、AI検索も1日50回まで無料で使えます。CSVをダウンロードする場合のみ1件3円からの従量課金で、初期費用と月額費用はかかりません。決済の最低額の関係で、ダウンロードは17件からになります。

この記事のポイント

  • AIで営業リストを作るやり方は、生成AIに頼む・公開データをAIで整える・AIで分析済みの企業データベースから絞るの3つで、組み合わせて使う
  • 生成AIの答えには実在しない会社や古い情報が混ざることがあるので、会社名と連絡先は法人番号公表サイトや公式ホームページで確かめる
  • 生成AIは、狙う会社の像や検索の言葉、優先順位、表記の整理、下調べの要約といった作業に任せる
  • テレアポ・フォーム営業・メールで必要な列は違うので、使う手段を先に決めてから絞り込む
  • 他のサイトの利用規約、個人情報保護法、特定電子メール法に沿って集めて使い、「営業お断り」は記録して守る

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