営業リストを無料で作る方法
企業リストの集め方7選と注意点
この記事の3つの要点
- 1
無料で営業リストの土台を作るなら、国税庁の「法人番号公表サイト」(法人名・所在地・法人番号)と経済産業省の「gBizINFO」(法人によっては業種や従業員数、補助金・認定の情報まで載っている)が出発点になります。ただし電話番号や問い合わせ窓口は入っていないので、各社の公式サイトで補う作業が残ります。
- 2
業界団体の名簿、展示会の出展社一覧、求人情報、地図サービスも情報源になりますが、公的な名簿でも商用利用を断っているものがあり、Googleマップは利用規約で大量ダウンロードを禁じています。法人の情報であっても、代表者名や担当者名は個人情報に当たる点にも気をつけましょう。
- 3
無料のリスト作りは、お金の代わりに作業時間で支払う方法です。数十件から100件程度を一度作るだけなら無料で十分ですが、数百件以上を毎月使うなら、検索は無料で試せて1件3円からダウンロードできるリスジェネのようなツールと組み合わせた方が、時間の面で割に合う場面が増えます。
新しい取引先を探したいけれど、営業リストにお金をかける前に、まずは無料でできるところまでやってみたい。そう考えて「営業リスト 無料」と検索する方は少なくありません。実際、国や自治体が公開しているデータや、業界団体・展示会のサイトなど、お金をかけずに使える企業情報の入り口はいくつもあります。一方で、情報源ごとに使ってよい範囲が違ったり、法人の情報のつもりで集めたものに個人情報が混ざっていたりと、知らずに進めると後で困る落とし穴もあります。この記事では、無料で企業リストを集められる7つの情報源と、それぞれの使い方・利用規約や法律の注意点、Excelやスプレッドシートでの整え方、そして「無料で足りる場面」と「ツールを使った方がよい場面」の見分け方までを、順を追って説明します。
無料で営業リストを作る前に決めておく3つのこと
無料の情報源は1つで全部の項目がそろうことがほとんどないため、「何のために、どの項目が要るのか」を決めずに始めると、あちこちのサイトを行き来するうちに時間だけが過ぎてしまいます。最低限、次の3点を書き出してから始めましょう。
1. 誰に売るのか(業種・地域・規模)
これまでに受注できた会社や、手応えのあった会社を思い浮かべ、業種・地域・従業員の規模を言葉にしておきます。「東京23区の、従業員20〜100人くらいの製造業」のように具体的なほど、後で使う情報源や絞り込み方が決まりやすくなります。ターゲットの決め方そのものは「営業リストの作り方完全版」で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
2. 何で連絡するのか(電話・フォーム・郵送・メール)
同じ「営業リスト」でも、連絡の方法によって必要な項目はまったく違います。テレアポ用のリストなら電話番号が欠かせませんし、フォーム営業なら問い合わせフォームのURL、DMの郵送なら正確な住所が要ります。無料の公的データには電話番号やフォームのURLが入っていないことが多いので、どの方法で連絡するかによって、後で補う作業の量が変わります。
| 連絡の方法 | 最低限ほしい項目 | 無料の公的データだけでそろうか |
|---|---|---|
| テレアポ(電話) | 会社名・代表電話番号・所在地・業種 | 電話番号は入っていないため、公式サイトなどで補う必要がある |
| フォーム営業 | 会社名・WebサイトURL・問い合わせフォームURL | URLは入っていないため、1社ずつサイトを探して確かめる必要がある |
| DM(郵送) | 会社名・郵便番号・所在地 | 本店の所在地はそろう(支店や営業所の住所は別に調べる) |
| メール | 会社名・公開されているメールアドレス | 入っていないうえ、送る前に特定電子メール法の確認が要る(後述) |
3. 何件を、どのくらいの頻度で使うのか
最後に、必要な件数と使う頻度を決めます。「今月だけ50件」なのか「毎月300件ずつ」なのかで、無料で作るべきか、ツールを使うべきかの答えが変わるからです。この判断の目安は、記事の後半で想定ケースを使って計算します。
無料で使える企業リストの情報源7選を一覧で比べる
無料で企業の情報を集められる主な情報源を7つに整理しました。なお、自社に残っている名刺や過去の問い合わせ、失注した商談の記録は、どの情報源よりも先に見直したい「0番目」の資産です。そのうえで外から新しく集める場合は、次の表を目安にしてください。
| # | 情報源 | 取れる主な情報 | 向いている使い方 | 気をつけること |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 法人番号公表サイト(国税庁) | 法人名・フリガナ・本店所在地・法人番号 | 地域ごとの法人の一覧づくり、重複を消すときの照合の鍵 | 電話番号・業種・規模は入っていない。出典の記載が必要 |
| 2 | gBizINFO(経済産業省) | 法人の基本情報に加え、補助金・認定・表彰・調達・職場情報など | 業種や活動の情報で手がかりを足す | 法人によって載っている情報の量に差がある |
| 3 | 省庁・自治体の許認可業者の名簿 | 事業者名・所在地・許可の種類など | 業種がはっきり決まったリスト | 商用利用や営利目的の閲覧を断っているものがある |
| 4 | 業界団体の会員名簿 | 会員企業名・所在地・WebサイトURL | 特定の業界に絞ったリスト | 公開の目的や利用条件を確かめる |
| 5 | 展示会の出展社一覧 | 出展社名・出展分野・WebサイトURL | 関心のあるテーマが近い企業を探す | 主催者サイトの利用規約を確かめる |
| 6 | 求人サイト・求人情報 | 採用中の企業名・所在地・募集職種 | 人手不足や事業拡大の手がかりで探す | 求職者向けのサービス。一括収集や目的外の利用は規約を確かめる |
| 7 | 地図サービス(Googleマップなど) | 店舗・事業所の名前・住所・電話番号・Webサイト | 地域の店舗や事業所を1件ずつ確かめる | 利用規約で大量ダウンロードなどを禁じている |
表を見ると分かるとおり、無料の情報源には「件数は多いが項目が少ない」もの(1・2)と、「対象ははっきりしているが件数が限られる」もの(3〜7)があります。うまく使うコツは、公的データで土台(どの会社があるか)を作り、名簿や公式サイトで肉付けするという役割分担です。以下、それぞれの使い方と注意点を順に見ていきます。
公的データで土台を作る|法人番号公表サイトとgBizINFOの使い方
国税庁「法人番号公表サイト」で地域の法人一覧をダウンロードする
国税庁の法人番号公表サイトでは、法人番号を指定された法人の「基本3情報」である商号または名称(フリガナを含む)、本店または主たる事務所の所在地、法人番号を、会員登録などをせずに検索・ダウンロードできます。国税庁のパンフレットでも、法人番号には利用範囲の制約がないと案内されています。画面で1件ずつ検索することもできますが、営業リストの土台に使うなら「基本3情報ダウンロード」が便利です。
都道府県を選んで全件データを落とす
全件データは前月末時点の最新情報で、全国分のほか都道府県単位でも取得できます(新しく指定された法人や変更は「差分データ」として日別にも提供されています)。形式はCSV(Shift-JIS/Unicode)とXMLの3種類です。日本語版のExcelでそのまま開くならShift-JIS版が扱いやすく、旧字体などの文字をなるべく正しく残したい場合はUnicode版を選びます。
閉鎖された法人を外す
ダウンロードデータには「登記記録の閉鎖等年月日」と「登記記録の閉鎖等の事由」という項目があります。ここに日付が入っている行は、解散や合併などで登記記録が閉鎖された法人なので、営業先からは外しておきます。
市区町村や法人の種類で絞る
所在地の列で市区町村を絞り込み、社名の列で「株式会社」などの法人の種類を見ながら、ターゲットに近い会社を残します。業種や規模はこのデータに入っていないため、ここではまだ「その地域にある法人の一覧」にすぎません。
公式サイトで業種・電話番号・窓口を補う
残した会社を1社ずつ検索して公式サイトを開き、業種がターゲットに合うか、電話番号や問い合わせフォームがあるかを確かめて書き足します。無料で作る場合に一番時間がかかるのがこの工程です。
使うときの約束事も確認しておきましょう。法人番号公表サイトの利用規約では、掲載情報は「公共データ利用規約(第1.0版)」に準拠した条件で利用でき、利用する際は出典を記載すること、編集・加工した場合はその旨も記載すること、加工したものを国が作ったように見せてはいけないことが定められています。記載例は「出典:国税庁法人番号公表サイト(国税庁)(当該ページのURL)」です。社内だけで使うリストであっても、シート名や備考欄に出典と取得日、加工したことを書いておくと、後で誰が見ても由来が分かって安心です。なお、システム同士でつなぐWeb-APIを使う場合は、アプリケーションIDの発行手続きが必要になります。
もう1つ知っておきたいのが、個人事業主には法人番号が指定されないという点です(国税庁「よくある質問」)。そのため、個人で営む店舗や事務所はこのデータには出てきません。飲食店や小売店、士業の事務所など、個人事業主が多い業種を狙う場合は、後で紹介する許認可の名簿や地図サービスなどと組み合わせる必要があります。
gBizINFO(Gビズインフォ)で業種や活動の手がかりを足す
gBizINFOは経済産業省が運営する法人情報のサイトで、トップページでは「500万社以上の政府保有法人データ提供サイト」と案内されています。法人番号・法人名・本店所在地は法人番号公表サイトのデータを使い、そこに各府省が持っている財務、特許、届出・認定、補助金、調達、表彰、職場情報などの情報を法人番号でつないで提供しているのが特徴です。法人によっては業種や資本金、従業員数、設立年なども載っています。
営業リストで役立つのは、こうした「活動の情報」です。ある分野の補助金に採択されていたり、認定・表彰を受けていたりする企業は、その分野で新しい取り組みを進めている可能性があります。採択や認定がそのまま購買意欲を意味するわけではありませんが、優先して調べる先を選ぶ材料にはなります。
- データの入手:法人基本情報と法人活動情報は、CSV・PDF・JSONの形式で入手できます。法人ごとのページを画面で開いて見るだけなら申請は要りませんが、情報の種類ごとにまとめてダウンロードするにはアクセストークンが必要で、利用目的や連絡先などを届け出る利用申請(APIと共通)を先に済ませておく必要があります。
- APIの利用:REST APIも公開されていますが、事前の利用申請が必要で、申請後にメールで届く案内からAPIトークンを確認して使う流れです。gBizINFOの「API・データダウンロード利用規約」(2026年4月8日最終更新)では、APIもまとめてのダウンロードも、申請のときに届け出た目的の範囲内でしか使えないと定められています。
- 気をつけること:各府省が持っている情報だけが載る仕組みなので、法人によって情報の量に大きな差があります。業種や従業員数が空欄の会社も「対象外」とは限らないため、空欄だけを理由に外さないようにしましょう。利用の条件はサイト内の利用規約で確認してください。
公的データの使い方のコツ:法人番号公表サイトで「その地域にどの法人があるか」を押さえ、gBizINFOで活動の手がかりを足し、最後に公式サイトで電話番号や問い合わせ窓口を確かめる、という3段階で考えると迷いません。法人番号は社名や所在地が変わっても変わらないため、リストの1列目に入れておくと、後で重複を消すときの照合の鍵としても役に立ちます。
名簿・展示会・求人・地図から集める方法と規約上の注意
公的データだけでは業種や連絡先が足りないとき、または特定の業界や地域に絞りたいときは、名簿や展示会、求人、地図といった情報源が役に立ちます。ただし、これらはもともと営業リストを作るために公開されているわけではないものがほとんどです。それぞれの公開の目的と利用規約を確かめたうえで、目的に沿った範囲で使うことが大切です。
省庁・自治体が公開している許認可業者の名簿
建設業や不動産業など、許可や登録が必要な業種では、行政が業者の一覧を公開していることがあります。業種がはっきりしているので、特定の業界向けのリストを作るときには魅力的な情報源です。ところが、公的な名簿だからといって営業に使ってよいとは限りません。たとえば愛知県が公開している建設業者一覧には「この資料の商用利用、出版、不特定または多数に対する二次配布は許可しません」と明記されています。また国土交通省の「建設関連業者閲覧システム」は、制度の趣旨を逸脱した営利目的の閲覧や大量閲覧を断り、得た情報を目的に沿わない形で商用に転用することを禁止事項にしています。名簿のページにある「おことわり」や利用規約は、集め始める前に読むようにしましょう。
業界団体の会員名簿
業界団体の多くは、Webサイトに会員企業の一覧を載せています。その業界の会社であることがはっきりしているので、業界を絞ったリストの出発点になります。ただし会員一覧は団体の活動や会員を紹介するために載せているもので、営業での利用について注意書きを設けている団体もあります。注意書きや規約を確かめ、会員企業から見て不自然でない使い方にとどめましょう。自社が会員として受け取った名簿を、団体の決まりに反して営業に使うことも避けてください。
展示会の出展社一覧
展示会の公式サイトには、出展社の一覧が出展分野ごとに載っていることがよくあります。自社の商材と関係の深いテーマの展示会に出ている会社は、そのテーマに関心を持っていると考えられるため、優先度の高いリストを作りやすい情報源です。使うときは主催者サイトの利用規約を確かめ、一覧を丸ごと写すのではなく、ターゲットに合う会社を選んで記録しましょう。実際に来場して名刺交換をした相手は、すでに接点がある分、外から集めた一覧より話を聞いてもらいやすい相手です。
求人サイト・求人情報
求人を出している会社は、人手が足りていないか、事業を広げようとしている会社だと考えられ、採用支援や業務の効率化、外注サービスなどを扱う会社にとっては相性のよい手がかりです。ただし求人サイトは本来、仕事を探す人のためのサービスです。ツールで求人情報を一括で抜き出したり、求職以外の目的で使ったりしてよいかは、各サイトの利用規約で確かめてください。求人に載っている採用担当者の名前やメールアドレスは個人情報に当たりますし、採用の応募窓口に営業の連絡を送るのは相手の業務の妨げになります。窓口の選び方については「フォーム営業マナー基準v1」でも取り上げています。
地図サービス(Googleマップなど)
地図サービスは、法人番号のデータに出てこない個人の店舗や、地域の事業所を探すのに便利です。業種のキーワードと地域で検索すれば、名前・住所・電話番号・Webサイトをその場で確かめられます。ただし、Googleの「Google マップ エンドユーザー向けの追加利用規約」(2025年6月4日更新)では、コンテンツを大量にダウンロードしたり一括フィードを作ったりすることを禁じており、Googleマップの代わりになるサービスや類似のサービスで使うために、ビジネスリスティングのデータベースなどを作ることも禁止しています。地図は「1件ずつ見て確かめる道具」として使い、拡張機能などで検索結果をまとめて抜き出すような使い方は避けましょう。
どの情報源でも共通の確認ポイント
- 01利用規約や「おことわり」に、商用利用・二次利用・大量取得についての決まりがないか
- 02アクセスの制限や自動取得を拒む設定など、サイト側の意思表示を無視していないか
- 03短時間に大量のページを開くなど、相手のサーバーに負荷をかける集め方をしていないか
- 04代表者名・担当者名・個人の連絡先など、個人の情報が混ざっていないか
- 05どこから・いつ取った情報かを、リストの列として残しているか
無料リストを使う前に押さえたい法律の注意点
無料で集めたリストでも、有料で買ったリストでも、使うときに関係する法律は同じです。ここでは営業リストに関わりの深い4つの法律について、公的な資料で確かめられる範囲で整理します(以下は一般的な情報で、法律相談ではありません。個別の判断は弁護士などの専門家にご相談ください)。名簿業者のルールなどリスト全般の法律については、「営業リストの購入は違法?改正個人情報保護法と正しいリスト活用」でも詳しく解説しています。
個人情報保護法|法人の情報でも「人」の情報は個人情報
個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)では、法人そのものに関する情報は個人情報に当たらない一方で、役員や従業員などに関する情報は個人情報に当たると整理されています。同委員会のQ&Aでも、法人の代表者の情報や取引先企業の担当者名は個人情報に当たるとされています。また、ホームページやSNSなどで公にされている情報でも、特定の個人を識別できるものは個人情報です。
実務で気をつけたいのは2点です。1つ目は、個人情報を取得する場合、あらかじめ利用目的を公表していなければ、取得後すみやかに本人へ通知するか公表する必要があることです。ガイドラインは、インターネット上で本人が自ら公にしている個人情報を(単に見ただけでなく)取得した場合もこの例に挙げています。担当者名などを記録するなら、プライバシーポリシーに営業活動での利用を書いておくのが基本です。2つ目は、リストの作り方で扱いが変わることです。Q&Aでは、法人の情報だけを検索できるデータベースなら代表者名があっても「個人データ」には当たらない一方、代表者名などで検索できるように体系的に作ると「個人情報データベース等」に当たるとしています。必要のない個人の情報は最初から集めないのが、いちばん手堅い方法です。
特定電子メール法|公開されているアドレスへの営業メール
広告や宣伝のメールは、原則として事前に同意した相手にしか送れません(オプトイン)。総務省の解説によると、例外は「同意や送信の求めを通知した者」「所定の方法でアドレスを通知した者」「取引関係にある者」「所定の方法でメールアドレスを公表している団体または営業を営む個人」の4つです。最後の例外については、同法の施行規則(第3条)で、アドレスと一緒に「広告や宣伝のメールを送らないでほしい」という趣旨の文言を公表している場合は例外にならないと定められています。会社のサイトにアドレスが載っていても、近くに「営業メールお断り」と書かれていれば送れないということです。送る場合も、送信者の氏名や名称、受信拒否の連絡先などを表示する義務があり、「送らないでほしい」と連絡を受けたら、それ以降は送ってはいけません。問い合わせフォームからの営業と法律の関係は「フォーム営業は違法?利用規約・特商法・個人情報保護法の正しい理解」で解説しています。
特定商取引法|テレアポリストと電話勧誘販売の関係
テレアポ用のリストでよく気にされるのが、特定商取引法の「電話勧誘販売」の規制です。消費者庁の「特定商取引法ガイド」では、電話勧誘販売の適用除外として「営業のため、又は営業として締結するもの」が挙げられており、事業者が事業のために結ぶ契約は対象外とされています。ただし、相手が個人事業主で、勧める内容が事業とあまり関係のない場合などは、事業のための契約と言い切れないこともあります。また法律の対象外の場面でも、「営業電話はお断りしています」と言われた相手に繰り返しかけないことは、会社の評判を守るうえで欠かせません。断られた会社は、すぐにリストの「状態」列をNGにしておきましょう。
著作権法と利用規約|一覧を丸ごと写さない
著作権法第12条の2では、情報の選び方や体系的な組み立て方に創作性があるデータベースは、著作物として保護されると定めています。また、ここまで見てきたように、多くのサイトは利用規約で複製や大量取得のルールを決めています。名簿やサイトの一覧をそのまま丸ごと写して使うのではなく、自社のターゲットに合う会社を選び、必要な項目だけを、規約で認められた方法で記録するという姿勢でいれば、大きく外れることはありません。
法律以前に守りたいこと:サイトや電話口で「営業お断り」の意思が示されている会社には連絡しない、断られたら記録して二度と連絡しない、という2点は、どの法律の対象になるかにかかわらず守るべき最低限のマナーです。なお、この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、法律相談ではありません。具体的なケースの判断は、弁護士などの専門家にご確認ください。
Excel・スプレッドシートでの整え方|項目設計と重複の消し方
複数の情報源から集めたリストは、表記がばらばらで、同じ会社が何度も入っていることがよくあります。同じ会社に二度連絡すると相手に迷惑をかけ、自社の印象も悪くなるので、ここではExcelでもGoogleスプレッドシートでもできる整え方を説明します。
最初に列(項目)を決めておく
集め始める前に列を決めておくと、情報源が増えても形が崩れません。無料で作るリストなら、次の列があれば十分に回せます。
| 列 | 入れる内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 法人番号 | 13桁の番号 | 重複を消すときの一番確かな鍵。文字列として入れる |
| 会社名/照合用の会社名 | 表示用の正式名と、表記をそろえた照合用の名前 | 照合用は数式で作る(下で説明) |
| 郵便番号・所在地 | 本店の住所(必要なら営業所も) | 市区町村を別の列に分けると絞り込みやすい |
| 電話番号 | 代表番号 | ハイフンの有無をそろえる。テレアポなら必須 |
| WebサイトURL・問い合わせ窓口 | 公式サイトとフォームのURL | 「営業お断り」の表記があればメモ列に書く |
| 業種・規模 | 公式サイトやgBizINFOで確かめた内容 | 選択肢を決めて表記を統一する |
| 情報源・取得日 | どこから・いつ取ったか | 出典の記載や、情報の古さの確認に使う |
| 状態・結果 | 未接触/接触済み/NG、架電や送信の結果と日付 | 二重連絡を防ぎ、次のリスト作りに生かす |
表記のゆれを先にそろえる
重複を消す前に、表記のゆれをそろえるのが鉄則です。「株式会社〇〇」と「(株)〇〇」、全角と半角、余分なスペースが混ざったままだと、同じ会社でも別の会社として扱われてしまいます。表示用の会社名はそのまま残し、隣に照合用の列を作って、数式でゆれを取り除くのが安全です。たとえばB列に会社名がある場合、照合用の列に次のような式を入れると、全角の英数字・記号・スペースを半角にそろえたうえで、「株式会社」「(株)」とスペースを取り除いた名前ができます。
=SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(ASC(B2),"株式会社",""),"(株)","")," ","")
ASC関数はExcelの関数で、全角の英数字やカタカナを半角に変えます。カタカナも半角になるため、この列は照合専用にして、表示には使わないようにしてください。「有限会社」や「合同会社」なども使うなら、同じようにSUBSTITUTEを重ねます。
重複を見つけて消す
照合の鍵は、確かなものから順に「法人番号」「電話番号」「照合用の会社名と市区町村の組み合わせ」の順で使います。まずCOUNTIF関数で、同じ値が何回出てくるかを数えます(例:=COUNTIF($C$2:$C$2000,C2))。結果が2以上の行が重複の候補です。同じ社名でも別の会社という場合があるので、候補は所在地やURLを見て確かめてから消しましょう。
- Excelの場合:表を選んで[データ]タブ→[データツール]→[重複の削除]で、指定した列が同じ行をまとめて消せます。
- Googleスプレッドシートの場合:[データ]メニューの[データ クリーンアップ]→[重複を削除]で同じ操作ができます。
- 作業前の注意:どちらも元の表を直接書き換えるので、作業前にシートを複製しておきます。元の表を残したまま重複のない一覧を別の場所に出したいときは、UNIQUE関数(Microsoft 365などの新しいExcelやスプレッドシートで使えます)が便利です。
NGリストと突き合わせる
最後に、すでに取引のある会社、過去に断られた会社、競合する会社などをまとめた「NGリスト」を別のシートに用意し、COUNTIF関数やXLOOKUP関数で突き合わせて、該当する行の「状態」列をNGにします。この工程を飛ばすと、せっかく丁寧に作ったリストで取引先に営業をかけてしまうといった事故につながります。名寄せの考え方をさらに詳しく知りたい方は「名寄せ・データクレンジングのやり方」も参考にしてください。
無料で作る手間と、有料ツールに切り替える目安
無料の情報源を使えば、リストを作るためにお金を払う必要はありません。ただし、その分は作業時間で支払っています。無料で続けるか、ツールを使うかを決めるには、作業時間をお金に置き換えて比べるのが一番分かりやすい方法です。
想定ケースで計算してみる
想定ケース(実在の事例ではなく、考え方を示すための仮の数字です)
都内の特定の業種の会社300社について、電話番号と問い合わせフォームのURLが入ったリストを、法人番号公表サイトのデータを起点に手作業で作るとします。
- ・データのダウンロードと地域での絞り込み:1〜2時間
- ・1社ずつ公式サイトを探し、業種が合うかを確かめ、電話番号とフォームのURLを書き写す:1社あたり3〜5分と仮定すると、300社で15〜25時間
- ・表記をそろえ、重複とNGを外す:1〜2時間
合計すると、およそ17〜29時間になります。1社あたりの時間は、慣れや業種、各社のサイトの作りによって大きく変わります。
この時間を人件費に置き換えてみます。仮に時給2,000円の担当者が作業すると、17〜29時間で約3万4,000円〜5万8,000円分です。アルバイトに任せる場合でも、厚生労働省によると2026年度の地域別最低賃金の全国加重平均は1,177円(2026年10月1日から12月2日にかけて都道府県ごとに順次発効)なので、同じ時間で約2万円〜3万4,000円かかる計算になります。一方、リスジェネのようなツールで同じ300件をダウンロードする場合、1件3円なら900円です。もちろんツールのデータも、使う前に何件か開いて中身を確かめる時間は必要ですが、件数が増えるほど、手作業との差は大きくなります。大事なのは細かい金額ではなく、自社の担当者の時間がいくらに当たるのかを一度計算してみることです。
無料で足りる場面・ツールを使った方がよい場面
無料で足りる場面
- ・必要な件数が数十件から100件程度
- ・許認可の名簿などで、対象の会社がはっきりしている
- ・一度作れば当面は使い回せる
- ・作業の時間を確保できる
- ・新しい市場で手応えを小さく試す段階
ツールを使った方がよい場面
- ・数百件以上を毎月のように使う
- ・業種・地域・規模など、複数の条件で絞り込みたい
- ・営業担当の時間を商談や提案に使いたい
- ・情報を定期的に新しくしたい
- ・何人かで同じ形のリストを使いたい
上の件数はあくまで目安で、担当者の時間の価値や、ターゲットの探しやすさによって変わります。おすすめは、まず無料で小さく作って当たりを確かめ、続けると決めた分だけツールで増やすという二段構えです。無料プランのある営業リスト作成ツールも含めた比較は、「営業リスト作成ツール10選を徹底比較」にまとめています。
リスジェネで営業リストを作る手順(検索は無料で試せます)
ここからは、営業屋が提供している営業リスト作成ツール「リスジェネ(ListGene)」での作り方を紹介します。リスジェネは、AIが分析した100万社超の企業データベースから、業種・地域・規模などで絞り込んで営業リストを作るツールです。料金は1件3円からの従量課金で、初期費用も月額費用もかかりません。検索は無料で試せるので、無料で作るか迷っている段階でも、まず条件に合う会社がどのくらいあるかを確かめられます。
条件を入れて検索する(無料)
この記事の最初に決めた「誰に売るのか」を、業種・地域・規模などの条件として入れて検索します。ここまでは費用がかかりません。
件数と中身を確かめる(無料)
検索結果を見て、狙った会社がどのくらいあるか、内容がイメージと合っているかを確かめます。件数が多すぎれば条件を足し、少なすぎれば地域を広げるなど、ここで条件を調整します。
サンプルCSVで列の形を確かめる
サンプルCSVをダウンロードして、どんな列が入っているかを確認します。上で決めた自社のリストの列とどう合わせるかを、買う前に決めておくと後の作業が楽になります。
必要な分だけダウンロードする(1件3円・17件から)
必要な会社を選んでダウンロードします。決済の最低額の関係で、ダウンロードは17件からです。ダウンロードしたリストは、手元のリストやNGリストと突き合わせ、重複や連絡してはいけない先を外してから使いましょう。代表者名などの個人の情報が含まれる場合は、前の章で触れた個人情報の扱いに沿って管理します。
無料の公的データとツールは、どちらか一方を選ぶものではありません。法人番号公表サイトで地域の法人の数をつかみ、実際に連絡する分はリスジェネで条件を絞って必要な件数だけダウンロードする、という組み合わせ方もできます。リストの質の考え方については「質の高い営業リストを作る『決まるリスト』の3条件」や、リスジェネのコラム「営業リストの作り方完全ガイド|成果を出す15のチェックリスト」も参考になります。
リストができた後、問い合わせフォームへの送信まで手間をかけずに進めたい場合は、クラウド型のフォーム営業ツール「アポジェネPRO(ApoGenePRO)」という選択肢もあります。AIが1社ずつホームページを読んで文面を書き分け、問い合わせフォームに送信し、フォームで届かなければメール窓口へ自動で切り替えます。料金は月額3,000円(税込)にフォーム送信成功1件あたり3円で、送信の失敗とメールでの補完は0円です。フォーム送信成功50件までは無料で試せます(お試しにカードの登録は不要で、50件に達すると自動で止まります)。
まとめ:営業リストは、法人番号公表サイトとgBizINFOで土台を作り、名簿・展示会・求人・地図で肉付けし、公式サイトで電話番号や窓口を確かめれば無料でも作れます。ただし、各サイトの利用規約と法律のルール、そして「営業お断り」の意思を尊重することが前提です。無料の分は時間で支払うことになるので、件数と頻度を見ながらツールと組み合わせていきましょう。
あわせて読みたい:営業リストの作り方完全版/営業リストはどこで買う?購入の相場・リスク・自作との比較/フォーム営業リストの作り方|問い合わせフォームURL付き企業リストの手順/AIで営業リストを作る方法|ChatGPTの注意点と企業データベースの使い分け/リスジェネのコラム一覧
よくある質問(FAQ)
Q.営業リストは本当に無料で作れますか?
A.はい、作れます。国税庁の法人番号公表サイトで地域の法人の一覧(法人名・所在地・法人番号)をダウンロードし、gBizINFOや業界団体の名簿などで手がかりを足し、各社の公式サイトで電話番号や問い合わせ窓口を確かめれば、費用をかけずにリストにできます。ただし、公的データには電話番号や業種が入っていないため、1社ずつ調べる作業時間がかかります。数十件から100件程度なら無料で十分ですが、数百件以上を続けて使う場合は、作業時間を人件費に置き換えてツールと比べてみることをおすすめします。
Q.法人番号公表サイトのデータを営業リストに使ってもよいですか?
A.法人番号公表サイトの利用規約では、掲載情報は公共データ利用規約(第1.0版)に準拠した条件で利用でき、利用する際は出典を記載すること、編集・加工した場合はその旨も記載することが定められています。記載例は「出典:国税庁法人番号公表サイト(国税庁)(当該ページのURL)」です。社内用のリストでも、出典と取得日、加工したことをシートに残しておくと安心です。なお、データに含まれるのは法人の情報ですが、リストに担当者名などを書き足す場合は個人情報保護法の対象になる点に注意してください。
Q.無料のテレアポリストを作るとき、電話番号はどこで調べればよいですか?
A.法人番号公表サイトのデータには電話番号が入っていないため、各社の公式サイトの会社概要やお問い合わせのページで代表番号を確かめるのが基本です。店舗や個人事業主の事務所なら、地図サービスで1件ずつ確かめる方法もあります。ただし、Googleマップは利用規約でコンテンツの大量ダウンロードなどを禁じているため、まとめて抜き出すのではなく1件ずつ確認する使い方にとどめてください。また、事業者が事業のために結ぶ契約は特定商取引法の電話勧誘販売の規定の適用除外とされていますが、断られた相手に繰り返し電話をかけないことは守りましょう。
Q.Googleマップから企業の情報をまとめて抜き出してもよいですか?
A.おすすめしません。Googleの「Google マップ エンドユーザー向けの追加利用規約」(2025年6月4日更新)では、コンテンツを大量にダウンロードしたり一括フィードを作成したりすることを禁止しており、Googleマップの代わりや類似のサービスで使うためにビジネスリスティングのデータベースなどを作ることも禁じています。地図サービスは、気になる店舗や事業所を1件ずつ見て確かめる道具として使い、まとまった件数が必要な場合は、公的データや、データの提供を目的としたツールを使う方が安全です。
Q.無料の営業リスト作成ツールと有料ツールはどう使い分ければよいですか?
A.必要な件数と使う頻度で考えるのが分かりやすい方法です。数十件から100件程度を一度作るだけなら、公的データや無料プランのあるツールで足りることが多いでしょう。数百件以上を毎月使う場合や、業種・地域・規模など複数の条件で絞り込みたい場合は、作業時間を考えると有料ツールの方が割に合う場面が増えます。たとえばリスジェネは検索を無料で試せて、サンプルCSVで中身の形を確かめてから、1件3円で17件からダウンロードできるため、まず無料で当たりを確かめ、必要な分だけ買うという使い方ができます。
条件に合う会社がどれだけあるか、まず無料で確かめる
リスジェネは、AIが分析した100万社超の企業データベースから、業種・地域・規模などで絞り込んで営業リストを作るツールです。検索は無料で試せて、サンプルCSVで中身の形も確かめられます。
ダウンロードは1件3円から(17件から購入できます)。初期費用0円・月額0円で、必要な分だけ使えます。
※ 決済の最低額の関係で、ダウンロードは17件からです。フォーム営業まで自動化したい場合はApoGenePRO(フォーム送信成功50件まで無料)もご覧ください。