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データ活用 2026.10.31 公開 読了 22分

企業情報APIで営業リストを自動作成する方法:法人番号・gBizINFOのAPIの使い分け

営業リストづくりのうち、条件に合う会社を探して社名や所在地を表に書き写す作業は、企業情報APIを使うと仕組みに任せられます。ただし公的なAPIには申請の手順や一度に取れる件数、アクセスの頻度の決まりがあり、電話番号のように営業に欠かせない情報が含まれていないこともあります。本記事では、国税庁の法人番号システムWeb-APIと経済産業省のgBizINFO(Gビズインフォ)のREST APIを公式の資料で確かめて比べ、営業リストを自動で作る流れと、足りない列の補い方、自動で集めるときの注意点を、プログラムの専門家でなくてもつかめるように整理します。

ノートパソコンで表を確かめるビジネスパーソンと、クラウドやデータベースから矢印でデータが流れ込む様子を表したイメージ

この記事の3つの要点

  • 1

    企業情報APIは、決まった書式で頼むと決まった形でデータが返ってくる仕組みです。国税庁の法人番号システムWeb-APIは商号・所在地・法人番号と、その変更や閉鎖を確かめるのに向き、経済産業省のgBizINFOのREST APIは従業員数や資本金、補助金・認定などの情報で会社を絞り込むのに向いています。

  • 2

    どちらの公的なAPIからも電話番号や問い合わせ窓口は得られません。営業リストに仕上げるには、公式ホームページや企業データベースで足りない列を補い、法人番号を鍵にしてデータ同士をつなぐのが確実です。

  • 3

    自動化では、全件は一括ダウンロード、差分や個別の確認はAPIと取り方を分け、呼び出しの間隔と回数を決めておくことが欠かせません。出典と加工の記載、代表者名などの個人情報の扱い、メールなら特定電子メール法、「営業お断り」の尊重も、自動にしても変わらない基本です。

1 企業情報APIとは:営業リストの自動作成で何が変わるか

営業リストを作るというと、検索サイトや名簿で会社を探し、社名や所在地を表計算ソフトに書き写していく作業を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。このうち「決まった条件で会社の情報を取り寄せ、表に並べる」部分は、企業情報APIで仕組みに任せられます。本記事は、営業リストの自動作成やリスト作成の自動化を考えている社内のシステム担当の方や、表計算ソフトに慣れた営業企画の方に向けたものです。

APIは「決まった書式で頼むと、決まった形で返ってくる窓口」

API(Application Programming Interface)は、ほかのシステムから決まった形でデータを受け取るための仕組みです。役所の窓口にたとえると、決められた書式の申込書(リクエスト)を出すと、決められた様式の書類(レスポンス)が返ってくる、という関係に近いものです。人が画面を見ながら検索ボタンを押す代わりに、プログラムや表計算ソフトの機能が申込書を出し、返ってきたデータをそのまま表に取り込みます。

たとえば国税庁の法人番号システムWeb-APIでは、取り寄せたい法人の法人番号や期間、所在地などを決められた書き方でURLに含めて送ると、該当する法人の情報がCSV形式やXML形式で返ってきます。経済産業省のgBizINFOのREST APIでは、申請で受け取ったAPIトークンという合言葉のような文字列を添えて条件を送ると、JSON形式でデータが返ってきます。返ってくる項目の並びや意味が仕様書で決まっているため、毎回同じ形の表を作れる点が、画面からの書き写しとの違いです。

画面での検索・一括ダウンロード・APIの違い

取り方向いていること手間情報の新しさの保ち方
画面で検索して書き写す数社から数十社を、1社ずつ丁寧に調べる1社ごとに時間がかかり、書き写しの誤りも起きやすい調べ直すたびに同じ手間がかかる
一括ダウンロード(CSVなど)都道府県や全国の法人をまとめて手に入れるファイルが大きく、絞り込みや整形は自分で行う次に公開されるデータを待って取り直す
API条件に合う会社だけを、決まった間隔で取り寄せる最初の設定に手間がかかるが、その後は同じ手順を繰り返せる変わった分だけを取り寄せて反映できる

APIを使えば何もかもが自動になるわけではありません。どんな会社に、どの手段で連絡するかを決めることや、取り寄せた情報が営業に使えるかを確かめることは、人の仕事として残ります。自動にできるのは、情報を取り寄せ、表の形をそろえ、変わった分を反映するところまでと考えておくと、期待とのずれが起きにくくなります。

2 国税庁「法人番号システムWeb-API」でできること

国税庁は、法人番号公表サイトで公表している法人の「基本3情報」(商号又は名称、本店又は主たる事務所の所在地、法人番号)を、ほかのシステムから取り寄せられるWeb-APIを提供しています。国税庁の「Web-APIの利用手続について(共通編)」によると、仕組みはREST方式で、リクエストはGET方式で送り、利用規約に同意すればどなたでも使えます。

3つの機能と取れる情報

機能できること主な条件
法人番号を指定して取得指定した法人の基本3情報と付随する情報。指定すれば変更履歴もあわせて取得できる1回のリクエストで法人番号を最大10件まで指定できる
取得期間を指定して取得指定した期間に、法人番号の新規指定、商号・所在地の変更、登記記録の閉鎖等があった法人の情報期間は最大50日。所在地(都道府県・市区町村)や法人種別で絞り込める。Web-APIの公開日(2015年12月1日)より前は指定できない
法人名を指定して取得法人名で探した法人の基本3情報と付随する情報前方一致と部分一致を選べる。所在地や法人種別、変更前の名前を含めるかどうかなどで絞り込める

返ってくるデータには、商号、所在地(都道府県・市区町村・丁目番地等に分かれた形)、郵便番号、法人種別、法人番号指定年月日、登記記録の閉鎖等の年月日と事由などが含まれ、Ver.3.0以降は商号のフリガナも取れます。形式はCSV(Shift-JISまたはUnicode)とXMLから選べます(国税庁「Web-APIのリクエストの設定方法及び提供データの内容について(概要編)」)。

営業リストでとくに役立つのは取得期間を指定する機能です。新しく法人番号が指定された法人を所在地で絞れば新設法人の一覧を、登記記録の閉鎖等の情報を取れば清算や合併で閉鎖された会社を、定期的に拾えます。新設法人への営業の考え方はスタートアップ・新設法人への営業戦略:成長企業を見つけて先行アプローチする方法で紹介しています。

https://api.houjin-bangou.nta.go.jp/4/diff?id=(アプリケーションID)&from=2026-10-01&to=2026-10-09&address=13&type=12

上の例は、2026年10月1日から9日までに更新があった東京都(都道府県コード13)の法人の情報を、XML形式で取り寄せる書き方です(想定の例)。「4」はバージョン、「diff」は取得期間を指定する機能を表します。

一度に取れる件数と、全件データの取り方

取得期間や法人名を指定する機能では、応答結果が2,000件を超えると分割して返されます。応答の先頭にある「分割数」を見て、分割番号を1つずつ増やしながら送り直すと、すべてを受け取れます。自動化ではこの処理を忘れずに組み込みましょう。

また、Web-APIでは全件データは取得できません。まとめて手に入れたい場合は法人番号公表サイトのダウンロード機能で前月末時点の全件データを取り寄せ、その後の変化をWeb-APIの期間指定で反映する、という組み合わせが無理のない形です。

更新のタイミングは、法人番号・法人名の指定が登記完了日の16時か翌稼働日の11時、取得期間の指定が登記完了日の翌日午前0時が目安で、休祝日と12月29日から1月3日は更新されません(国税庁の共通編)。差分を取りに行く時刻は、この更新の後に合わせます。

アプリケーションIDの申請

Web-APIを使うには、アプリケーションIDが必要です。届出は国税庁適格請求書発行事業者公表サイトの「適格請求書発行事業者公表システムWeb-API機能」の画面から行い(書面では受け付けていません)、発行に手数料はかからず、IDはメールで知らされます。ただし法人番号公表サイトのWeb-APIのページには発行までに2週間から1か月程度かかるとあるため、準備を始めたら先に届け出ておきましょう。

IDは原則としてWeb-APIと通信するシステムごとに発行され、同じメールアドレスで複数は届け出られません。架空の法人のデータで動作を試せる検証環境もあり、問い合わせフォームから利用を希望する旨(利用予定期間は3か月以内)を連絡すると、利用案内がメールで届きます。

使える回数と利用の条件

国税庁は、1日に何回まで呼び出せるかを数字では示していません。一方で「法人番号システムWeb-API機能利用規約」は短時間における大量アクセスなどを禁じ、利用が著しく集中した場合は利用を制限できるとしており、エラーの一覧にも、一定期間内に多数のアクセスをするとアクセスが制限されることがあると書かれています。

このほか、利用規約(2026年9月24日施行の改正を含む)には次のような決まりがあります。

  • Web-APIを利用したサービスを提供する場合は、Web-API機能で取得した情報をもとに作成しているが、内容は国税庁が保証したものではない旨を示す(第6条)
  • 取り寄せた情報は「国税庁法人番号公表サイト利用規約」(公共データ利用規約 第1.0版に準拠)に従い、出典を記載し、加工した場合はその旨も記載する(第7条)
  • アプリケーションIDを第三者に譲渡・貸与・開示しない(第9条)
  • 3年以上アクセスした実績のないアプリケーションIDは、利用停止の措置がとられることがある(第4条)

3 経済産業省「gBizINFO」のREST APIでできること

gBizINFO(Gビズインフォ)は経済産業省が運営する法人情報のサイトで、法人番号公表サイトのほか、政府電子調達(GEPS)、特許庁、職場情報総合サイト、EDINET、官報などのデータを法人番号でひも付けて提供しています(gBizINFO「データの出典元を教えてください」)。

検索・法人ごとの取得・期間指定の3つの使い方

「APIの利用」のページによると、情報提供REST APIは、条件に合う法人の法人番号を検索する機能と、指定した法人番号の法人活動情報(法人基本情報、届出・認定、表彰、財務、特許、調達、補助金、職場情報)を返す機能を持っています。2026年10月時点の公開版は2.0で、仕様はSwagger UIという画面で確かめたり試したりできます。

使い方主な条件・内容
条件で法人を検索する法人名(部分一致)、所在地(都道府県・市区町村のコード)、法人種別、資本金・従業員数・売上高の範囲、創業年・設立年、補助金や届出・認定・表彰の名称などで検索できる。1ページの件数は最大5,000件、ページは1から10まで指定できる
法人番号を指定して詳しく取る法人基本情報のほか、届出・認定、表彰、財務、特許、調達、補助金、職場情報、事業所情報を法人ごとに取得できる
期間を指定して更新分を取る指定した期間に追加・更新された法人基本情報や補助金情報などを取得できる。ただし2026年7月のお知らせでは、法人基本情報(v2)の期間指定は2025年12月6日以降に限られ、事業所情報を期間指定で取るAPIは2026年7月31日からリクエストを受け付けていない

法人基本情報には、法人名とフリガナ、本社所在地、郵便番号、法人代表者名、資本金、従業員数、設立年月日、業種、事業概要、企業ホームページなどの項目があり(REST API v2の仕様書)、国税庁のデータにはない規模や業種の手がかりが得られます。ただし値は出典元のデータにもとづくため、すべての法人で埋まっているとは限りません。取り寄せたら、まず空欄の多い列を確かめましょう。

GET https://api.info.gbiz.go.jp/hojin/v2/hojin?prefecture=13&employee_number_from=10&page=1&limit=100
X-hojinInfo-api-token: (申請で受け取ったAPIトークン)

上の例は、東京都(全国地方公共団体コードの先頭2桁が13)で従業員数10人以上の法人を、1ページ100件ずつ検索する書き方です(想定の例)。APIトークンはURLではなく、リクエストのヘッダーという欄に入れて送ります。

利用申請とAPIトークン

利用には事前の申請が必要です。gBizINFOの「REST API利用申請マニュアル」によると、利用者区分(法人担当者か個人利用者か)を選び、メールアドレスや利用目的などを入力します(法人担当者は法人番号・担当部署名・電話番号なども入力)。申請後に届くメールのURLを開くと、APIトークンが表示されます。なお、よくある質問「各種サービスの利用に料金は発生しますか」は、利用料金等は設けておらず、すべて無料で使えると説明しています。

使える回数と利用の条件

よくある質問「REST APIのリクエストについて利用上限はありますか?」は、利用上限はないとしつつ、アクセスが集中している利用者は利用制限の対象になる場合があり、その目安を1時間あたり20万アクセス以上と示しています。大量に取りたい場合は、ダウンロード用のデータセットの利用も勧めています。

また「API・データダウンロード利用規約」(最終更新日 2026年4月8日)には、次のような決まりがあります。

  • 利用は、申請時に申告した目的の範囲内に限られる
  • 利用者ごとにアクセスの頻度やリクエスト数などに上限を設けることがあり、短時間の過度なアクセスには、事前の通知なくアクセス制限やトークンの停止・取消しがありうる
  • 利用制限を逃れる目的で、複数のアクセストークンを取得・利用することは禁止
  • 提供する情報の正確性・完全性は保証されず、仕様は予告なく変わることがある

取り寄せた情報は、gBizINFOの利用規約により商用利用もできますが、出典を記載し、加工した場合はその旨を記載し、加工した情報を国が作成したかのように公表しないことが求められます。申請では、営業リストの作成に使うことを利用目的として正しく伝えておきましょう。

4 2つのAPIの使い分け

ここまでの内容を、営業リストの自動作成に関わる点に絞って並べると、次のようになります。

比べる点国税庁 法人番号システムWeb-API経済産業省 gBizINFO REST API
事前の手続アプリケーションIDの届出(発行まで2週間から1か月程度)利用申請(メールのURLからAPIトークンを確認)
鍵の渡し方URLにアプリケーションIDを含めるリクエストのヘッダーにAPIトークンを入れる
取れる主な情報商号・所在地・法人番号・法人種別、変更履歴、登記記録の閉鎖等左の情報に加え、代表者名・資本金・従業員数・業種・事業概要・ホームページ、補助金・認定・調達・財務・職場情報など
返ってくる形式CSV(Shift-JISまたはUnicode)、XMLJSON
一度に取れる量法人番号の指定は1回10件まで。期間・法人名の指定は2,000件ごとに分割検索は1ページ最大5,000件、ページは10まで
回数の決まり数値の上限は示されていない。短時間の大量アクセスは禁止上限はないが、集中すると制限の対象(目安は1時間あたり20万アクセス以上)
出典の記載必要(加工した場合はその旨も)必要(加工した場合はその旨も)

使い分けの目安は次のとおりです。

  • 会社が実在するか、今の商号と所在地は何か、閉鎖されていないかを確かめたいときは、国税庁のWeb-API(法人番号を指定)
  • 新しくできた法人を地域ごとに追いかけたいときは、国税庁のWeb-API(取得期間を指定)
  • 従業員数や資本金、補助金・認定の有無で狙う会社を絞りたいときは、gBizINFOのREST API(条件で検索)
  • 都道府県や全国の法人をまとめて手に入れたいときは、どちらもAPIではなく一括ダウンロード

gBizINFOも法人番号公表サイトのデータを日次で取り込んでいると説明されていますが、商号や所在地の変更を早く反映したい場合は国税庁のWeb-APIを、規模や活動の情報で絞り込みたい場合はgBizINFOを、と役割を分け、両方を法人番号でつなぐのが扱いやすい組み合わせです。

5 公的なデータで分からないことと補い方

公的な2つのAPIは出どころがはっきりしていて無料で使える一方、営業にそのまま使うには足りない情報があり、とくに連絡先はどちらからも得られません。足りない分をどこから補うかを先に決めておきましょう。

営業に必要な情報公的なAPIでの扱い補い方の例
代表電話番号国税庁のデータに項目はない。gBizINFOの仕様書にも電話番号の項目はない公式ホームページの会社概要やお問い合わせのページで確かめる。連絡先を収録した企業データベースを使う
問い合わせフォーム・メールアドレスどちらにも項目はない公式ホームページで確かめる。gBizINFOの「企業ホームページ」の項目が手がかりになることがある
業種の細かい分類国税庁のデータは業種を持たない。gBizINFOには業種と事業概要の項目があるが、すべての法人で値が埋まっているとは限らない事業概要やホームページの内容から自社の分類を付ける。業種で絞り込める企業データベースを使う
担当部署・担当者どちらにもない(gBizINFOには代表者名の項目がある)展示会や問い合わせなど、相手とのやり取りの中で教えてもらう。個人情報として扱う
営業の連絡を受けるかどうかどちらにもないホームページの「営業お断り」の表示を確かめ、自社の連絡記録と合わせて管理する

法人番号を「鍵」にしてデータをつなぐ

補う作業で大切なのが、法人番号を鍵にすることです。会社名は「株式会社」と「(株)」、全角と半角などで表記がゆれやすく、名前だけで突き合わせると、別の会社をまとめたり同じ会社を2行に分けたりしてしまいます。法人番号は法人ごとに指定される13桁の番号なので、公的なデータ、企業データベースのCSV、自社の顧客管理のデータをつなぐ共通の目印になります。

法人番号を持たないデータと結びつける場合は、会社名と所在地の両方で突き合わせ、迷う行は人が確かめるようにしておきます。表記ゆれの直し方や重複の見つけ方は名寄せ・データクレンジングのやり方|営業リストの重複をなくす手順で詳しく解説しています。

6 営業リストを自動作成する6つの手順

公的なAPIで営業リストを自動で作り、使い続けるための流れを6つの手順に分けて紹介します。最初から全部を自動にせず、手順1から3を一度手作業で通してから、繰り返す部分を自動にしていくと、設定の誤りに気づきやすくなります。

条件を決める漏斗、データを取り寄せる雲、重複を消す書類、列を足す表、確かめる虫眼鏡、更新する矢印のアイコンが左から順に並び、最後から最初へ矢印で戻る流れを表した図
  • 1
    条件を決める
    誰に、テレアポ・フォーム営業・メールのどの手段で連絡するのかを決め、リストに必要な列を書き出します。そのうえで、所在地・法人種別・従業員数・資本金のようにAPIで指定できる条件と、事業内容が自社の商材に合うかのように人が判断する条件を分けておきます。狙う会社の像を言葉にする段階では、生成AIに相談する方法もあります(AIで営業リストを作る方法|ChatGPTの注意点と企業データベースの使い分け)。
  • 2
    取り寄せる
    最初の土台は一括ダウンロードで作り、その後はAPIで差分や条件に合う分を取り寄せます。応答が分割される場合は最後のページまで取り、取り寄せた日時・条件・件数を記録しておきます。
  • 3
    重複を消す
    法人番号で重複をまとめます。国税庁のWeb-APIで変更履歴を含めて取ると、同じ法人が複数の行で返ってくるため、「最新履歴」の項目が最新の情報を示す行だけを残します。
  • 4
    足りない列を補う
    電話番号や問い合わせ窓口、業種の分類などを、公式ホームページや企業データベースで補います。補った列ごとに「どこから補ったか」と「いつ確かめたか」の列を作っておくと、あとで見直すときの手がかりになります。
  • 5
    確かめる
    登記記録の閉鎖等の年月日が入っている法人を外し、「営業お断り」の表示がある会社を除き、連絡先が公式ホームページの表示と合っているかを抜き取りで確かめます。自動で付けた業種の分類なども、一部を人が見て外れていないかを確かめます。
  • 6
    更新する
    決まった間隔で期間指定の差分を取り、新しくできた法人の追加や、商号・所在地の変更、閉鎖を反映します。国税庁のデータは休祝日と年末年始に更新されないため、実行する曜日や時刻はその点も考えて決めます。

表計算ソフトやノーコードの道具と組み合わせる

プログラムを書かずに自動化したい場合は、表計算ソフトやノーコードの自動化の道具と組み合わせます。特定の製品に限らず、次の3つの段階で考えると選びやすくなります。

段階やり方向いている場面気をつけること
① 取り寄せたファイルを表で整える一括ダウンロードのCSVやAPIの結果のファイルを表計算ソフトで開き、絞り込み・並べ替え・重複の削除を行うまず試してみたい、月に1回ほどの更新で足りる文字コードを合わせる。法人番号の列は文字列として取り込む
② 表計算ソフトから呼び出す表計算ソフトの外部データの取り込み機能やスクリプト機能でAPIを呼び出し、結果を表に書き込む担当者が必要なときに更新して使うgBizINFOはヘッダーにトークンを入れられる機能が必要。IDやトークンを共有の表に直接書かない
③ 決まった時刻に自動で動かすノーコードの自動化の道具などで、決まった時刻にAPIを呼び出し、結果を表や顧客管理の仕組みに追記する新設法人の追加や閉鎖の反映を、毎週や毎日回したい実行の記録とエラー時の知らせを用意する。1回に呼び出す回数を決めておく

表計算ソフトでつまずきやすいのは、文字コードと法人番号の表示です。国税庁のWeb-APIはShift-JISかUnicodeかを選べるので、読み込みやすいほうを選びます。13桁の法人番号は数値として読み込むと指数の形で表示されるなど見づらくなることがあるため、文字列の列として取り込むと安心です。また国税庁の共通編には、Webブラウザを介してWeb-APIを使うと取得したデータを表示できないことがあり、プログラムから送る場合は起きない、と書かれています。

アプリケーションIDやAPIトークンは合鍵のようなものです。国税庁の規約はアプリケーションIDを第三者に開示することを禁じており、gBizINFOの規約も不正利用が判明した場合などにはトークンを取り消すことがあるとしています。共有する表のセルにそのまま書かず、道具ごとに用意された秘密の値の保管場所を使い、扱える人を限っておきましょう。

7 自動で集めるときの注意:利用規約・個人情報・アクセスの頻度

仕組みを使えば、ウェブ上の情報を短い時間で大量に集めることもできてしまいます。けれども、集められることと、集めて営業に使ってよいことは別の話です。

集める先の利用規約を確かめ、公式の手段を優先する

公的なAPIや一括ダウンロードのように、提供する側が用意している手段があるときは、それを使うのが基本です。ほかの会社のサイトやウェブ上の企業一覧をプログラムで自動的に読み取る場合は、そのサイトの利用規約で、プログラムによる取得や情報の再利用が認められているかを先に確かめます。

robots.txtというファイルで、巡回するプログラムに読んでほしくないページを示しているサイトもあります。この書き方をまとめたIETFのRFC 9309(2022年9月)は、これらの決まりはアクセスを許可する仕組みではないとも書いています。robots.txtで止められていないからといって、規約で禁じられた集め方が認められるわけではありません。

代表者名や担当者名は個人情報として扱う

gBizINFOの法人基本情報には法人代表者名の項目があり、ホームページから補った情報に担当者名が含まれることもあります。個人情報保護委員会のよくある質問(Q2-6)は、法人の代表者の情報は個人情報にあたり、取引先企業の担当者名といった情報も個人情報にあたると説明しています。また、代表者の氏名などを個人の情報として検索できるように整理したデータベースでは、それらは「個人データ」にあたると考えられるとしています。

個人情報を事業で扱う場合、個人情報保護法は、利用目的をできる限り特定すること(第17条)や、個人情報を取得したときは、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに本人に通知するか公表すること(第21条)などを定めています。自動で作るリストに代表者名や担当者名の列を入れるかどうかは、営業に本当に必要かを考えて決め、入れる場合は自社のプライバシーポリシーなどと照らし合わせておきましょう。名簿やリストの扱い方の考え方は名簿業者・営業リストの購入は違法?個人情報保護法で見る線引きで詳しく取り上げています。

メールで連絡するなら特定電子メール法も確かめる

自動で作ったリストを使って広告や宣伝のメールを送る場合は、特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)にも気を配ります。同法第3条は、あらかじめ送信に同意した相手などを除いて特定電子メールを送ってはならないとしており、例外の1つとして、決められた方法で自分のメールアドレスを公表している団体や営業を営む個人を挙げています。また、送らないよう求められた相手には、その意思に反して送ってはならないとも定めています。公表されているアドレスであっても、広告や宣伝のメールを断る旨が一緒に書かれていないかを確かめてから使うのが無難です。

アクセスの頻度を最初に決めておく

自動化で起きやすい失敗の1つが、設定の誤りでAPIを短い間隔で呼び出し続けてしまうことです。国税庁とgBizINFOのどちらの規約も、短時間の大量アクセスを禁じています。次の決まりを最初に決めておきましょう。

  • 全件が必要なときはAPIではなく一括ダウンロードを使い、APIは差分の取得や個別の確認に使う
  • 1回の実行で呼び出す回数の上限と、呼び出しの間に空ける時間を決める
  • エラーが返ってきたら、すぐに繰り返さず間隔を延ばしてから試し、続く場合は止めて担当者に知らせる
  • 同じ条件の結果は保存して使い回し、同じ問い合わせを何度も送らない
  • 実行した日時・条件・件数・エラーを記録に残す

本記事は公開されている資料をもとにした一般的な情報の整理であり、法律相談ではありません。判断に迷うときは、弁護士などの専門家にご相談ください。

8 自動作成を始める前のチェックリスト

設定を始める前と、最初に動かした後に、次の項目を確かめておくと手戻りを減らせます。

  • 誰に、どの手段で連絡するかを決め、リストに必要な列を書き出した
  • 国税庁のアプリケーションIDの届出と、gBizINFOの利用申請を済ませた(アプリケーションIDは発行まで2週間から1か月程度)
  • gBizINFOに申告した利用目的と、実際の使い方が合っている
  • 全件は一括ダウンロード、差分や個別の確認はAPI、と取り方を分けた
  • 応答の分割(国税庁は2,000件ごと、gBizINFOはページ)を最後まで取る設定にした
  • 法人番号を鍵にして重複をまとめ、文字列として保存している
  • 電話番号や問い合わせ窓口など足りない列の補い方と、補った出典・確かめた日の列を決めた
  • 登記記録の閉鎖等がある法人と、「営業お断り」の会社を外す手順がある
  • 呼び出しの間隔・1回の回数の上限・エラー時の止め方を決め、実行の記録を残している
  • アプリケーションIDやAPIトークンを共有の表に直接書かず、扱える人を限った

APIを使わずに、無料で集められるほかの方法も含めて比べたい場合は、営業屋のコラム営業リストを無料で作る方法|企業リストの集め方7選と注意点もあわせてご覧ください。

9 リスジェネのCSVと組み合わせて連絡先を補う手順

公的なAPIで作った土台に、電話番号や問い合わせ窓口、業種を補う手段の1つが、企業データベースのCSVを取り込む方法です。営業屋のAI営業リスト作成ツール「リスジェネ(ListGene)」は、AIが分析した100万社超の企業データベースから、業種・地域・規模などで絞り込んで営業リストを作るツールです。検索と一覧の閲覧は無料で、CSVでダウンロードするときだけ1件3円からの従量課金、初期費用と月額費用はかかりません。紹介ページによると、ダウンロードするCSVには、企業名や業種、住所に加えて、電話番号・FAX番号・メールアドレス・代表者名・問い合わせURL・法人番号などの項目が、その情報を持っている企業について含まれます。

  • 1
    AI検索や詳細条件で絞り込む
    普段の言葉で条件を入れるAI検索(1日50回まで無料)や、企業のURLや企業名から似た会社を探す検索、大分類・詳細業種・都道府県・市区町村・企業規模ランクなどの詳細条件で絞り込みます。
  • 2
    必要な項目を持つ会社に絞る
    「ダウンロードデータに含まれる項目で絞り込む」で、電話番号・問い合わせフォーム・法人番号などを持っている企業だけに絞れます。公的なデータと結びつけたい場合は、法人番号を持つ企業に絞っておくと突き合わせが楽になります。
  • 3
    一覧を無料で確かめてからダウンロードする
    検索結果を見て狙いどおりかを確かめ、必要な分だけCSVでダウンロードします。決済の最低額の関係で、ダウンロードは17件からです。トップページのサンプルCSVで、列の中身を先に確認することもできます。
  • 4
    法人番号で公的なデータと突き合わせる
    CSVの法人番号を鍵にして、国税庁のWeb-API(1回10件まで)で今の商号・所在地や登記記録の閉鎖等の有無を確かめたり、gBizINFOから補助金や認定の情報を足したりします。
  • 5
    記録の列を足して使い始める
    確かめた日、出典、連絡した日と結果、営業お断りの列を足し、表計算ソフトや顧客管理の仕組みに取り込んで使い始めます。

リスジェネのデータについて

リスジェネの企業情報は、各企業が自社のWebサイトで公開している法人情報をもとに整理したもので、掲載情報の削除を希望する企業のための削除依頼の窓口も設けています。企業規模ランクや推奨アプローチチャネルのようにAIが判定した項目は推測を含むため、連絡の前にはホームページなどで事業内容と連絡先を確かめ、「営業お断り」の表示がある会社は対象から外すことをおすすめします。代表者名のような個人の氏名を含む場合は、第7章で触れた個人情報保護法の考え方に沿って扱ってください。

10 よくある質問

Q.企業情報APIは無料で使えますか?

A.国税庁の法人番号システムWeb-APIは、利用に必要なアプリケーションIDの発行に費用はかからないと案内されています。経済産業省のgBizINFOも、よくある質問で利用料金等は設けておらず、すべて無料で使えると説明しています。どちらも事前の届出や申請が必要で、国税庁のアプリケーションIDは発行まで2週間から1か月程度かかるとされているため、早めに手続きをしておくと安心です。

Q.APIだけで電話番号付きの営業リストは作れますか?

A.公的なAPIだけでは難しいと考えてください。国税庁のWeb-APIで取れるのは商号・所在地・法人番号などで、電話番号は含まれません。gBizINFOのREST API(v2)の仕様書にも、法人の情報として電話番号やメールアドレスの項目はありません(2026年10月に確認)。電話番号や問い合わせ窓口は、各社の公式ホームページで確かめるか、連絡先を収録した企業データベースで補います。

Q.プログラムを書けなくても営業リストの作成を自動化できますか?

A.一部はできます。公的なデータの一括ダウンロードをCSVで取り寄せて表計算ソフトで絞り込むだけでも、画面で検索して書き写す手間は減らせます。APIを決まった時刻に呼び出して表に追記するところまで自動にしたい場合は、表計算ソフトのスクリプト機能やノーコードの自動化の道具を使う方法がありますが、アプリケーションIDやAPIトークンの保管場所と、呼び出す間隔の決め方は、社内のシステム担当と相談して決めておきましょう。

Q.企業情報APIは1日に何回まで呼び出せますか?

A.国税庁のWeb-APIは回数の上限を数字では示していませんが、利用規約で短時間の大量アクセスを禁じており、一定期間内に多数のアクセスをするとアクセスが制限されることがあると説明しています。gBizINFOは、よくある質問で利用上限はないとしつつ、アクセスが集中している利用者は制限の対象になる場合があり、その目安を1時間あたり20万アクセス以上と示しています。どちらも、全件のような大量のデータが必要なときは一括ダウンロードを使うよう案内しています。

Q.リスジェネの料金はいくらですか?

A.企業の検索と一覧の閲覧は無料で、AI検索も1日50回まで無料で使えます。CSVをダウンロードする場合のみ1件3円からの従量課金で、初期費用と月額費用はかかりません。決済の最低額の関係で、ダウンロードは17件からになります。

この記事のポイント

  • 企業情報APIは決まった書式で頼むと決まった形でデータが返る仕組みで、営業リストの「取り寄せる・形をそろえる・更新する」を自動にできる
  • 国税庁のWeb-APIは商号・所在地・法人番号と変更・閉鎖の確認に、gBizINFOのREST APIは規模や補助金・認定などでの絞り込みに向く
  • どちらからも電話番号や問い合わせ窓口は得られないので、公式ホームページや企業データベースで補い、法人番号を鍵にしてつなぐ
  • 全件は一括ダウンロード、差分や個別の確認はAPIと分け、呼び出しの間隔と回数、エラー時の止め方を決めておく
  • 出典と加工の記載、代表者名などの個人情報の扱い、メールなら特定電子メール法、「営業お断り」の尊重を守る

公的なデータに足りない連絡先や業種を、CSVで補う

電話番号や問い合わせフォーム、法人番号を持つ企業に絞り込み、一覧を無料で確かめてから、必要な分だけダウンロードできます。

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検索・閲覧は無料・AI検索は1日50回まで無料・初期費用0円・月額0円・ダウンロードは1件3円から

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LG

ListGene編集部

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