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業界特化 2026.11.01 公開 読了 23分

自動車販売店・整備工場の営業リストの作り方|業態の違いと営業の考え方

自動車販売店や整備工場は、部品や工具、整備の機器、業務の仕組み、求人、集客など、さまざまな会社の営業先です。ただ、ひとくちに「カーディーラー」「整備工場」と言っても、メーカーと契約している正規ディーラー、中古車販売店、国の認証を受けた認証工場、車検の検査まで行える指定工場、鈑金塗装を手がける車体整備の工場など、業態によって仕事の中身も、決める人も、忙しい時期も変わります。本記事では、国土交通省や業界団体の公表資料をもとに業態の違いを整理し、営業リストの探し方、リストの列、業態ごとの営業の考え方、連絡するときの注意点までをまとめます。

ガラス張りの自動車販売店と、車を持ち上げて点検する整備工場のあいだで、ノートパソコンを持って営業リストを確かめるビジネスパーソンのイメージ

この記事の3つの要点

  • 1

    販売の側は正規ディーラー・中古車販売店・部品用品店、整備の側は認証工場・指定工場・車体整備の工場などに分かれ、それぞれ根拠になる制度や分類が違います。国土交通省の速報では、令和8年8月末の時点で認証工場は92,141、そのうち指定工場は29,697です。

  • 2

    国土交通省の制度説明と統計で全体をつかみ、業界団体の会員検索や各社のホームページ、企業データベースで集めて確かめます。整備の認証は事業場ごとなので、会社と拠点を分けて記録します。

  • 3

    国土交通省近畿運輸局は、車検は特に年度末が大変混雑すると呼びかけています。忙しい時期と現場の手を止めない配慮に加え、個人情報保護法や特定電子メール法、「営業お断り」の表示を守ることが営業の土台です。

1 自動車販売店・整備工場に売る会社の例

最初に、どんな会社がこの業界を営業先にしているのかを整理しておくと、自社がどの業態を狙い、誰に話を持っていくべきかが見えやすくなります。下の表は代表的な例で、話の相手は会社の規模や体制によって変わるため、目安として見てください。

売る物・サービス具体的な例話の相手の目安話のきっかけになる公的な動き
部品・タイヤ・油脂・用品補修用の部品、タイヤ、エンジンオイル、カー用品工場長や仕入れの担当、ディーラーでは本社の購買の部署とくになし
工具・整備機器・検査機器整備用スキャンツール、リフト、測定機器、前方を監視するカメラやレーダーの調整に使う機器社長、工場長、整備主任者特定整備制度(令和2年4月から)、OBD検査(令和6年10月から)
設備・工事塗装ブース、工場の改修、照明や空調、洗車機社長、ディーラーでは本社の施設の担当認証の基準に作業場や車両置場が含まれる
業務の仕組み整備の受付・予約・見積・請求、顧客管理、在庫管理の仕組み社長、店長、事務の担当令和7年4月から車検を受けられる期間が満了日の2か月前からに広がった
求人・人材求人広告、人材紹介、研修、資格取得の支援社長、人事の担当国土交通省が自動車整備要員の人材確保・育成に取り組んでいる
集客・販促ホームページ制作、ネット広告、チラシ、看板社長、店長、ディーラーでは本社の販売促進の部署とくになし
廃棄物・リサイクル廃油・廃タイヤ・使い終わった部品の回収や処理工場長、総務の担当とくになし

表の右の列に挙げた制度の動きは関心を持たれやすい話題ですが、どの機器や対応がどの工場に必要かは、整備の種類や対象の車によって変わります。「制度が始まったから必要です」と言い切らず、国土交通省の公式の説明を案内したうえで、相手の工場の状況を聞くほうが話が進みやすくなります。

なお、自動車の部品を作るメーカーに営業する場合は、相手は販売店や整備工場ではなく製造業になります。製造業の会社の探し方はリスジェネのコラム製造業の営業リスト作成ガイド:OEM・金属加工・食品メーカーへの最適アプローチで、製造業への新規開拓の進め方は営業屋のコラム製造業の新規開拓営業|下請け脱却・直需開拓の進め方で扱っています。

2 販売の業態の違い:正規ディーラー・中古車販売店・部品用品店

まず販売の側から見ていきます。営業リストの「業種」の列をどう分けるかを考えるうえで参考になるのが、総務省が定める日本標準産業分類(令和5年7月改定)です。政府統計の総合窓口(e-Stat)の説明によると、小分類「591 自動車小売業」の下に、「5911 自動車(新車)小売業」「5912 中古自動車小売業」「5913 自動車部分品・附属品小売業」「5914 二輪自動車小売業」が並んでいます。5913の例には、自動車タイヤ小売業やカーアクセサリ小売業、カーナビゲーション小売業が挙げられています。狙う相手がどの分類にあたるかを先に確かめておくと、データベースで絞り込むときの取りこぼしを減らせます。

正規ディーラー(新車の販売会社)

一般に「ディーラー」と呼ばれるのは、自動車メーカーと契約して新車を販売する会社です。日本自動車整備振興会連合会(日整連)の「令和7年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要」では、ディーラーを「自動車製造会社または国内一手卸売販売会社と特約販売店契約を結んでいる企業の事業場」と定義しています。新車の販売会社の全国組織である日本自動車販売協会連合会(自販連)は、自らを国内外の自動車メーカー各系列のメインディーラーを中心に構成された団体だと説明しています。

営業の面で押さえておきたいのは、会社の数に比べて拠点の数がずっと多いことです。自販連の「業界の規模」によると、会員ディーラー数は2025年12月末時点で1,383社、会員の事業所数は2025年3月末時点で合計14,804店(販売拠点13,590、単独サービス拠点810、その他の拠点404)でした。時点は少し違いますが、単純に割ると1社あたり10店ほどの計算になります。多くの店を構える会社では、店長に話をしても、物の購入や仕組みの導入は本社の部署が決めるという場面が起こりえます。また、国土交通省の「自動車整備事業者数(令和7年度)」でも、整備の認証を受けた事業者のうちディーラーが2,684、指定を受けた事業者のうちディーラーが1,952と示されており、ディーラーは販売と整備の両方の顔を持つ相手だと分かります。

中古車販売店

中古車販売店には、1店舗で営む店も、多くの店を持つ会社もあります。中古車は古物営業法でいう「古物」にあたり、古物営業法施行規則が定める古物の区分には「自動車(その部分品を含む。)」が含まれています。古物を売買する営業(古物の売却だけを行う場合などを除く)を営もうとする者は、古物営業法第3条により都道府県公安委員会の許可を受けなければならないとされています。営業先として見るときには、この許可のもとで仕入れと販売を回している事業者だと理解しておくと、相手の関心(仕入れ、在庫、集客、手続き)を想像しやすくなります。

中古車販売店の業界団体である日本中古自動車販売協会連合会(JU中販連)の概要によると、傘下会員は11,277社(令和6年3月末現在)で、全国1万1000社の中古車販売店が加盟する全国組織だと紹介されています。これは加盟している販売店の数で、中古車を売るすべての事業者の数ではありません。また、日整連の調査は自動車販売などの兼業部門の売上が50%以上を占める整備の事業場を「兼業」と定義しており、販売を主にしながら整備の認証も受けている店があることが分かります。

業態どんな事業者か(根拠)会社と拠点営業での見方
正規ディーラーメーカー等と特約販売店契約を結ぶ企業(日整連の定義)。分類は主に59111社が多くの拠点を持つ(自販連の会員は1,383社・14,804店)本社と店舗のどちらが決めるかを先に確かめる。整備部門も持つ
中古車販売店古物営業法の許可を受けて中古車を売買する事業者。分類は59121店だけの会社から多店舗の会社まで幅が広い仕入れ・在庫・集客・手続きの話題が中心。整備の認証を持つ店もある
部品・用品の販売店タイヤ・カー用品・カーナビなどの小売。分類は5913チェーンと個人の店が混在取り付け作業の有無で関心が変わる
新車の販売店・中古車の展示場・整備工場・塗装を行う車体整備の工場の4つの建物が、中央の一覧表と虫めがねの絵に点線でつながっている図

3 整備の業態の違い:認証工場・指定工場・車体整備

整備の側は、国の制度による区別がはっきりしています。国土交通省の「自動車整備工場には認証工場と指定工場があります。その違いは?」というページの説明をもとに、営業に関係する点を整理します。

認証工場:特定整備を行うために国の認証を受けた工場

国土交通省によると、自動車の「特定整備」を行おうとする場合は、地方運輸局長の「認証」を受けなければならず(道路運送車両法第78条第1項)、この認証を受けた工場を「認証工場」と呼びます。特定整備とは、エンジンやブレーキなどを取り外して行う従来の「分解整備」に、自動ブレーキなどに使われる前方を監視するカメラやレーダーの調整のように、取り外しを伴わなくても装置の作動に影響を及ぼす整備(電子制御装置整備)などを加えたもので、令和2年4月から今の制度になりました。

国土交通省の「自動車特定整備事業について」によると、事業の種類は対象とする自動車によって普通・小型・軽の3つに分かれ、認証は事業場ごとに受けます。事業を始めるには、屋内作業場や電子制御装置点検整備作業場、車両置場といった施設、点検・整備用の機器、そして特定整備に従事する従業員が2人以上必要で、そのうち1人は2級自動車整備士などの資格を持ち、整備主任者として届け出ることが求められています。認証工場に車検を頼んだ場合、工場は運輸支局や自動車検査登録事務所に車両を持ち込んで検査を受けます。

指定工場:検査までを工場の中で行える「民間車検場」

同じページによると、認証工場のうち、整備について一定の基準に適合する設備・技術・管理組織を持つほか、自動車の検査の設備を持ち、自動車検査員を選任して点検と整備について検査をさせると認められるものに対し、地方運輸局長が指定自動車整備事業の指定をしています(道路運送車両法第94条の2第1項)。この指定を受けた工場が「指定工場」で、一般には民間車検場や民間車検工場とも呼ばれます。指定工場では検査員が検査を行い、保安基準適合証を交付するため、その適合証を提出すれば車両の持ち込みを省略できます。

指定工場は検査の設備と自動車検査員という役割を持つぶん、設備や機器、検査の手順に関わる商材の相手になりやすいと考えられます。国土交通省によると、認証工場も指定工場も定められた様式の標識を見やすいように掲げているため、工場の標識や各社のホームページで見分けられます。

専門認証工場と優良認定工場

国土交通省の資料「自動車の整備工場」の注記では、ブレーキ装置など重要な装置別に認証を受けたものを専門認証工場、設備・技術・管理組織などが優れていると認定を受けたものを優良認定工場と説明しています。装置を絞った商材なら、専門認証工場が狙いを絞る手がかりになります。

車体整備(鈑金塗装)・電装品などの工場

日本標準産業分類では、自動車の整備は中分類「89 自動車整備業」に入り、「8911 自動車一般整備業」と「8919 その他の自動車整備業」に分かれます。e-Statの説明では、8919の例として自動車車体整備業、自動車再塗装業、自動車電装品整備業、自動車ガラス修理業、自動車フィルム施工業などが挙げられています。鈑金塗装の工場には日本自動車車体整備協同組合連合会(日車協連)という業界団体があり、特定整備の認証を受けているかどうかは工場ごとに確かめる必要があります。

業態根拠持っているもの営業での見方
認証工場道路運送車両法第78条の認証(地方運輸局長)作業場・機器・整備主任者を含む2人以上の従業員平均では少人数の体制のため、社長や工場長が決める場面を想定しておく
指定工場道路運送車両法第94条の2の指定(地方運輸局長)認証工場の要件に加え、検査の設備と自動車検査員検査に関わる設備・機器・手順の話がしやすい
専門認証工場装置別の認証ブレーキなど特定の装置の整備専門の装置に関わる商材で狙いを絞れる
車体整備などの工場産業分類では8919など。認証の有無は工場ごと鈑金・塗装・電装品・ガラスなどの設備塗装や修理の設備、材料、見積や記録の手間に関わる話題

4 数字で見る自動車販売店・整備工場

相手の数をつかんでおくと、リストを何件作るか、地域をどう絞るかを考えやすくなります。公表されている数字を時点と出典を添えてまとめますが、数え方(工場の数、会社の数、団体の会員の数)や時点が違うため、足し合わせたり、そのまま比べたりはできません。

項目数時点出典
認証工場(指定工場を含む)92,141令和8年8月末(速報)国土交通省「認証・指定工場数及び新規・廃止状況(速報)」
うち指定工場29,697令和8年8月末(速報)同上
うち専門認証(内数)8,305令和8年8月末(速報)同上
認証工場数の推移平成10年度 86,219 → 令和7年度 92,261各年度国土交通省「認証工場数と指定工場数の推移(平成10年度~令和7年度)」
指定工場数と指定工場の比率29,788(32.3%)令和7年度同上
自販連の会員ディーラー数1,383社2025年12月末自販連「業界の規模」
自販連の会員の事業所数14,804店2025年3月末同上
JU中販連の傘下会員11,277社令和6年3月末JU中販連「JU中販連の概要」
1事業場あたりの整備要員数(推計)4.36人令和7年6月30日日整連「令和7年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要」
整備要員の平均年齢(自家を除く)47.7歳令和7年6月30日同上

国土交通省の速報を運輸局の管内別に見ると、令和8年8月末の認証工場は関東が24,572ともっとも多く、中部13,296、近畿12,573、九州10,958と続きます。地域で絞ってリストを作るときは、こうした管内別の数を目安にすると、1つの地域でどれくらいの件数を見込めるかを考えやすくなります。また、日整連の調査は各自動車整備振興会の会員事業場の2割を抜き出した調査から全体を推計したもので、1事業場あたりの整備要員は4.36人という結果でした。平均で見れば少人数で回している現場だと想定して、連絡の仕方や相手の時間の取らせ方を考えておくのがよいでしょう。

5 自動車販売店・整備工場の探し方

1つの方法で営業先を全部そろえるのは難しいため、全体をつかむ、当たりを付ける、1社ずつ確かめる、条件で絞り込む、という役割ごとに使い分けます。

探し方分かること苦手なこと使うときの決まり・注意
国土交通省の制度説明・統計認証・指定の仕組み、工場の数、管内別の数、制度の動き個々の会社名や連絡先は分からない出典と加工の有無を書く
業界団体のサイト会員の販売店や地域の団体の連絡先、業界の動き加盟していない事業者は載らないまとめて写し取らず、確認の参考にとどめる
各社のホームページ事業内容、拠点、認証・指定の表示、設備、求人、問い合わせ窓口1社ずつ見るので時間がかかる「営業お断り」の表示を確かめ、あれば対象から外す
企業データベース業種・地域・規模などでの絞り込み、連絡先の有無載っていない会社は出てこない使う前に公式の情報で確かめる

国土交通省の資料で全体をつかむ

国土交通省のウェブサイトの「自動車整備」のページには、制度の説明のほか、「認証工場数と指定工場数の推移」「認証・指定工場数及び新規・廃止状況(速報)(毎月末)」などの統計が並んでいます。会社名の一覧ではありませんが、管内ごとの工場の数や新規・廃止の数が分かるため、どの地域にどれくらいの営業先がありそうかを見積もるのに役立ちます。

国土交通省の「リンク・著作権・免責事項」によると、同省のウェブサイトの情報は特記がない限り公共データ利用規約(第1.0版)に準拠した条件で利用でき、利用するときは出典を、編集・加工した場合はその旨も記載することが求められています。

業界団体のサイトで当たりを付ける

国土交通省の「関係団体について」のページには、自販連、JU中販連、日整連、日車協連など、自動車に関係する団体へのリンクがまとめられています。営業先を探すときに使いやすいのは、次のようなページです。

  • JU中販連の「会員検索」:都道府県と市区町村を選ぶか、会員名や電話番号を入れて、都道府県ごとの協会に加入している会員販売店を検索できます。
  • 日整連の「自動車整備振興会の紹介」:各都道府県の自動車整備振興会を紹介しています。地域の整備業界の動きを知る入り口になります。
  • 日車協連の「全国の会員」:各都道府県の自動車車体整備協同組合の名称・住所・電話番号を掲載しています。個々の工場ではなく、地域の組合の一覧です。

こうした名簿や検索は利用者や会員のために用意されたものです。まとめて写し取るのではなく、各サイトの利用の決まりを確かめたうえで、1社ずつの確認や地域の様子をつかむ参考にとどめるのが無難です。

各社のホームページで1社ずつ確かめる

候補が決まったら、各社の公式ホームページで、会社概要(法人か個人か、本社と拠点)、事業内容(新車・中古車・整備・鈑金塗装のどれが主か)、認証工場や指定工場の表示、対応できる作業、求人、問い合わせ窓口、そして「営業のご連絡はお断りしています」といった表示の有無を確かめます。

法人の実在は、国税庁の法人番号公表サイトで商号・所在地・法人番号を照らし合わせて確かめられます。ただし、国税庁の「法人番号の指定対象」の説明のとおり、個人事業者には法人番号が指定されません。個人で営んでいる整備工場や販売店は法人番号では確かめられないため、ホームページや店の案内など、ほかの公式の情報で確かめることになります。

企業データベースで条件を絞る

件数が多い場合や、地域・規模・連絡手段などの条件を変えながら何度も作りたい場合は、企業データベースを使うと手間を減らせます。データベースによって業種の分け方や名前が違うため、「自動車整備」「車検」「鈑金」「中古車」といった言い換えも含めて検索し、結果の業種の欄を見て狙いどおりかを確かめましょう。AIを使ったリスト作りの考え方はAIで営業リストを作る方法|ChatGPTの注意点と企業データベースの使い分けで詳しく解説しています。

6 決める人と忙しい時期

同じ商材でも、誰に、いつ話を持っていくかで受け止められ方は変わります。決める人の目安と、公的な資料から分かる忙しい時期をまとめます。

決める人の目安

業態決める人の目安現場で話を聞く人確かめ方
正規ディーラー商材によって本社の購買・サービス・販売促進・人事などの部署店長、サービスの責任者最初の連絡で担当部署を聞く
中古車販売店小さな店は社長、多店舗の会社は本社店長会社概要で店舗数と代表者を確かめる
認証工場社長や工場長整備主任者平均では少人数の体制のため、最初から決める人に短く伝える
指定工場社長や工場長整備主任者、自動車検査員検査に関わる商材は検査員の意見も聞く
車体整備の工場社長や工場長塗装・鈑金の担当設備や材料は現場の担当の意見も聞く

整備主任者は特定整備の事業に置くことが求められている役割で、自動車検査員は指定工場で検査を行う役割です。工具や機器、作業の手順に関わる商材なら、こうした人の意見が判断に影響すると考えておくと話を組み立てやすくなります。ただし実際の決め方は会社によって違うため、最初の連絡で「どなたにご相談すればよいか」を聞いてリストに残しましょう。

車検は年度末に混み合う

国土交通省近畿運輸局が令和7年4月1日に出した発表によると、車検の需要が特定の期間に集中し、利用者が予約を取りづらく、自動車整備士も残業や休日出勤に追われるという問題が生じていたため、道路運送車両法施行規則などが改正され、満了日の2か月前から受けても残りの有効期間が失われないことになりました(それまでは1か月前から)。同じ発表は、車検は特に年度末が大変混雑するとして、余裕を持った予約と受検を呼びかけています。

営業する側から見れば、年度末は整備工場にとって手が離せない時期だと考え、急ぎでない提案や長い打ち合わせのお願いは避けるのが無難です。予約や顧客への連絡に関わる商材であれば、混み合う前の時期に話を持っていくほうが、相手も検討の時間を取りやすくなります。決算の時期は会社ごとに違うので、会社概要などで確かめておきましょう。

話のきっかけになる制度の動き

  • 特定整備制度(令和2年4月から):分解整備に加えて電子制御装置整備が対象になり、必要な作業場や整備用スキャンツールなどの要件が定められました。国土交通省の特定整備のページのQ&Aでは、整備用スキャンツールは日本自動車機械器具工業会のホームページに掲載されているものを参考に用意するよう案内しています。
  • OBD検査(令和6年10月から):国土交通省によると、令和3年10月1日以降(輸入車は令和4年10月1日以降)の新型車を対象に、令和6年10月1日以降(輸入車は令和7年10月1日以降)の車検で、電子的な検査(OBD検査)が実施されています。
  • 受検できる期間の拡大(令和7年4月から):前に触れたとおり、満了日の2か月前から車検を受けられるようになりました。
  • 訪問特定整備:国土交通省は、認証工場が利用者の自宅や運送会社の作業場など、事業場の外を訪問して特定整備を行える「訪問特定整備」制度を始めています。
  • 人材の確保:国土交通省は自動車整備要員の人材確保・育成に向け、高校への訪問や経営者向けの人材確保セミナーなどに取り組んでいます。

いずれも相手のほうが詳しい話題なので、制度を説明しようとするより、相手の状況を聞くきっかけとして使うほうが自然な会話になります。

7 リストに入れる列とチェックリスト

迷いやすいのは会社と拠点の扱いです。整備の認証は事業場ごとに受けるもので、正規ディーラーのように1社が多くの拠点を持つ相手もいます。会社の列と拠点の列を分けておくと、同じ会社に重ねて連絡してしまうことを防げます。

列中身確かめ方
会社名・法人番号正式な商号と法人番号(個人事業はなし)法人番号公表サイト、会社概要
拠点名・所在地店舗や工場の名前と住所。本社か拠点かの区別ホームページの拠点一覧
業態正規ディーラー/中古車販売/部品用品/認証工場/指定工場/車体整備など事業内容の説明、標識や認証の表示
扱う車・作業扱うメーカーや車の種類、得意な作業(車検・鈑金塗装・電装など)サービスの案内
認証・指定の確認元どの情報で認証工場・指定工場と確かめたかホームページの表示、標識
連絡先電話番号、問い合わせフォームのURL、メールアドレス公式ホームページの表示と見比べる
決める人の役割社長・工場長・本社の担当部署など(個人名は必要なときだけ)会社概要、最初の連絡で聞く
求人の有無整備士などを募集しているか採用ページ
都合のよい時期避けたい時期や時間帯最初の連絡で聞く
営業お断り・連絡の記録お断りの表示の有無、連絡した日と結果ホームページ、自社の記録
確かめた日各列をいつ確かめたか自社の記録

テレアポで使う場合は電話番号と架電の記録、フォーム営業で使う場合は問い合わせフォームのURLと送った日、というように、使う手段によって欠かせない列が変わります。電話で使うリストの作り方はテレアポリストの作成方法|無料の集め方・作成ツール・AI活用の注意点で、重複の整理は名寄せ・データクレンジングのやり方|営業リストの重複をなくす手順で解説しています。

リストを使う前のチェックリスト

  • 1
    狙う業態を決めたか
    商材に合わせて、どの業態に売るのかを決めておきます。
  • 2
    会社と拠点を分けて記録したか
    多店舗の会社は本社の窓口と拠点を分けて記録します。
  • 3
    事業内容と業態を公式の情報で確かめたか
    業種名だけで判断せず、ホームページの事業内容や認証・指定の表示で確かめます。
  • 4
    連絡先が公式の表示と合っているか
    電話番号・フォーム・メールアドレスをホームページの表示と見比べます。
  • 5
    「営業お断り」の表示を確かめたか
    表示がある会社は外し、理由をリストに残して社内で共有します。
  • 6
    年度末などの忙しい時期を避ける予定にしたか
    最初の連絡で都合のよい時期を聞いて記録します。
  • 7
    個人名や個人のメールアドレスの扱いを決めたか
    代表者名や個人で営む店の情報は個人情報として扱い、広告メールは特定電子メール法に沿わせます。
  • 8
    確かめた日と出典を記録したか
    移転や廃業で情報が変わったときに見直しやすくなります。

8 業態ごとの営業の考え方と連絡するときの注意

同じ「自動車関係」でも、業態ごとに話の持っていき方を変えたほうが伝わりやすくなります。考え方の例をまとめます。

業態営業の考え方の例気をつけること
正規ディーラー本社の担当部署を探し、複数の拠点でどう使えるかの形で提案する拠点ごとに別々に連絡して重複させない
中古車販売店仕入れ・在庫・集客・手続きなど、売上に近い困りごとから話す店舗数を見て提案の大きさを合わせる
認証工場平均では少人数の体制だという前提で、要点を短く、決める人に伝える長電話を避け、資料送付や折り返しの都合を聞く
指定工場検査の設備や手順、検査員の負担に関わる話題で関心を確かめる年度末の繁忙期は特に避ける
車体整備の工場塗装や修理の設備・材料・業務の手間に関わる話題から入る認証の有無や対応できる作業を先に確かめる

連絡の手段を選ぶ

電話は話が早い一方で、整備の現場では作業の手を止めてもらうことになります。問い合わせフォームやメールは相手の都合のよいときに読んでもらえますが、営業目的の送信を断っているフォームもあります。フォームを使う場合の文面の組み立て方はフォーム営業の文面テンプレート3パターン:構成・ABテスト・注意点で解説しています。

なお、営業屋のアポジェネPROは、AIが1社ずつホームページを読んで文面を書き分け、問い合わせフォームに送るクラウド型のツールで、フォームで届かない場合はメール窓口へ自動で切り替えます。料金は月額3,000円(税込)とフォーム送信成功1件3円で、送信の失敗とメールでの補完は0円です。フォーム送信成功50件までは無料で試せます(お試しにカード登録は不要です)。

個人情報・メール・「営業お断り」への配慮

個人情報保護委員会の「よくある質問(個人向け)」Q1-1は、法人の情報は個人情報に含まれない一方で、法人の役員等の氏名などの情報は個人情報に含まれると説明しています。代表者名を入れたリストはもちろん、個人で営む工場や販売店のように店の情報と事業主の氏名が結び付いている場合も、Q1-1の定義(生きている個人に関する情報で、特定の個人であると分かるものなど)に照らして個人情報として扱うのが無難です。事業で使う場合は、利用目的をできる限り特定すること(個人情報保護法第17条)や、取得したときに、あらかじめ利用目的を公表している場合を除いて速やかに本人に通知するか公表すること(第21条)など、法律の定めに沿って扱いましょう。リストを外から買う場合の考え方は名簿業者・営業リストの購入は違法?個人情報保護法で見る線引きで取り上げています。

メールで広告や宣伝を送る場合は、特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)が関わります。同法第3条は、あらかじめ同意した者などを除き特定電子メールを送ってはならないとし、例外の1つとして、メールアドレスを公表している団体や営業を営む個人を挙げています。ただし同法の施行規則第3条により、メールアドレスと一緒に特定電子メールを送らないよう求める文言を公表している場合は、この例外にあたりません。送信者の氏名や名称などの表示(第4条)や、受信を拒否された相手に送らないこと(第3条第3項)も定められています。

そして、ホームページに「営業のご連絡はお断りしています」と書かれている会社や、一度お断りを受けた会社は、リストに記録して社内で共有し、電話・フォーム・メールのどれでも重ねて連絡しないようにします。無理な連絡は相手の仕事の手を止めるだけでなく、自社の評判にも響きかねません。

本記事は公開されている資料をもとにした一般的な情報の整理であり、法律相談ではありません。判断に迷うときは、弁護士などの専門家にご相談ください。

9 リスジェネで自動車販売店・整備工場のリストを作る手順

営業屋のAI営業リスト作成ツール「リスジェネ(ListGene)」は、AIが分析した100万社超の企業データベースから、業種・地域・規模などで絞り込んで営業リストを作るツールです。検索と一覧の閲覧は無料、CSVでダウンロードするときだけ1件3円からの従量課金で、初期費用と月額費用はかかりません。自動車販売店や整備工場を探すときは、次の流れで使えます。

  • 1
    AI検索に普段の言葉で条件を入れる
    たとえば「神奈川県で車検や鈑金塗装を行う整備工場」(想定の例)のように入力します。AI検索は1日50回まで無料で、取引先の企業名やURLを入れて似た会社を探すこともできます。
  • 2
    フリーワードと業種で絞り込む
    フリーワード検索は企業名・事業概要・採用情報などを横断するので、「車検」「鈑金」「中古車」などの言葉を試します。自動車の販売や整備の会社がどの分類名で載っているかは紹介ページに書かれていないため、結果の大分類・詳細業種の欄を見て確かめてから、業種でも絞り込みます。
  • 3
    地域と規模を決める
    都道府県に加え、市区町村は住所の文字列の部分一致で絞り込めます。企業規模ランクは従業員数・資本金・売上高からAIが5段階で判定したものです。取引形態(B2B・B2C)でも絞れますが、個人のお客様も相手にする業態なので、B2Bだけに絞って漏れが出ないか結果を見比べましょう。
  • 4
    求人の商材なら採用職種で探す
    「採用職種で検索」は採用情報の概要から職種名や募集要件で絞り込める機能で、「整備士」などの言葉を試せます。
  • 5
    使う手段に合わせて、持っている項目で絞る
    「ダウンロードデータに含まれる項目で絞り込む」で、電話番号・問い合わせフォーム・メールアドレスなどを持つ会社だけに絞れます。推奨アプローチチャネルは、問い合わせフォーム・電話・メール・FAXの保有状況からAIが判定した項目です。
  • 6
    一覧を無料で確かめ、必要な分だけダウンロードする
    検索結果を無料で閲覧して狙いどおりかを確かめ、必要な会社だけを選びます。サンプルCSVで列の中身を先に確認することもでき、決済の最低額の関係でダウンロードは17件からです。

リスジェネのデータについて

リスジェネの企業情報は、各企業が自社のWebサイトで公開している法人情報をもとに整理したもので、掲載情報の削除を希望する企業のための削除依頼の窓口も設けています。認証工場・指定工場かどうかは紹介ページに項目として書かれていないため、各社のホームページで確かめてください。AIが判定した項目は推測を含むため、連絡の前には事業内容と連絡先を確かめ、「営業お断り」の表示がある会社は対象から外してください。代表者名のような個人の氏名は、前の章で触れた個人情報保護法の考え方に沿って扱います。

10 よくある質問

Q.認証工場と指定工場は何が違いますか?

A.国土交通省の説明によると、エンジンやブレーキの取り外しなどの「特定整備」を行うには地方運輸局長の認証が必要で、認証を受けた工場を認証工場と呼びます。認証工場のうち、整備の設備・技術・管理組織が基準に合い、検査の設備を持ち、自動車検査員を選任して検査をさせると認められた工場が指定を受けたものが指定工場(民間車検場)です。指定工場では保安基準適合証が交付されるため、車検で車両を運輸支局などへ持ち込むことを省略できます。

Q.自動車整備工場は全国にいくつありますか?

A.国土交通省の「認証・指定工場数及び新規・廃止状況(速報)」によると、令和8年8月末の時点で認証工場は92,141(指定工場を含む)、そのうち指定工場は29,697です。数えているのは工場(事業場)の数で、会社の数ではない点に注意してください。

Q.自動車販売店や整備工場のリストは無料で作れますか?

A.作れますが、時間がかかります。国土交通省の資料で地域ごとの規模をつかみ、業界団体の会員検索や各社のホームページで1社ずつ確かめる方法です。団体の名簿はまとめて写し取らず、確認の参考にとどめるのが無難です。リスジェネなら検索と一覧の閲覧、AI検索(1日50回まで)が無料で、必要な分だけ1件3円からダウンロードできます。

Q.自動車整備工場への営業は、いつ連絡すると話を聞いてもらいやすいですか?

A.決まった答えはありませんが、避けたい時期はあります。国土交通省近畿運輸局は令和7年4月1日の発表で、車検は特に年度末が大変混雑すると呼びかけています。年度末を避け、最初の連絡で都合のよい時期や時間帯を聞いてリストに残しておくと、次の連絡がしやすくなります。

Q.リスジェネで自動車販売店や整備工場に絞り込めますか?

A.リスジェネの紹介ページには、大分類・詳細業種での絞り込み、企業名や事業概要などを横断するフリーワード検索、普段の言葉で探せるAI検索があると書かれています。自動車の販売や整備の会社がどの分類名で載っているかは紹介ページに個別に書かれていないため、無料の検索結果で大分類・詳細業種の欄を見て確かめてください。認証工場・指定工場かどうかも紹介ページの項目にはないため、各社のホームページで確かめます。

この記事のポイント

  • 販売は正規ディーラー・中古車販売店・部品用品店、整備は認証工場・指定工場・車体整備などに分かれ、制度や分類の根拠が違う
  • 令和8年8月末の速報で認証工場は92,141、うち指定工場は29,697。正規ディーラーは会社の数に比べて拠点の数が多い
  • 国土交通省の資料で全体をつかみ、業界団体のサイトと各社のホームページ、企業データベースを組み合わせて集めて確かめる
  • 整備の認証は事業場ごとなので、会社と拠点を分けて記録し、決める人の役割と都合のよい時期も残す
  • 車検が混み合う年度末を避け、個人情報保護法・特定電子メール法・「営業お断り」の表示を守って連絡する

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ListGene編集部

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