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Expert Insight PUBLISHED: 2026.06.13

製造業の新規開拓営業
下請け脱却・直需開拓の進め方

この記事の3つの要点

  • 1

    製造業の新規開拓が難しい根本には「下請け依存」「特定取引先への集中」「価格決定力の弱さ」がある。中小企業の約半数は主要取引先1社で売上の3割以上を占めるとされ、依存度が高いほど価格転嫁の交渉力が下がりやすい。脱却の鍵は、自社で条件を決められる直需(エンドユーザー)取引の比率を増やすこと。

  • 2

    新規開拓の出発点は「技術力・強みの言語化」と「ターゲット業界の絞り込み」。購買担当者の多くは営業と会う前にWebで情報収集を終えるため、発注側が検索・比較する言葉で強みを見せられないと、商談の入口にすら立てない。

  • 3

    展示会・Web(SEO/広告)・フォーム営業を組み合わせ、待ちと攻めの両輪で接点を増やすのが王道。フォーム営業はAIで1社ずつ文面を作る仕組みを使えば、品質を保ちながら新たな発注元へ効率的にアプローチできる。

精密加工の工場フロアからデータの光が立ち上がり、遠くの都市の新規取引先へとつながる、製造業の新規開拓と直需開拓を象徴するイメージ

高い技術力を持ちながら、受注は特定の取引先からの図面に依存し、価格も納期も先方に握られている——。多くの製造業、とりわけ町工場や中小メーカーが抱えるこの構造的な悩みは、景気の良し悪し以前の「取引構造」の問題です。下請けの仕事に誇りを持ちつつ、いかに自社で条件を決められる直需(エンドユーザー)開拓を進め、新規の発注元を増やしていくか。本記事では、製造業の新規開拓営業を「課題の構造 → 直需開拓の意義 → 技術力の言語化 → ターゲット選定 → 展示会・Web・フォーム営業の組み合わせ → AI活用」という流れで、実務に落とせるレベルまで具体的に解説します。

なぜ製造業の新規開拓は難しいのか — 3つの構造的課題

製造業の新規開拓が他業種より難しいと言われるのには、明確な理由があります。多くの会社は、長年の取引関係や紹介によって仕事が回ってきた歴史を持ち、自ら能動的に新規顧客を開拓するノウハウや仕組みが社内に蓄積されていないのです。営業専任者を置かず、社長や工場長が現場の合間に対応してきた、というケースも珍しくありません。まずは、新規開拓を阻む3つの構造的な課題を整理しておきましょう。

課題1:下請け依存と「受け身の受注体質」

第一の課題は、特定の元請けやメーカーからの注文に売上の大半を依存する「下請け体質」です。図面と仕様は先方から渡され、自社は加工に専念する。安定はしている一方で、需要の波や先方の方針転換にそのまま左右されます。受注が「来るのを待つ」前提になっているため、注文が細った時に自分で売上をつくる筋肉が育っていない——これが受け身の受注体質です。下請けそのものが悪いわけではありません。問題は、それ「だけ」に頼り切る構造にあります。

課題2:特定取引先への集中リスク

第二は、取引先の集中です。中小企業庁の調査などでは、中小企業の約半数が主要取引先1社だけで自社売上の3割以上を占めるとされ、一般に1社で売上比率が30%を超えると要注意の目安と言われます。1社への依存度が高いと、その取引先が倒産・移転したり、調達方針を内製化や海外調達に切り替えたりした瞬間に、大口の売上が急減、あるいはゼロになる可能性があります。新規顧客を増やして取引先を分散させることは、攻めの施策であると同時に、会社を守る「経営リスクの分散」でもあるのです。

左側は1社の大口取引先に依存した集中リスクを赤い漏斗で、右側は多数の直需顧客に分散した状態を青いネットワークで表した、取引先分散の概念図
1社集中(左・赤)から、複数の発注元への分散(右・青)へ。新規開拓は経営リスクの分散でもある

課題3:価格決定力(プライシングパワー)の弱さ

第三は、価格決定力の弱さです。依存度が高い取引ほど、価格交渉の場では相手が強気に出やすく、原材料費やエネルギー費が上がっても価格に転嫁しづらくなります。実際、製造業では取引依存度が高いほど「価格転嫁できなかった」と回答する企業の割合が高まる傾向が指摘されています。売上は立っていても利益が残らない——という構造は、ここから生まれます。逆に言えば、自社で価格や納期を決められる取引(直需)の比率を上げることこそが、利益率を改善し、賃上げや設備投資の原資を生む最短ルートなのです。

この3つの課題は、別々の問題ではなく1本の鎖でつながっています。下請け依存取引先集中を生み、集中が価格決定力の弱さを招く。だからこそ、打ち手も「新規開拓で直需を増やし、依存度を下げ、価格を自分で決められる比率を高める」という一気通貫の戦略になります。次章では、その出口である「直需開拓」を掘り下げます。

下請け脱却=直需開拓の意義 — 「価格決定権」を取り戻す

「下請け脱却」という言葉は誤解されがちです。これは既存の取引先を切ることでも、加工業をやめて自社ブランド製品メーカーに転身することだけを指すのでもありません。本質は、価格・納期・仕様の主導権を、少しずつ自社側に取り戻していくこと。その有力な手段が、商流の上流にいるエンドユーザーや最終製品メーカーと直接つながる「直需開拓」です。

直需取引が増えると何が変わるのか。第一に、中間マージンが乗らない分、適正な利益を確保しやすくなります。第二に、エンドユーザーの課題を直接ヒアリングできるため、「言われた通りに作る」から「課題を解決する提案をする」へと立ち位置が変わり、価格競争から抜け出しやすくなります。第三に、取引先が多様化することで、特定業界の不振に強い、しなやかな経営体質になります。

直需開拓には3つの「型」がある

直需開拓と一口に言っても、自社の状況に合わせて選べる複数の型があります。いきなり自社製品開発に飛びつく必要はありません。下表のように、難易度とリターンを見比べながら、現実的なところから着手するのが賢明です。

A. 直需先の新規開拓

今の加工技術のまま、間に商社や元請けを挟まずエンドユーザー・最終製品メーカーと直接取引する。最も着手しやすく、既存の強みを生かせる王道。本記事の主眼。

B. 技術の横展開

既存技術を別業界へ転用する。例えば自動車向けの精密加工を医療機器・航空宇宙・半導体装置へ。1業界の不振リスクを分散でき、高付加価値領域に届きやすい。

C. 自社製品・ブランド化

自社で企画・開発した製品を持ち、価格決定権を完全に握る。難易度は高いがリターンも大きい。眼鏡の自社ブランド化で直営店展開に至った加工メーカーの例もある。

実際、火災からの再建を機に事業構造の転換に取り組み、顧客数を大きく伸ばした東京・墨田区の町工場や、航空宇宙・医療分野のメーカーと組んで研究開発型のものづくりへ舵を切った精密加工メーカー、自社ブランドの眼鏡で下請け中心から脱却し国内外に直営店を展開するに至った企業など、「型」を選んで一歩を踏み出した中小製造業の事例は数多くあります。共通するのは、自社の強みを起点に、能動的に新しい顧客との接点をつくり続けたという点です。

すべての起点は「技術力・強みの言語化」

新規開拓のあらゆる施策に着手する前に、必ず固めておくべきものがあります。それが「自社の強みの言語化」です。職人が当たり前に持っている技術や設備、対応力は、本人にとっては日常すぎて言葉になっていないことがほとんど。しかし発注側は、その「言葉」を頼りに会社を探し、比較し、問い合わせ先を絞り込みます。強みが相手の言葉で表現されていなければ、どんなに優れた技術も「無い」のと同じになってしまうのです。

精密加工された金属部品をノギスで計測し、その品質データが光の粒子となって新規取引先のネットワークへ流れていく、製造業の技術力を可視化したイメージ
公差・素材・加工方法・品質保証——強みを「数値と事実」で語ることが、新規開拓の土台になる

「強み」を発注側の検索語に翻訳する

「丁寧なものづくり」「高い技術力」といった抽象的な表現は、残念ながら検索でも比較でも引っかかりません。発注担当者が実際に探すのは、もっと具体的で機能的な言葉です。自社の強みを、次のような切り口で「事実と数値」に分解してみましょう。

強みの切り口伝わらない表現(NG)伝わる表現(事実・数値)
精度・公差高精度な加工が得意±0.005mmの公差に対応/真円度・面粗度の保証
素材いろいろな材料を扱えるチタン・インコネル・難削材の切削実績多数
ロット・量産小ロットから大量まで試作1個〜量産月産5万個まで一貫対応
納期・対応力短納期に対応します図面受領から最短3営業日で試作品納品
工程・一貫性前工程から後工程まで切削+熱処理+表面処理を社内一貫、工程管理を可視化
課題解決お客様に寄り添います「歩留まりが悪い」部品の形状を提案し不良率を改善した実績

右列のような「事実・数値・実例」は、そのままWebサイトの掲載コンテンツになり、展示会のキャッチコピーになり、フォーム営業の文面の核になります。強みの言語化は単なる社内整理ではなく、あらゆる新規開拓チャネルで使い回せる「弾」を作る作業なのです。なお、企業秘密に関わる独自工法などは、見せ方を工夫すれば「具体的な数値や効果」だけを示し、ノウハウの中身は守ることもできます。

ターゲット業界の選び方 — 「誰に売るか」を先に決める

強みが言語化できたら、次は「その強みが最も高く評価される相手は誰か」を決めます。新規開拓でやりがちな失敗は、ターゲットを絞らず「とにかく数多く当たる」こと。母数は増えても、刺さらない相手にばかり当たれば反応は鈍く、消耗します。先に狙う業界・領域を2〜3に絞り込む方が、結果的に成果への近道です。

ターゲット業界を評価する4つの軸

どの業界を狙うかは、次の4つの軸で評価するとブレません。「自社の強みが効くか(適合性)」「市場が伸びているか(成長性)」「価格競争になりにくいか(収益性)」「既存取引先と利益相反しないか(安全性)」。例えば、医療機器・航空宇宙・半導体製造装置・ロボット・新エネルギー関連などは、高い品質要求と付加価値を伴う領域として、難削材加工や精密加工の強みが評価されやすい傾向があります。

STEP 01

既存顧客の「勝ちパターン」を棚卸しする

今、利益率が高く、リピートしてくれている取引先はどんな業界・製品か。なぜ自社が選ばれているのかを言語化する。そこに次のターゲットのヒントが眠っている。

STEP 02

隣接業界・成長業界へ仮説を広げる

勝ちパターンと「使う技術が近い」「品質要求が近い」業界を3〜5つリストアップ。市場が伸びている領域を優先し、仮説ターゲットを定める。

STEP 03

小さく試して、反応で絞り込む

仮説ターゲットに少数アプローチし、反応率や商談化率を比較。最も手応えのある2〜3業界にリソースを集中する。机上で完璧に決め切ろうとせず、市場の反応で磨く。

この「ターゲット業界を絞る → 該当企業をリスト化する」というプロセスは、かつては人手で膨大な時間がかかりました。現在は、企業データベースから業種・地域・規模・上場/非上場・キーワードなどで条件抽出できるツールがあり、例えばListGene(リスジェネ)のような約40万社規模のデータベースを使えば、「狙う業界の、フォームを持つ企業」を一気に抽出できます。リスト作成については関連コラムでも詳しく触れています。

新規開拓チャネルの全体像 — 展示会・Web・フォーム営業を組み合わせる

ターゲットが決まったら、いよいよ接点づくりです。製造業の新規開拓チャネルは、大きく「短期・即効性はあるがコスト高」のものと「中長期・資産になるがコスト低」のものに分かれます。重要なのは1つに絞ることではなく、複数を組み合わせて「待ち」と「攻め」の両輪を回すことです。それぞれの特性を見てみましょう。

製造業の事務所で、作業着姿の2人のエンジニアが大型モニターに映る日本地図の営業ターゲットマップを見ながら新規開拓戦略を検討している様子
どの業界の、どの企業に、どのチャネルで当たるか。チャネルは1つに絞らず組み合わせるのが定石

主要チャネルの比較

チャネル特性・コスト感製造業での向き・不向き
展示会・見本市短期・費用高め。出展料+準備工数実物・サンプルを見せられる製造業と好相性。成否は「出展後のフォロー速度」で決まる
Webサイト・SEO中長期・資産型。育てば低コスト購買担当の多くが事前にWebで情報収集。技術コンテンツが命。土台として必須
リスティング広告短期・即効。クリック課金「○○加工 依頼」など顕在キーワードで即引き合い。ニッチ加工ほど費用対効果が出やすい
フォーム営業短期・能動。低コストで件数を出せる発注元のHPの問い合わせ窓口へ直接提案。アポが取りにくい相手にも要件を届けられる
紹介・既存深耕低コスト・高確度だが偶発的信頼ベースで成約率は高い。ただし数が読めず、能動的な開拓と併用が前提

理想的な組み立ては、「Webサイト(土台)=見つけてもらう」×「フォーム営業・広告(攻め)=こちらから当てる」×「展示会(場)=深く知ってもらう」の三層構造です。Webという受け皿を整えた上で攻めの施策を打つと、興味を持った相手が必ずWebに戻ってきて自社を確認するため、各施策の成約率が底上げされます。逆に、受け皿が無いまま攻めだけ強化しても、せっかく作った接点が取りこぼされてしまいます。

なぜWebが土台になるのか。背景には、発注側の購買行動の変化があります。新規サプライヤーを探す多くの担当者が、営業担当と接触する前に検索エンジンで情報収集を始め、複数社を比較し、問い合わせ先をある程度絞り込んでから連絡してくると言われます。つまり、かつて主役だった展示会や紹介に加え、今は「検索して、見つけて、比較する」という入口が確実に存在するということ。ここで自社が見つからない、あるいは見つかっても強みが伝わらなければ、商談のテーブルにすら乗れません。攻めのチャネルで作った興味も、最後はWebで答え合わせをされる——だからこそ、技術コンテンツの整ったWebサイトを土台に据え、その上に展示会・広告・フォーム営業を重ねる順序が、製造業の新規開拓では理にかなっているのです。

なぜ今フォーム営業が製造業の新規開拓に効くのか

数あるチャネルの中で、特に「下請けから直需へ」という文脈で力を発揮しやすいのがフォーム営業(お問い合わせフォーム営業)です。理由はシンプルで、狙いたい発注元企業の多くが、自社サイトにお問い合わせフォームを設置しているから。電話では受付で止まり、飛び込みは時間がかかり、郵送DMは開封すらされにくい。その点フォームは、相手の窓口に要件を確実に届けられ、しかも相手の都合の良いタイミングで読んでもらえます。

製造業ならではの相性の良さ

製造業の新規開拓では「どんな部品を、どんな素材で、どんな精度で、どのくらいの数」という技術的な要件を相手に伝える必要があります。これは電話の立ち話では伝わりにくく、むしろ文章で簡潔にまとめて送れるフォーム営業の方が適しています。「貴社の○○という製品の△△部品について、当社の□□加工で歩留まり改善・コストダウンに貢献できる可能性があります」——こうした具体的な提案を、キーパーソンに直接届けられるのは大きな利点です。

窓口に確実に届く

受付ブロックや「担当者不在」を回避し、問い合わせ窓口に要件を直接投函できる。アポが取りにくい大手・成長企業にもアプローチ可能。

技術要件を文章で伝えられる

素材・公差・ロット・納期といった製造業特有の情報を、誤解なく簡潔にまとめて送れる。図面の話の入口を作りやすい。

低コストで母数を確保

広告費や展示会費に比べ、1件あたりの接触コストが低い。ターゲットを絞った上で量を出せるため、直需開拓の入口として始めやすい。

ただし「一斉送信のテンプレ」では刺さらない

注意点もあります。同じ文面を不特定多数に送りつける「一斉送信」は、読まれずに削除されやすく、相手の心証も損ねます。フォーム営業で成果を出す条件は、相手のHPや事業内容を読み込んだ上で、「なぜ御社に連絡したのか」を1社ごとに書くこと。「貴社の事業を拝見し、当社の○○がお役に立てると考えました」という、相手起点の一文があるかどうかで反応は大きく変わります。とはいえ、これを人手で1社ずつやると膨大な工数がかかる——ここが、後述するAI活用が効いてくるポイントです。

運用上の前提(必ず守る):フォーム営業は商取引上の勧誘として一般に行われていますが、健全な運用には配慮が欠かせません。具体的には、(a) 各社サイトの利用規約の確認、(b) メール送信時は特定電子メール法の考え方(送信者表示やオプトアウトへの対応)、(c) 個人情報保護法の遵守、(d)「営業お断り」「NG」など相手の明示的な拒否の尊重——を徹底し、「迷惑をかけない運用」を心がけましょう。本記事は一般的な情報提供であり、個別の法的判断は専門家にご確認ください。

フォーム営業×AIで、新たな発注元へ効率的にアプローチする

「1社ごとに読み込んで個別文面を書く」のが理想だが、人手では量がこなせない。この長年のジレンマを解くのが、AIを活用したフォーム営業の自動化です。AIが送信先企業のHPを1社ずつ読み込み、その内容に合わせた文面を生成し、お問い合わせフォームを理解して自動で入力・送信する——これにより、「個別最適の品質」と「量」を両立できるようになりました。

製造業の直需開拓における具体的な使い方

流れはこうです。まず企業データベースから「狙う業界・地域・規模」で発注元候補をリスト化する。次にAIが各社のHPを読み、「この会社のこの製品に、自社のこの技術が役立つ」という観点で1社ごとの文面を生成する。そして問い合わせフォームへ自動送信し、フォームが無い企業にはメール窓口へ代替送信して取りこぼしを防ぐ。送った後は、どの企業が反応したか(リンクのクリックなど)を計測し、反応のあった相手から優先的に商談化していく——という一連の流れを、少人数でも回せます。

STEP 01

発注元リストを抽出する

企業データベース(例:ListGene 約40万社)から、狙う業界・地域・規模・キーワードで「フォームを持つ発注元候補」を抽出。直需開拓の母集団をつくる。

STEP 02

AIが1社ずつ個別文面を生成

AIが各社のHPを読み込み、相手の事業に合わせた共感の一文+自社の強み(公差・素材・短納期など)を組み合わせた文面を自動生成。テンプレ一斉送信にしない。

STEP 03

送信・代替・計測・商談化

フォームへ自動送信、無い企業はメール窓口へ代替。反応した企業を計測して可視化し、手応えのある相手から商談へ。「営業お断り」は自動で除外し再送を防ぐ。

成功率は「リストの質」で大きく変わる

正直にお伝えすると、フォーム営業の反応・成功は「100発100中」のような世界ではありません。送信が届いて受理される割合は、ターゲットリストの質や業界によって変動し、到達できたフォームに対しての話として概ね40〜55%程度が一つの目安です(条件で変動します)。だからこそ重要なのが、「営業お断りの企業」「BtoC中心でフォームが営業窓口でない企業」「フォームが無い企業」を事前に外し、自社の強みが効く発注元に絞ること。エンジンの巧拙よりも、誰に送るか(リスト品質)の方が結果を左右します。これは展示会でも広告でも同じ、新規開拓の普遍的な原則です。

接点を「商談」に変える — フォローと提案の質

どのチャネルで新規開拓を行うにせよ、接点を作ること自体はゴールではありません。本当の勝負は、生まれた接点を「商談」「受注」へと育てるフォローの段階にあります。実際、展示会の成否は「出展後のフォロー速度」で決まるとよく言われ、名刺交換した相手には当日中〜翌営業日にお礼の連絡を入れ、間を空けずに次の提案へつなげる体制が成果を左右します。これは展示会に限らず、フォーム営業で反応があった企業、Webから問い合わせが来た企業にもまったく同じことが言えます。熱が高いうちに、いかに早く・的確に次の一手を打てるかです。

「売り込み」ではなく「課題解決の提案」をする

直需開拓で価格競争を避けるうえで効くのが、提案のスタンスです。下請けの発想のまま「安く作れます」「何でも対応します」と伝えると、結局は相見積もりの価格勝負に巻き込まれます。そうではなく、エンドユーザーの困りごと——「この部品の歩留まりが悪い」「この素材で軽量化したい」「調達先を分散させたい」——に対して、自社の技術でどう解決できるかを提案する立ち位置を取ること。「言われた通りに作る加工屋」から「課題を一緒に解決する技術パートナー」へと見られ方が変われば、価格は提案価値で決まるようになります。これこそが、価格決定力を取り戻す実務上の核心です。

製造業の新規開拓でありがちな3つの失敗

最後に、つまずきやすいポイントも共有しておきます。第一に「強みの言語化を飛ばして、いきなり数を打つ」失敗。受け皿も弾も無いまま量を出しても、反応は鈍く消耗します。第二に「1回やって反応が薄く、すぐ諦める」失敗。新規開拓は改善のサイクルが前提で、1サイクル目の数字だけで判断するのは早計です。第三に「フォローを設計しない」失敗。接点は作って終わりではなく、誰がいつ何を返すかを決めておかないと、せっかくの引き合いが冷めてしまいます。いずれも、「絞る・続ける・追う」を意識すれば避けられるものばかりです。

90日で回す、製造業の新規開拓ロードマップ

ここまでの内容を、現場で動かせる3か月(90日)の行動計画に落とし込みます。完璧を目指して止まるより、小さく始めて市場の反応で磨く——これが新規開拓を続けるコツです。

期間やることゴール
1か月目
(土台)
強みの言語化/ターゲット2〜3業界の決定/Webサイトの技術コンテンツ整備・問い合わせ導線の見直し「弾」と「受け皿」が完成した状態
2か月目
(攻め)
発注元リストを抽出/フォーム営業を少数から開始/(並行で)展示会・広告の検討。反応を記録初回の接点・引き合いが発生
3か月目
(改善)
反応の良かった業界・文面にリソースを集中/リストの質を磨く/商談化したものをクロージング勝ちパターンの発見と直需の初受注

この90日サイクルを回し切ると、「どの業界の、どんな文面が、自社の強みと噛み合うか」という勝ちパターンが見えてきます。あとはそれを横展開し、依存度の高い1社頼みの状態から、複数の発注元に支えられた構造へと、少しずつ移行していけばよいのです。重要なのは、1サイクルで完璧を求めず、回し続けること。新規開拓は短距離走ではなく、改善を重ねる長距離走です。

下請け脱却は、ある日突然訪れるものではありません。「強みを言葉にする」→「狙う相手を決める」→「複数チャネルで接点をつくる」→「反応で磨く」という地道なサイクルの積み重ねが、気づけば取引先を分散させ、価格決定力を取り戻し、しなやかな経営体質をつくります。その最初の一歩を、できるだけ低リスク・低コストで踏み出せる手段として、AIを活用したフォーム営業は有力な選択肢になります。

よくある質問(FAQ)

Q.製造業の新規開拓は、まず何から始めればよいですか?

A.最初に着手すべきは「自社の強みの言語化」と「狙うターゲット業界の絞り込み」です。技術力や設備、対応できるロット・素材・公差・短納期などを、発注側の担当者が検索・比較する言葉に翻訳し、どの業界のどんな部品・加工で価値が出るかを2〜3業界に絞ります。その上で、Webサイトの問い合わせ導線を整え、展示会やフォーム営業など複数チャネルを組み合わせて接点を増やすのが王道です。いきなり大量に送るより、刺さるターゲットと刺さるメッセージを先に固める方が結果的に近道になります。

Q.下請けから脱却して直需を取りたいのですが、既存取引先との関係が心配です。

A.下請け脱却は「既存取引先を切る」ことではなく、「特定取引先への依存度を下げ、自社で価格や納期を決められる取引の比率を増やす」ことです。既存の受注を大切にしながら、空いた工数や強みを生かせる直需案件を少しずつ積み上げる進め方が現実的です。中小企業の約半数は主要取引先1社で売上の3割以上を占めるとされ、1社で30%超は要注意の目安と言われます。依存度を測り、無理のない範囲で取引先を分散していくことがリスク低減につながります。

Q.技術力はあるのに、新規の問い合わせがほとんど来ません。なぜですか?

A.技術力が「相手の言葉」で表現されておらず、見つけてもらえていない可能性が高いです。購買担当者の多くは営業と接触する前にWebで情報収集を終えるとされ、検索や比較の段階で自社が候補に挙がらなければ商談の入口にすら立てません。図面や写真、対応可能な素材・公差・量産可否、課題解決の実例を、発注側が探す語句に合わせて掲載することが第一歩です。その上で、待つだけでなくフォーム営業など能動的なアプローチで接点を作ると、問い合わせの母数が増えやすくなります。

Q.フォーム営業は製造業の新規開拓に向いていますか?

A.発注元となる企業の多くがWebサイトにお問い合わせフォームを持っているため、フォーム営業は製造業の新規開拓と相性が良い手法です。アポ獲得が難しいキーパーソンにも、要件と技術的な強みを簡潔に届けられます。重要なのは、相手のHPや事業内容を読み込んだ上で「なぜ御社に連絡したか」を1社ごとに書くことです。テンプレートの一斉送信は読まれにくく、各社の利用規約や相手の意思を尊重した運用が前提になります。AIで1社ずつ文面を作る仕組みを使えば、品質を保ちながら件数を確保しやすくなります。

Q.ApoGenePROは製造業の新規開拓にどう使えますか?費用はどれくらいですか?

A.ApoGenePROは、AIが送信先企業のHPを1社ずつ読み、お問い合わせフォームを理解して個別文面で自動送信する成果課金型のツールです。ListGene(約40万社の企業データベース)から業種・地域・規模などで発注元候補を抽出し、そのまま送信先にできます。費用は基本料が月額3,000円(税込)、フォーム送信1件の成功につき3円の成果課金で、失敗は0円・メール代替送信は無料です。フォーム成功50件までは無料で試せ、50件に達すると自動停止します。縛りはなくいつでも解約できます。

成果が出た分だけ

新たな発注元へ、AIが1社ずつ提案する。

下請け脱却・直需開拓の第一歩は「狙う発注元に、刺さる提案を届ける」こと。ListGene(約40万社)から業界・地域・規模で発注元候補を抽出し、AIが各社のHPを読んで1社ごとの文面で問い合わせフォームへ自動アプローチ。
AIが1社ずつHPを読んで個別文面で送る成果課金型フォーム営業「ApoGenePRO」。基本料 月¥3,000+成功1件¥3、フォーム成功50件まで無料。失敗・メール代替は¥0、ムダ打ちゼロ。縛りなし。

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営業の常識を、
変える。