新設法人リストの作り方|
法人番号公表サイトで無料で抜き出す手順
設立したばかりの会社は、取引先や仕入れ先、使う道具をこれから決めていく段階にあることがあり、早めに知っておきたい営業先の一つです。国税庁の法人番号公表サイトには、新たに法人番号が指定された法人を日ごとにまとめた「差分データ」があり、手順さえ分かれば費用をかけずに新設法人のリストを作れます。本記事では、ダウンロードの場所から、文字化けや数字の崩れを防ぐCSVの開き方、新規の行を見分けるコード、電話番号や業種の補い方、新しい会社に声をかけるときの注意までを、国税庁の仕様書や説明資料などの原資料で確かめた内容をもとに、順を追って説明します。
この記事の3つの要点
- 1
国税庁の法人番号公表サイトの差分データ(日次・過去40日分)を取り寄せ、処理区分が「01」、訂正区分が「0」の行を抜き出すと、新たに法人番号が指定された法人等の一覧ができます。法人種別のコードで株式会社や合同会社に絞り、所在地で営業エリアに絞れば、新設法人リストの土台になります。
- 2
ダウンロードしたCSVには見出しの行が無く、表計算ソフトでそのまま開くと「01」の先頭の0が消えたり、法人番号が指数の形で表示されたりすることがあります。文字コードと列の型を指定して読み込み、仕様書を見ながら見出しを付けるのが安全です。
- 3
公表されるのは名称・所在地・法人番号などで、電話番号や業種は含まれません。連絡先は会社のホームページや登記、企業データベースで補い、設立直後の忙しい時期に配慮して、押し売りにならない声のかけ方を心がけます。
この記事の目次
1. 新設法人リストを作る3つの方法と選び方 2. 法人番号公表サイトの「差分データ」とは 3. 差分データから新設法人を抜き出す手順 4. 新規の行を見分けるコードと、文字化けしない開き方 5. 40日より前の分は全件データの指定年月日で絞る 6. 電話番号や業種など、公表データに無い情報の補い方 7. リスジェネで新設法人を絞り込む 8. 新しくできた会社に声をかけるときの注意 9. 新設法人リストづくりのチェックリスト 10. よくある質問1 新設法人リストを作る3つの方法と選び方
新しく設立される法人の数は、決して少なくありません。東京商工リサーチが2026年5月12日に公表した2025年「全国新設法人動向」調査によると、2025年に全国で新しく設立された法人は15万7,011社で、前年から1.9%増え、2008年に統計を始めてから最も多くなりました。法人格別に見ると、株式会社が10万558社(構成比64.0%)、合同会社が4万4,991社(構成比28.6%)で、合同会社は過去最多だったとされています。なお、この数は同社の企業データベースから抽出した集計で、国税庁が法人番号を指定した件数とは数え方が違う点に気をつけてください。
これだけの数の会社が毎年生まれているので、営業エリアを絞っても、新しい候補が定期的に出てくることが期待できます。新設法人のリストを作る方法は、大きく次の3つに分けられます。
| 方法 | 分かること | 費用 | 手間 | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|---|
| ① 法人番号公表サイトの差分データ | 直近40日分のうちに新たに法人番号が指定された法人等の名称・所在地・法人番号・指定日など | 無料 | 週に1回などの取り寄せと、CSVの整理が要る | 設立してすぐの会社を、毎週の決まった作業として拾いたい |
| ② 全件データの「法人番号指定年月日」で絞る | 前月末時点で公表されている法人等の情報。指定日で絞ればここ数か月から数年の新しい法人が分かる | 無料 | ファイルが大きく、絞り込みに時間がかかる | 40日より前の分もまとめて一度に作りたい |
| ③ 企業データベースで設立年などから絞る | 設立年のほか、データベースによっては電話番号・業種・問い合わせフォームの有無など | サービスによる | 少ない(条件を選んで絞り込む) | 連絡先まで付いたリストを早く用意したい |
①と②は国が公表しているデータなので出どころがはっきりしており、費用もかかりませんが、電話番号や業種は含まれていません。③は連絡先まで付いていることがある一方で、ホームページなどの公開情報をもとにしたデータベースでは、設立から日が浅く情報がまだ公開されていない会社は載っていないことがあります。このため、設立してすぐの会社を①で拾い、少し時間がたって連絡先が公開された会社を③で拾う、という組み合わせが現実的です。新設法人に限らず、無料で使える情報源の全体像は、営業屋のコラム営業リストを無料で作る方法|企業リストの集め方7選と注意点でまとめています。
2 法人番号公表サイトの「差分データ」とは
法人番号は、株式会社などの法人等が持つ13桁の番号で、国税庁長官が指定します。国税庁の法人番号公表サイトでは、法人番号を指定した法人等の「基本3情報」、つまり商号又は名称、本店又は主たる事務所の所在地、法人番号が公表されており、名称のフリガナ(法務局でフリガナを記載した登記申請や申出を行った場合のみ)や名称・所在地の変更履歴なども見られます。ただし、人格のない社団等は、代表者等が公表に同意した場合のみ公表されます。
このサイトの「基本3情報ダウンロード」には、全件データと差分データの2種類があります。差分データのページの説明では、新たに法人番号を指定した法人等の情報のほか、名称・所在地の変更や登記記録の閉鎖等の変更情報をダウンロードできるとされています。新設法人リストに使うのは、このうちの「新たに法人番号を指定した法人等」の部分です。
| 項目 | 差分データ | 全件データ |
|---|---|---|
| 中身 | 新たに法人番号を指定した法人等と、名称・所在地の変更や登記記録の閉鎖等の変更情報 | 前月末時点で公表している法人等の最新情報 |
| 作られる時期 | 日次で作成し、16時ごろに提供(処理状況によって遅れる場合あり)。休日・祝日と12月29日から1月3日は作成しない | 毎月、月末に作成し、翌日0時までに提供 |
| 取り寄せられる範囲 | 過去40日分 | 全国分、または都道府県・国外の単位別 |
| ファイルの形式 | CSV形式・Shift-JIS、CSV形式・Unicode、XML形式・Unicodeの3種類。zip形式で圧縮され、OpenPGPによる署名のファイルが一緒に入っている | |
| ファイルの大きさの例 | 2026年10月に確認したところ、CSV形式・Shift-JISの1日分は圧縮した状態で110KB台から160KB台 | 令和8年9月30日更新分のCSV形式・Shift-JISは、全国分が圧縮した状態で241MB |
出典:国税庁法人番号公表サイト「差分データのダウンロード」「全件データのダウンロード」「基本3情報ダウンロード」(2026年10月に確認)をもとに営業屋が作成
差分データは都道府県ごとには分かれておらず、命名規則(国税庁「ダウンロードファイルの命名規則」)によると、ファイル名は「diff_作成年月日.zip」の形です。全国分の変更が1日1つのファイルにまとまっているので、営業エリアに絞る作業は自分で行います。
Web-APIとの違い
法人番号公表サイトには、利用者のシステムから条件を指定して情報を取り寄せる「Web-API」もあります。取得期間を指定する機能では、指定した期間の法人番号の指定や商号・所在地の変更などの情報を取得でき、所在地(都道府県・市区町村)や法人種別を条件に加えて絞り込むこともできます。国税庁のパンフレット「法人番号で わかる。つながる。ひろがる。」では、この機能で1回に取得できるのは最大50日分とされています。
ただし、Web-APIを使うにはアプリケーションIDが必要です。国税庁の案内によると、発行に費用はかかりませんが、手続は国税庁適格請求書発行事業者公表サイトから行い、発行には2週間から1か月程度かかります。また、Web-APIを使ったサービスを公開する場合は、情報の取得元を明示するよう求められています。毎日自動で取り込む仕組みを作るなら便利ですが、週に1回、手作業でリストを作る程度であれば、次の章のダウンロードの手順から始めるのが手軽です。
公表サイトの情報が更新される時刻
国税庁のパンフレット「法人番号で わかる。つながる。ひろがる。」では、法人番号公表サイトの公表情報は原則として11時と16時に更新され、土日祝日や年末年始は更新されないと説明されています。差分データのファイルが提供されるのは16時ごろなので、その日の分は夕方以降に一覧に並びます(処理状況によっては遅れることもあります)。
3 差分データから新設法人を抜き出す手順
ここからは、表計算ソフト(Excel)を使って、差分データから新設法人のリストを作る手順を説明します。国税庁のパンフレット「法人番号で わかる。つながる。ひろがる。」にも、営業部での活用例として、基本3情報をダウンロードし、表計算ソフトに取り込み、フィルター機能で所在地や法人番号の指定日を絞り込んで、営業エリア内で新たに設立された法人を把握する流れが紹介されています。ここでは、その流れを実際の作業の順に細かく分けます。
- 1差分データのページを開く
法人番号公表サイトの「基本3情報ダウンロード」から「差分データのダウンロード」(https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/download/sabun/)を開きます。ページには、形式ごとに「差分データファイル作成日」と「ダウンロードファイル」の一覧が並んでいます。 - 2形式と日付を選んでダウンロードする
Excelで扱うなら「CSV形式・Shift-JIS」か「CSV形式・Unicode」を選びます。違いは第4章で説明します。前回取り寄せた日の翌日以降の作成日のファイルを、日付ごとにダウンロードします。休日・祝日の分はファイルが作られないので、一覧に無い日があっても気にする必要はありません。 - 3zipファイルを解凍する
中には「diff_作成年月日.csv」と、署名の検証に使う「.asc」のファイルが入っています。国税庁の「ご利用方法」のページでは、署名ファイルは検証が不要であれば利用の必要はないと説明されています。 - 4文字コードと列の型を指定して読み込む
CSVをダブルクリックで開くのではなく、Excelの「データ」タブにある「テキストまたはCSVから」で読み込み、文字コードを指定し、法人番号やコードの列を「テキスト」にしてから取り込みます(第4章)。 - 5見出しの行を足す
ダウンロードファイルには項目名が入っていないため、国税庁の「リソース定義書」を見ながら1行目に見出しを付けます。主な列は下の表のとおりです。 - 6処理区分が「01」、訂正区分が「0」の行に絞る
フィルター機能で、処理区分の列を「01」(新規)、訂正区分の列を「0」(訂正以外)に絞ります。念のため、法人番号指定年月日がその日付の前後になっているかも見ておきます。 - 7法人種別と所在地で絞る
会社に絞るなら法人種別の「301」(株式会社)や「305」(合同会社)などを残し、所在地の都道府県・市区町村の列で営業エリアに絞ります。 - 8必要な列だけを別のシートに移し、記録の列を足す
法人番号・名称・フリガナ・所在地・法人番号指定年月日を残し、「取り寄せた日」「ホームページ」「電話番号」「連絡した日」「結果」「営業お断り」などの列を足します。数日分を貼り足すときは、法人番号で重複を消します。
主な列の意味(リソース定義書より)
国税庁の「リソース定義書(ダウンロードファイル、Web-API)」4.1版は、ダウンロードファイルには項目名が入っていないので、各データが何を意味するのかを確かめるときにこの資料を使うよう案内しています。ダウンロードファイルに入るのは、定義書の項番7「一連番号」から項番36「検索対象除外」までの項目です。下の表の列の番号は、一連番号を1列目として定義書の順に数えたものです。読み込んだら、2列目に13桁の法人番号、3列目に「01」のような2桁のコードが入っているかを見て、並びが合っていることを確かめてから見出しを付けてください。
| 列 | 項目名 | 中身と使い方 |
|---|---|---|
| 1 | 一連番号 | 同じ法人の情報が複数あるとき、小さい番号から順に処理すると時系列の順序が保てる |
| 2 | 法人番号 | 13桁の番号。重複を消したり、ほかのデータと突き合わせたりするときの鍵になる |
| 3 | 処理区分 | 法人番号の指定や変更などが起きた事由を表すコード。「01」が新規 |
| 4 | 訂正区分 | 「0」が訂正以外、「1」が訂正したデータ |
| 5 | 更新年月日 | 国税庁がデータを更新した日付 |
| 6 | 変更年月日 | 事象が発生した日。処理区分が「01」の場合は、法人番号が指定された年月日 |
| 7 | 商号又は名称 | 会社名など |
| 8 | 商号又は名称イメージID | 名称にJIS第1・第2水準以外の文字を使っている場合などに値が入る |
| 9 | 法人種別 | 株式会社・合同会社などを表すコード |
| 10〜12 | 国内所在地 | 都道府県、市区町村、丁目番地等に分かれている |
| 14・15 | 都道府県コード・市区町村コード | 所在地での絞り込みや名寄せに使える |
| 16 | 郵便番号 | 所在地の文字から設定したもので、外字や誤字があると正確でない場合がある |
| 19 | 登記記録の閉鎖等年月日 | 清算の結了などで登記記録が閉鎖された日。日付が入っている法人は対象から外す |
| 23 | 法人番号指定年月日 | 法人番号が指定された年月日 |
| 24 | 最新履歴 | 「1」が最新の情報、「0」が過去の情報 |
| 29 | フリガナ | 登録がある場合のみ入る(全角カタカナ) |
| 30 | 検索対象除外 | 「1」は、登記上の所在地が住居表示の実施などで既に存在しない表記になっていることが確認された法人 |
出典:国税庁法人番号管理室「リソース定義書(ダウンロードファイル、Web-API)」4.1版(令和3年2月)をもとに営業屋が作成。表に無い列は、英語表記・国外所在地・合併などに関する項目です。
4 新規の行を見分けるコードと、文字化けしない開き方
差分データの1日分のファイルには、新しく番号が指定された法人のほかに、名称や所在地の変更、登記記録の閉鎖などの行が混ざっています。新設法人だけを取り出すには、処理区分・訂正区分・法人種別の3つのコードを使い分けます。
処理区分のコード:「01」が新規
| コード | 意味 | 新設法人リストでの扱い |
|---|---|---|
| 01 | 新規(新たに法人番号が指定された) | 残す |
| 11 | 商号又は名称の変更 | 外す(既存の取引先の社名変更の確認には使える) |
| 12 | 国内所在地の変更 | 外す(移転した会社の把握には使える) |
| 13 | 国外所在地の変更 | 外す |
| 21 | 登記記録の閉鎖等 | 外す(手元のリストから消す材料になる) |
| 22 | 登記記録の復活等 | 外す |
| 71 | 吸収合併 | 外す |
| 72 | 吸収合併無効 | 外す |
| 81 | 商号の登記の抹消 | 外す |
| 99 | 削除(重複指定などによる指定の撤回など) | 外す |
新規かどうかを見分けるのは「処理区分」の列です。同じファイルには「変更事由の詳細」という列もありますが、こちらは合併などの事業承継があった場合の内容を文字で表す項目で、新規の判定には使いません。
訂正区分が「1」の行は外す
リソース定義書によると、訂正があった場合は訂正した法人等のすべての履歴データが提供され、フリガナや英語表記の登録があった場合も、提供済みのデータに項目を加えた訂正データとして、訂正区分「1」で提供されます。つまり、昔からある会社がフリガナを登録すると、その会社の最初の「01」の行が、訂正データとして差分データに出てくることがあります。訂正区分を「0」に絞り、法人番号指定年月日がファイルの作成日に近いかを見ておけば、こうした行を新設法人と取り違えずに済みます。
法人種別のコードで会社に絞る
処理区分「01」には、株式会社や合同会社のような設立登記法人のほかに、税務署に届出をした登記の無い法人や、公表に同意した人格のない社団等が含まれることがあります。営業先を会社に絞るなら、法人種別の列を使います。
| コード | 法人種別 | コード | 法人種別 |
|---|---|---|---|
| 301 | 株式会社 | 101 | 国の機関 |
| 302 | 有限会社(特例有限会社) | 201 | 地方公共団体 |
| 303 | 合名会社 | 399 | その他の設立登記法人(一般社団法人などを含む) |
| 304 | 合資会社 | 401 | 外国会社等 |
| 305 | 合同会社 | 499 | その他(人格のない社団等や、設立の登記を行わない法人) |
一般社団法人や医療法人などに営業したい場合は「399」も残します。399には、株式会社から合同会社まで以外の、法令の規定により設立の登記をすることで成立する法人が入ります。
文字化けや数字の崩れを防ぐ開き方
法人番号公表サイトの説明では、文字コードは「Shift-JIS(JIS第一・第二水準)」と「Unicode(JIS第一〜第四水準)」の2種類です。Shift-JIS版はJIS第一・第二水準の範囲の文字で作られているので、それ以外の文字を含む社名や所在地は、Unicode版や公表サイトの検索画面で確かめると安心です。リソース定義書でも、名称にJIS第1・第2水準以外の文字が使われている場合は「商号又は名称イメージID」に値が入り、イメージファイルで確かめられると説明されています。
もう一つ気をつけたいのが、CSVをダブルクリックでそのまま開いたときの数字の崩れです。表計算ソフトは数字だけの欄を数値として扱うため、処理区分の「01」が「1」になったり、郵便番号の先頭の0が消えたり、13桁の法人番号が「1.23457E+12」のような指数の形で表示されたりすることがあります。フィルターで「01」を探しても見つからない、ほかのデータと法人番号で突き合わせられない、といった失敗のもとになるので、次の順で読み込むのが安全です。
- Excelで新しいブックを開き、「データ」タブの「テキストまたはCSVから」を選んで、解凍したCSVを指定します。
- 表示された画面の「元のファイル」で文字コードを選びます。Shift-JIS版なら「日本語(シフトJIS)」を、Unicode版なら下のプレビューを見ながら日本語が正しく表示されるもの(UTF-8など)を選びます。
- 「データの変換」を押し、法人番号・処理区分・訂正区分・法人種別・郵便番号・都道府県コード・市区町村コードの列のデータ型を「テキスト」に変えてから、「閉じて読み込む」で取り込みます。
- 取り込んだ表の1行目に、上の表を見ながら見出しを付けます。
画面の名前は、使っているExcelの版によって違うことがあります。文字化けしたときは、もう一方の文字コードの版をダウンロードして試すのも一つの方法です。
5 40日より前の分は全件データの指定年月日で絞る
差分データは過去40日分しか提供されないため、「この半年に設立された会社をまとめて知りたい」という場合は、全件データを使います。全件データは前月末時点で公表している法人等の最新情報で、ダウンロードファイルには差分データと同じく「法人番号指定年月日」の列が入っています。都道府県単位のファイルを取り寄せ、指定年月日の列で期間を絞り込めば、その期間に法人番号が指定された法人の一覧になります。
全件データを使うときは、次の点に気をつけてください。
- ファイルが大きい:令和8年9月30日更新分のCSV形式・Shift-JISは、全国分が圧縮した状態で241MBあり、東京都の分は2つのファイルに分かれています。営業エリアの都道府県のファイルだけを取り寄せるほうが扱いやすくなります。
- 指定年月日は設立日と同じとは限らない:法人番号指定年月日は番号が指定された日で、制度ができる前からある会社にも番号が指定されています。古い日付の法人の設立年は、このデータからは分かりません。
- 閉鎖された法人も含まれる:登記記録の閉鎖等年月日に日付が入っている法人は対象から外します。
- 検索対象除外の法人:検索対象除外が「1」の法人は、登記上の所在地が現在は存在しない住所表記になっていることが確認された法人なので、郵送などに使う前に所在地を確かめます。
全件データと差分データをつなぐときの決まり
全件データのページでは、全件ダウンロードファイルをダウンロードした後、続けて差分ダウンロードファイルをダウンロードする場合は、作成日の翌日以降のファイルをダウンロードするよう案内されています。最初に全件データで土台を作り、そのあとは週に1回などの決まった間隔で差分データを足していけば、取りこぼしの少ない新設法人リストを保てます。差分データは40日を過ぎると取り寄せられなくなるので、間隔を空けすぎないようにしましょう。
6 電話番号や業種など、公表データに無い情報の補い方
法人番号公表サイトで公表されるのは、基本3情報と、フリガナ・英語表記・変更履歴などの付随する情報です。電話番号、業種、代表者名、ホームページのアドレス、従業員数は含まれていないので、営業に使うには別の情報源で補う必要があります。
| 欲しい情報 | 主な調べ先 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 電話番号・問い合わせ窓口 | 会社の公式ホームページ(社名と所在地で検索) | 設立直後はホームページがまだ無いことがある。同名の別会社と取り違えないよう所在地でも確かめる。「営業お断り」の表示を見落とさない |
| 事業の内容(業種) | 公式ホームページ、登記の「目的」、経済産業省のgBizINFO | 登記の目的は将来の事業も含めて幅広く書かれることがあり、実際の事業と一致するとは限らない |
| 代表者名 | 登記の情報、公式ホームページ | 法人の役員等の氏名は個人情報にあたる。必要な範囲で扱う |
| 規模・設立年・連絡手段の有無 | 企業データベース | データベースに載るまでに時間がかかることがある。AIの判定などの推測を含む項目は確かめてから使う |
登記の情報をインターネットで見る
会社の登記された内容は、一般財団法人民事法務協会が運営する登記情報提供サービスで、インターネットから確かめられます。法務省の「登記情報提供サービスの利用料金等一覧」によると、令和8年4月1日からの利用料金は、商業・法人の登記記録の全部の情報が1件330円(登記手数料320円と指定法人手数料10円、消費税込み)です。1社ごとに費用がかかるので、全社分を取るよりも、商談が進みそうな会社に絞って使うのが現実的です。
gBizINFOで補う
経済産業省のgBizINFO(Gビズインフォ)は、500万社以上の政府保有法人データを提供するサイトで、詳細検索には法人種別や所在地のほか、資本金、創業・設立年、従業員数、業種などの条件があります。法人番号でも法人を探せるので、差分データで見つけた会社を法人番号で調べれば、同名の別会社と取り違えずに済みます。ただし、載っている情報の量は法人によって差があり、設立したばかりの法人は業種などの情報が少ないこともあります。
個人情報と出典の記載に気をつける
個人情報保護委員会の「よくある質問(個人向け)」は、法人の情報は個人情報に含まれない一方で、法人の役員等の氏名等の情報は個人情報に含まれると説明しています。設立したばかりの会社では代表者が一人で切り盛りしていることがあり、その場合は代表者名がそのまま担当者名になります。リストに入れる個人の情報は、営業に必要な範囲にとどめましょう。
また、法人番号公表サイトの利用規約では、コンテンツは公共データ利用規約(第1.0版)に準拠した条件で利用でき、利用する際は出典を記載すること、編集・加工して利用する場合はそのことも記載すること、加工した情報を国が作成したかのような態様で公表・利用しないことが求められています。作ったリストを社外に渡す場合などは、「国税庁法人番号公表サイト(国税庁)をもとに作成」のように出典と加工の旨を書き添えておきます。
複数の情報源を突き合わせると、同じ会社が別の表記で二重に入ることがあります。法人番号を鍵にした重複の消し方は名寄せ・データクレンジングのやり方|営業リストの重複をなくす手順で、生成AIに表記の整理などを手伝わせるときの注意はAIで営業リストを作る方法|ChatGPTの注意点と企業データベースの使い分けで詳しく説明しています。
7 リスジェネで新設法人を絞り込む
営業屋のAI営業リスト作成ツール「リスジェネ(ListGene)」は、AIが分析した100万社超の企業データベースから、業種・地域・規模などで絞り込んで営業リストを作るツールです。第1章の3つの方法でいえば③にあたり、検索と一覧の閲覧は無料、CSVでダウンロードするときだけ1件3円からの従量課金で、初期費用と月額費用はかかりません。新設法人を探すときは、次の条件が使えます。
- 1「新設法人のみ(設立5年以内)」に印を付ける
詳細条件の「AI営業分析」の欄にある項目です。設立から5年以内の会社に絞り込めます。 - 2「設立年」で期間を指定する
「企業情報」の欄で、設立年の始まりと終わりを選べます。「2020年以降」のような早く選べるボタンもあります。 - 3企業フェーズや業種・地域を組み合わせる
企業フェーズの「スタートアップ」「成長期」、都道府県・市区町村、大分類・詳細業種などを組み合わせます。AI検索に普段の言葉で条件を入れる方法もあり、AI検索は1日50回まで無料です。 - 4連絡手段を持つ会社に絞る
「保有データ」の欄の「ダウンロードデータに含まれる項目で絞り込む」で、電話番号・問合せフォーム・メールアドレス・法人番号などを持つ会社だけに絞り込めます。 - 5一覧を無料で確かめてから、必要な分だけダウンロードする
決済の最低額の関係で、ダウンロードは17件からです。トップページからサンプルCSVをダウンロードして、列の中身を先に確かめることもできます。
差分データとリスジェネの使い分け
リスジェネのトップページでは、提供するデータは各企業が自社のWebサイト上で公開している法人情報(会社名、住所、電話番号、事業内容等)を収集・整理したものと説明しています。このため、ホームページをまだ公開していない設立直後の会社は、リスジェネでは見つからないことがあります。設立してすぐの会社は法人番号公表サイトの差分データで拾い、ホームページが公開されて連絡先の分かる会社はリスジェネで絞り込む、という分担にすると、両方の弱いところを補い合えます。リスジェネのデータにも法人番号を持つ会社があるので、法人番号で突き合わせれば、差分データで先に見つけていた会社に連絡先を足すこともできます。
リスジェネのデータについて
企業フェーズや推奨アプローチチャネルのようにAIが判定した項目は推測を含むため、連絡の前にはホームページなどで事業内容と連絡先を確かめ、「営業お断り」の表示がある会社は対象から外すことをおすすめします。掲載情報の削除を希望する企業のための削除依頼の窓口も設けています。
8 新しくできた会社に声をかけるときの注意
新設法人は、まだ取引先が決まっていないことがある一方で、設立したばかりの時期ならではの事情もあります。リストができたら、次の点を意識して声をかけましょう。
設立直後は忙しい時期だと考えておく
設立の直後は、税務署などへの届出や口座の準備、事務所や人の手配などが重なり、経営者が手を離せない時期になりがちです。初めての連絡では長い説明は避け、何の会社が、どんな場面で役に立てるのかを短く伝え、相手が必要になったときに思い出してもらえる程度にとどめるのが無難です。
押し売りにしない
新しい会社の経営者には、同じ時期に多くの営業の連絡が届くことがあります。何度も電話をかける、返事を急かす、契約を前提に話を進めるといったやり方は、相手の負担になるだけでなく、自社の印象も悪くします。断られた会社や「営業お断り」の表示がある会社はリストに記録し、次から連絡しないようにします。設立したばかりの会社では予算が限られていることもあるので、無料で試せる範囲や、小さく始められる使い方を伝えるほうが、話を聞いてもらいやすくなります。
個人事業主とは見つけ方が違う
国税庁の「法人番号について」(令和8年6月)では、個人事業者や民法上の組合、有限責任事業組合などは法人番号の指定対象外とされています。つまり、個人で開業した人は、この記事の方法では見つかりません。また、一人で設立した会社では、本店所在地が代表者の自宅を兼ねていることもあります。訪問や郵送をするときは、相手の生活の場である可能性も考えて、連絡の手段と時間帯に配慮しましょう。
メールや個人情報のきまりを確かめる
広告宣伝のメールを送るなら特定電子メール法の同意や表示のきまりを、代表者名などの個人情報を扱うなら個人情報保護法に沿った扱いを、ホームページなどから情報を集めるならそれぞれのサイトの利用規約を確かめてください。問い合わせフォームに「営業目的の連絡はご遠慮ください」といった表示があれば、それを尊重します。なお、この記事は法律相談ではありません。判断に迷うときは専門家に相談してください。
新設法人に向いている商材の例
設立したばかりの会社では、事業を始めるために整える物事が多くあります。次の表は、そうした準備と関係しやすい商材の例です。実際に必要なものは会社ごとに違うので、あくまで声をかける理由を考えるための想定の例として見てください。
| 商材の例(想定) | 設立直後と関係しやすい理由 |
|---|---|
| 会計・税務の支援、会計ソフト | 記帳や決算、税務署への届出の準備が始まる |
| 社会保険・労務の手続きの支援 | 人を雇うときに手続きが必要になる |
| ホームページ制作・独自ドメイン・メール | 取引先に会社の情報や連絡先を示す場所が要る |
| 名刺・封筒などの印刷 | 取引を始めるときにそろえることが多い |
| 事務所・レンタルスペース・通信回線 | 働く場所と連絡手段を整える時期にあたる |
| 法人向けの保険 | 事業を始めるにあたって備えを考える |
| 採用の支援・業務用のソフト | 人や仕事が増えるにつれて、仕組みづくりが必要になる |
声のかけ方の例や、伸びている会社を見分ける手がかり(成長シグナル)の読み方は、スタートアップ・新設法人への営業戦略:成長企業を見つけて先行アプローチする方法で詳しく扱っています。この記事でリストを作り、声のかけ方はそちらを参考にする、という使い方をしてください。
9 新設法人リストづくりのチェックリスト
最後に、新設法人リストを決まった間隔で作り続けるための手順と、確かめておきたい点をまとめます。
| いつ | 作業 | ポイント |
|---|---|---|
| 始めるとき(1回だけ) | 営業エリアの都道府県の全件データを取り寄せ、指定年月日で期間を絞って土台を作る | 閉鎖された法人と検索対象除外の法人を外す |
| 週に1回など | 前回の翌日以降の差分データを取り寄せ、処理区分「01」・訂正区分「0」・法人種別・所在地で絞って貼り足す | 40日を過ぎると取り寄せられないので、間隔を空けすぎない |
| 貼り足したあと | 法人番号で重複を消し、ホームページ・電話番号などを補う | 同名の別会社と取り違えないよう、所在地でも確かめる |
| 連絡する前 | 事業内容と「営業お断り」の表示を確かめる | 確かめた日を記録する |
| 連絡したあと | 連絡した日・結果・次の予定を記録する | 断られた会社には連絡しない |
| ときどき | 差分データの処理区分「11」「12」「21」で、リストの会社の社名変更・移転・閉鎖を確かめる | 古い情報のまま連絡しないようにする |
- 差分データは「CSV形式・Shift-JIS」か「CSV形式・Unicode」を選び、前回の翌日以降の分を取り寄せたか
- ダブルクリックで開かず、文字コードと列の型(テキスト)を指定して読み込んだか
- 2列目に13桁の法人番号、3列目に2桁のコードが入っていることを確かめてから見出しを付けたか
- 処理区分を「01」、訂正区分を「0」に絞ったか
- 法人種別のコードで、営業したい種類の法人に絞ったか
- 所在地で営業エリアに絞り、法人番号で重複を消したか
- 社外に渡すリストには、出典と加工した旨を書き添えたか
- 代表者名などの個人情報は、必要な範囲だけにしたか
- 「営業お断り」の表示と、断られた記録を確かめたか
- 初めての連絡は短くし、押し売りにならない頻度にしたか
営業リスト全体の項目の決め方や管理のしかたは【2026年最新】営業リストの作り方完全ガイド|成果を出す15のチェックリストも参考にしてください。
10 よくある質問
Q.新設法人リストは無料で作れますか?
A.作れます。国税庁の法人番号公表サイトの差分データは、ダウンロードのページから会員登録などをせずに取得でき、処理区分が「01」の行を抜き出すと、新たに法人番号が指定された法人等の一覧になります。ただし、公表されるのは名称・所在地・法人番号などで、電話番号や業種は含まれないため、連絡先は各社のホームページなどで確かめる手間がかかります。
Q.差分データは何日前までさかのぼれますか?
A.法人番号公表サイトの説明では、差分データは過去40日分が提供されています。日次で作成され、16時ごろに提供されますが、休日・祝日と12月29日から1月3日は作成されません。40日より前の分は、前月末時点の全件データを取り寄せ、法人番号指定年月日の列で絞り込む方法があります。
Q.処理区分が「01」の行はすべて新しく設立された会社ですか?
A.そうとは限りません。「01」は新たに法人番号が指定されたことを表すコードで、株式会社や合同会社などの設立登記法人のほか、登記の無い法人や人格のない社団等が含まれることもあります。会社だけに絞るなら法人種別の列(301が株式会社、305が合同会社など)を使い、訂正区分が「1」の行は訂正データなので外します。
Q.法人番号のWeb-APIを使うには申し込みが必要ですか?
A.必要です。国税庁の案内では、Web-APIの利用にはアプリケーションIDが必要で、発行に費用はかかりませんが、手続は国税庁適格請求書発行事業者公表サイトから行い、発行には2週間から1か月程度かかるとされています。まずは手作業のダウンロードで始め、毎日自動で取り込みたくなったらWeb-APIを検討する順番が無理のない進め方です。
Q.リスジェネで新設法人だけを探せますか?
A.探せます。詳細条件に「新設法人のみ(設立5年以内)」の項目と「設立年」の範囲指定があり、企業フェーズの「スタートアップ」でも絞り込めます。検索と一覧の閲覧は無料で、ダウンロードは1件3円から(17件から)、初期費用と月額費用はかかりません。ホームページをまだ公開していない設立直後の会社は見つからないことがあるため、法人番号公表サイトの差分データと組み合わせて使うのがおすすめです。
この記事のポイント
- 新設法人リストの土台は、法人番号公表サイトの差分データ(日次・過去40日分)から無料で作れる
- 新規の行は処理区分「01」で見分け、訂正区分「0」と法人種別のコードで絞り込む
- CSVには見出しが無いので、文字コードと列の型を指定して読み込み、仕様書を見て見出しを付ける
- 40日より前の分は、全件データの法人番号指定年月日で絞り込む
- 電話番号や業種はホームページ・登記・企業データベースで補い、設立直後の忙しさに配慮して押し売りにならない声のかけ方をする
設立5年以内の会社を、無料で検索してみる
「新設法人のみ(設立5年以内)」や設立年、地域・業種で絞り込み、電話番号や問合せフォームを持つ会社だけを一覧で確かめられます。必要な分だけダウンロードできます。
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