新規開拓の営業メールの書き方
初回の例文と返信をもらう構成
この記事の3つの要点
- 1
新規開拓の営業メールは、件名・宛名・名乗り・連絡した理由・相手に合わせた一文・提案の要点・次の一歩・署名の8つの部品で組み立てると、相手が数行で用件をつかめる形になります。初回の目的は売り込みを1通で終えることではなく、打ち合わせや資料の送付といった次の一歩を1つだけお願いすることです。
- 2
例文はそのまま使わず、相手のホームページで確かめた事実をもとに「連絡した理由」と「相手に合わせた一文」を1社ずつ書き換えると、一斉送信の文面との違いが伝わります。返事が無いときの2通目は短くまとめ、何通目までにするかの上限を社内で決めておきましょう。
- 3
自社の商品やサービスを案内するメールは、特定電子メール法の広告宣伝メールとして扱われる可能性があります。総務省の資料は、原則として同意した相手にのみ送れること、名刺交換やアドレスの公表などの例外、送信者の名称や受信拒否の連絡先の表示を説明しています。送る前に相手と経緯を確かめ、迷うときは専門家に相談しましょう。
まだ取引のない会社に初めて営業のメールを送ろうとすると、件名はどう付けるのか、最初に何を名乗ればよいのか、どこまで説明してよいのかと、書き出す前から手が止まってしまうことがあります。新規開拓の営業メールは、受け取る相手にとっては頼んでいない連絡なので、読み始めてすぐに「誰が・なぜ自分に・何をお願いしたいのか」が分かる形にすることが何より大切です。この記事では、BtoBで初めて連絡する会社に送る営業メールについて、件名から署名までの8つの部品と並べ方、打ち合わせの依頼・資料の案内・紹介を受けての連絡・展示会のあとという目的別の例文、業種に合わせた書き換え方、短く相手に合わせて整えるコツ、送ってよい相手かを確かめる考え方、返事が無いときの2通目、やってはいけないことと送る前のチェックリストまでを順に整理します。
新規開拓の営業メールとは|初回の1通で目指すこと
新規開拓の営業メールとは、まだ取引のない会社の担当者に、自社の商品やサービスを知ってもらい、打ち合わせや資料の送付といった次の段階へ進むきっかけを作るために送るメールのことです。いつもやり取りしているお客様に送るメールとは違い、相手はこちらの会社名も担当者の名前も知らないことがほとんどなので、受け取った側はまず件名と冒頭の数行を見て、自分が読むべきメールかどうかを判断します。
そのため、初回の1通で商品のすべてを説明しようとするよりも、なぜその会社に連絡したのかと、何をお願いしたいのかを短く伝え、相手が返事をしやすい形に整えるほうが、結果として話が前に進みやすくなります。売り込みを1通で終わらせる文書ではなく、次の一歩を1つだけお願いする手紙だと考えると、書く内容を絞りやすくなるはずです。
| 初回のメールで | 伝えること | あとに回してよいこと |
|---|---|---|
| 誰から | 会社名・部署・名前と、何をしている会社か | 会社の沿革や受賞歴などの長い紹介 |
| なぜ | その会社に連絡した理由と、相手に合わせた一文 | 業界全体の動向の長い説明 |
| 何を | 相手の仕事にとってどう役立ちうるかの要点 | すべての機能の一覧、細かな料金表、他社との比べ |
| 次に | お願いしたい行動を1つと、連絡を止める方法 | いくつもの選択肢を並べたお願い |
問い合わせフォームから送る場合との違い
同じ初めての連絡でも、相手のホームページにある問い合わせフォームから送る場合は、相手が外からの連絡を受け付けるために開いている窓口に届きます。メールで送る場合は相手のメールアドレスに直接届くため、そのアドレスに営業のメールを送ってよいかを先に確かめる必要があり、特定電子メール法の考え方も関わってきます(後の章で説明します)。文面の組み立て方は共通するところが多く、フォームに入力する文面の型と例文は「問い合わせフォームの書き方と例文10選|営業で返信が来るテンプレ」にまとめていますので、この記事ではメールで送る場合に絞って説明します。
初回の営業メールの構成|件名から署名までの8つの部品
初めての相手に送る営業メールは、次の8つの部品をこの順に並べると、相手が上から読むだけで用件をつかめる形になります。部品ごとに役割がはっきりしているので、書いている途中で迷ったときは、いま書いている文がどの部品の役割を果たしているのかを確かめると、要らない文を削りやすくなります。
| 部品 | 書くこと | 気をつけること |
|---|---|---|
| 1. 件名 | 誰から何の用件かが分かる短い一文 | 「ご挨拶」だけの件名や、「Re:」「至急」などの紛らわしい言葉は使わない |
| 2. 宛名 | 会社名・部署名・氏名(分からなければ「ご担当者様」) | 社名の「株式会社」の位置や漢字を公式サイトで確かめる |
| 3. 名乗り | 自社名・部署・名前と、何をしている会社か | 初めての連絡であることを一言添える |
| 4. 連絡した理由 | なぜこの会社に送ったのか | 「多くの企業様に」ではなく、相手を選んだ理由を書く |
| 5. 相手に合わせた一文 | 相手のホームページなどで確かめた事実と、それに結びつく関心 | 褒めるだけの文や、相手の事情を決めつける文にしない |
| 6. 提案の要点 | 相手の仕事にとってどう役立ちうるか | 機能を並べず、使う場面が浮かぶように書く。確かめていない数字は書かない |
| 7. 次の一歩 | お願いしたい行動を1つ | 打ち合わせなら、時間の長さと方法、候補の日時を添える |
| 8. 署名 | 会社名・名前・住所・電話番号・メールアドレスと、連絡を止める方法 | 受信を断る方法を、相手がすぐ見つけられる場所に書く |
件名は、誰から何の用件かを短く
件名は、受け取った人がメールを開くかどうかを決める最初の手がかりです。初回の営業メールでは、「【ご相談】〇〇業務の効率化について(株式会社□□)」のように、用件と送り主が一目で分かる形にしておくと、受信箱の中でほかのメールと見分けてもらいやすくなります。反対に、「ご挨拶」「ご案内」だけの件名や、返信のように見せる「Re:」、急ぎを装う「至急」などは、開いたあとに相手の信頼を損ねてしまうので避けましょう。件名の型やダメな件名の例は、「【BtoB】営業メールの件名の書き方|ダメな件名の特徴とテンプレート例文」で詳しく紹介しています。
宛名と名乗りで、最初の数行に「誰から」をはっきりさせる
宛名は「〇〇株式会社 △△部 □□様」の形が基本で、担当者の名前が分からない場合は「ご担当者様」とします。社名は「株式会社」が前に付くのか後ろに付くのか、旧字体を使っているかなどを、公式サイトの会社概要で確かめてから書きましょう。宛名のすぐあとには、「突然のご連絡失礼いたします。株式会社〇〇で、工場の設備点検の記録をまとめるサービスを提供しております□□と申します。」のように、自社名と名前だけでなく何をしている会社なのかを一言で添えると、相手が続きを読むかどうかを判断しやすくなります。
連絡した理由と相手に合わせた一文は、一斉送信との違いが出るところ
新規開拓の営業メールで、返事を左右しやすいのが、なぜその会社に連絡したのかを書く部分です。「多くの企業様にご案内しております」と書いてしまうと、受け取った側は自分に向けた連絡だと感じにくくなります。相手のホームページのお知らせ、事業内容、採用情報などで確かめた事実を1つ取り上げ、「貴社のホームページで、今年から〇〇の事業を始められたと拝見し、ご連絡いたしました」のように、事実と連絡した理由を結びつけて書きましょう。
ここで気をつけたいのは、相手の会社を褒めるだけの文や、外から見ただけで「〇〇でお困りではないでしょうか」と決めつける文です。相手の社内の事情は外からは分からないので、「もし〇〇のような場面があれば」と仮定の形にしておくと、押しつけがましさが和らぎます。相手のことを調べたうえで、それでも分からないことは分からないものとして書く姿勢が、初めての相手との信頼につながります。
提案の要点は使う場面で書き、次の一歩は1つに絞る
提案の要点は、自社の商品の機能を並べるよりも、相手の仕事がどう変わりうるかを1〜2文で書くほうが伝わります。「紙で付けている点検の記録を、現場でタブレットに入力して担当者どうしで見られるようにするサービスです」のように、使う場面が浮かぶ書き方を心がけましょう。効果を数字で示したい場合は、出典や前提を説明できるものに限り、確かめていない数字や大げさな言い回しは書かないことが大切です。
続く次の一歩には、相手にお願いしたい行動を1つだけ書きます。打ち合わせをお願いするなら、オンラインか訪問か、どのくらいの時間か、候補の日時をいくつか添えておくと、相手が返事を書く手間が減ります。資料を送りたい場合は、「ご希望でしたら、ご返信いただければ資料をお送りします」のように、相手が一言で返せる形にしておきましょう。
署名には送り主と連絡の止め方を書く
署名には、会社名、部署、名前、住所、電話番号、メールアドレス、会社のホームページのURLを書きます。初めての相手にとって、署名は送り主が実在する会社かどうかを確かめる手がかりにもなります。あわせて、「今後このようなご案内が不要な場合は、本メールにその旨をご返信ください。以後お送りいたしません。」のように、連絡を止める方法を相手がすぐに見つけられる場所に書いておきましょう。後の章で説明するとおり、送信者の名称や受信拒否の連絡先の表示は、特定電子メール法の考え方とも関わります。
目的別・業種別の初回の例文|打ち合わせの依頼・資料の案内・紹介・展示会のあと
ここからは、目的ごとの初回の例文を4つ紹介します。いずれも想定ケースとして作った文面で、〇〇・△△・□□の部分は相手と自社に合わせて書き換えてください。とくに「連絡した理由」と「相手に合わせた一文」は、相手のホームページで確かめた事実に置き換えることを前提にしています。署名は例文1の形を、ほかの例文でも同じように付けてください。
例文1 打ち合わせ(アポイント)をお願いする
想定ケースは、多店舗の飲食店や小売店向けにシフト作成と勤怠管理のクラウドサービスを提供している会社が、新しい店舗を続けて開いている会社に、オンラインでの打ち合わせをお願いする場面です。
この例文では、連絡した理由に相手のお知らせで確かめた事実を使い、相手の事情は「もし〜があれば」と仮定の形で書いています。打ち合わせの時間と方法、候補の日時を先に示しているので、相手は都合のよい日時を選んで返すだけで済みます。
例文2 資料を案内する
想定ケースは、工場の設備点検の記録をタブレットで入力・共有できるサービスを提供している会社が、設備保全の担当者を募集している製造業の会社に、資料を案内する場面です。打ち合わせよりも軽いお願いにしたいときに向いています。
初回のメールにはファイルを添付せず、希望を聞いてから送る形にしています。知らない相手からの添付ファイルは開くのをためらわれやすいうえ、受け取る側の設定によっては届かないこともあるためです。返事の仕方を「資料希望とだけご返信ください」と具体的に示しておくと、相手が返信を書く手間も小さくなります。
例文3 紹介を受けて連絡する
想定ケースは、取引先の担当者から、別の会社の方を紹介してもらって初めて連絡する場面です。紹介を受けた連絡は、相手にとって送り主の素性が分かりやすく、返事をもらいやすい形の一つです。
紹介を受けて連絡するときは、紹介してくれた人に、相手に連絡してよいか、メールアドレスを使ってよいかを確かめてもらってから送るのが礼儀です。紹介者の名前は、相手が「誰からの話か」を判断する手がかりなので、件名と冒頭の両方に入れます。紹介者を写しに入れるかどうかは、紹介者と相談して決めましょう。断りやすい一文を添えておくと、相手も紹介者も気を遣わずに済みます。
例文4 展示会で名刺を交換したあとに送る
想定ケースは、展示会の自社のブースで名刺を交換した相手に、会場で話した内容を受けて連絡する場面です。相手の記憶が新しいうちに送ると、どの会社の誰かを思い出してもらいやすくなります。
展示会のあとのメールは、会場で聞いた話を一つ具体的に書くことで、ほかの出展者からのお礼のメールと見分けてもらいやすくなります。なお、名刺などの書面でメールアドレスを知らせてくれた相手への送信は、後の章で紹介する特定電子メール法の例外として総務省の資料に挙げられていますが、内容によってはほかの決まりが関わることもあるので、あわせて確かめておきましょう。
業種に合わせて「連絡した理由」の一文を書き換える
同じ商品を案内する場合でも、相手の業種によって、ホームページで見ておくところと、連絡した理由の書き出しは変わります。下の表は、書き換えるときの手がかりの例です。業種ごとに決まった書き方があるわけではないので、相手のホームページで実際に確かめた事実に合わせて使ってください。
| 相手の業種 | ホームページで見ておくところ | 連絡した理由の書き出しの例 |
|---|---|---|
| 製造業 | 主な製品や加工の内容、設備の紹介、採用情報 | 「貴社のホームページで、〇〇の加工を主に手がけていらっしゃると拝見し」 |
| IT・ソフトウェア | 提供しているサービス、対象としている業界、お知らせ | 「〇〇業界向けのサービスを新たに始められたと拝見し」 |
| 建設・不動産 | 施工や取り扱いの事例、対応している地域、お知らせ | 「〇〇エリアでの施工事例を多く掲載されているのを拝見し」 |
| 医療・介護 | 施設や事業所の案内、お知らせ、法人向けの窓口があるか | 「新しい事業所を開かれたとのお知らせを拝見し」 |
| 卸売・小売 | 取り扱っている商品、店舗や拠点の一覧、通信販売の有無 | 「〇〇の取り扱いを始められたと拝見し」 |
| 士業・コンサルティング | 専門としている分野、セミナーの案内、所属している方の紹介 | 「〇〇に関するセミナーを開かれていると拝見し」 |
書き換えるときは、相手の業界でふだん使われている言葉に合わせ、相手の仕事の場面に引き寄せて書くと、自分に向けた連絡だと受け取ってもらいやすくなります。反対に、自社の業界の言葉や略語をそのまま使うと、相手には伝わりにくくなります。医療や介護のように、窓口が患者さんや利用者さんの相談のためにある業種では、法人向けの窓口があるかどうかを先に確かめ、相談の窓口には営業の連絡を送らないようにしましょう。
短く、相手の会社に合わせて書く|読まれる文面に整える5つのコツ
例文をもとに書いたら、送る前に文面を整えます。初めての相手は、こちらのメールを読むために時間を取ってくれるわけではないので、短い時間で用件が伝わることを優先しましょう。ここでは、整えるときに見直したい5つの点をまとめます。
1通に入れる用件は1つにする
打ち合わせのお願いと資料の案内とセミナーの告知を1通にまとめると、相手は何に返事をすればよいのか分からなくなります。初回は用件を1つに絞り、ほかの話は返事をもらったあとに回しましょう。どうしても選択肢を示したい場合は、「打ち合わせが難しければ、資料だけでもお送りします」のように、主なお願いを1つ決めたうえで、より軽い選択肢を1つ添える程度にとどめると、読みやすさを保てます。
1文を短くし、段落ごとに役割を分ける
「〜ですが、〜なので、〜しており」と続く長い1文は、読み手が途中で主語を見失いやすくなります。1文には1つの内容を入れ、段落は名乗り・連絡した理由・提案の要点・次の一歩のように役割ごとに分けて、間に空行を入れると、スマートフォンの画面でも読みやすくなります。最近は、外出先や移動中にスマートフォンでメールを確かめる人も多いので、送る前に自分のスマートフォンに送って、どう見えるかを確かめておくと安心です。
相手が知らなくても困らない文を削る
書き上げた文面を読み返して、相手が知らなくても判断に困らない文は削ります。会社の沿革、すべての機能の一覧、ほかの会社での細かな使われ方などは、返事をもらってから伝えれば十分です。下は、長くなりがちな段落を短く書き直した例です。
書き直す前
当社は創業以来、多くのお客様に支えられながら、業務の効率化に役立つさまざまなサービスを開発してまいりました。現在は勤怠管理、シフト作成、給与計算との連携、スタッフとの連絡など、多くの機能を備えたサービスとして、幅広い業種のお客様にご利用いただいております。
書き直した後
当社のサービスは、スタッフがスマートフォンから出した勤務の希望をもとに、店長が画面上でシフトを組めるようにするものです。
書き直す前の段落は、どれも嘘ではありませんが、相手にとっては「自分の仕事にどう関係するのか」が見えません。書き直した後の文は、相手が使う場面を1つに絞って書いているので、短くても用件が伝わります。機能の一覧は、打ち合わせや資料で伝えれば十分です。
相手の会社を調べる範囲を決めておく
相手に合わせた一文を書くための下調べは、時間をかけ始めると切りがありません。公式サイトのトップページ、事業内容、お知らせ、採用情報のうち、提案に関わりそうなところを見て、使える事実が1つ見つかれば十分です。1社あたりに見るページと時間の目安を自分で決めておくと、件数をこなしながらも、1社ずつの書き分けを続けやすくなります。調べた事実は、送った記録と一緒に残しておくと、返事をもらったあとの打ち合わせの準備にも使えます。
敬語は丁寧に、でも重ねすぎない
「させていただきます」や「ご確認いただけますと幸いでございます」を重ねると、文が長くなり、かえって用件が見えにくくなります。初めての相手への礼儀は保ちながら、「ご連絡いたしました」「お送りします」「ご返信いただけますと幸いです」のような、すっきりした敬語を基本にすると読みやすくなります。へりくだりすぎた表現より、用件をはっきり書くことのほうが、忙しい相手への気遣いになる場面も多いものです。
送ってよい相手かを確かめる|特定電子メール法の同意と例外
文面を書く前に、そもそもその相手にメールで営業の連絡を送ってよいかを確かめておく必要があります。自社の商品やサービスを案内するメールは、内容によっては特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)でいう広告宣伝メールとして扱われる可能性があるためです。ここでは、総務省の資料をもとに一般的な考え方を整理します。
総務省「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」は、広告宣伝メールについて、原則としてあらかじめ同意した者に対してのみ送信が認められる「オプトイン方式」が導入されていると説明しています。あわせて、非営利団体や営業を営まない個人が送る電子メールは対象外であること、他人の営業のために送るメールも対象になることも示しています。そのうえで、同意がなくても送れる場合として、次のような例外を挙げています。
| 総務省の資料が挙げる例外(同意なしに送れる場合) | 新規開拓で考えられる場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 名刺などの書面により自分のメールアドレスを通知した者に送る場合 | 展示会や商談会で名刺を交換した相手 | 通信販売などの電子メール広告にあたる場合は特定商取引法が適用され、請求・承諾なしに送れないとされている |
| 取引関係にある者に送る場合 | すでに取引のある会社(まったくの新規開拓では当てはまらないことが多い) | 上と同じく、通信販売などの電子メール広告にあたる場合は特定商取引法が関わる |
| 自分のメールアドレスをインターネットで公表している者に送る場合(個人の場合は、営業を営む個人に限る) | 会社のホームページに問い合わせ用のメールアドレスを載せている会社 | アドレスの公表と併せて、広告宣伝メールを送らないよう求める旨が公表されている場合は、同意なく送れないとされている |
ホームページに載っているアドレスへ送るとき
新規開拓の営業メールで迷いやすいのは、会社のホームページに載っているアドレスへの送信です。上の表のとおり、アドレスをインターネットで公表している者への送信は例外として挙げられていますが、アドレスの近くやサイトのポリシーに「広告や宣伝のメールはお断りします」といった趣旨が書かれていれば、その例外にはあたらないとされています。採用の応募先やお客様相談の窓口のように、目的を限って載せているアドレスに営業のメールを送ることも、相手の業務を妨げることになるので避けましょう。どのページで、いつアドレスを確かめたのかを記録しておくと、あとで経緯を説明しやすくなります。
送るときに表示しておくことと、断られたときの扱い
同じ資料は、広告宣伝メールを送るときの表示として、送信者などの氏名または名称、受信拒否の通知ができる旨、受信拒否の通知を受けるためのメールアドレスまたはURLを挙げ、送信者などの住所や、苦情や問い合わせを受け付ける電話番号・メールアドレス・URLの表示(リンク先での表示も可能)についても説明しています。また、同意を得て送っている場合でも、受信拒否の通知を受けたら以後の送信は禁止されること、同意をとっている旨の記録を保存する必要があることも示されています。この記事の例文で、署名に住所や連絡先と連絡を止める方法を入れているのは、こうした考え方に沿うためです。
法律の線引きとあわせて、相手の意思を尊重する
送ってよいかどうかは、法律に照らした判断だけでなく、相手が示している意思も大切です。ホームページに営業お断りの表示がある会社や、以前に断られた会社には送らないという線を、社内で決めておきましょう。担当者個人の氏名やメールアドレスを社内のリストに残す場合は、個人情報保護法に沿った扱いが必要になることにも気を配り、連絡先を集めるときに使うサイトの利用規約も確かめておきます。
営業屋が公開している「フォーム営業マナー基準v1を公開|迷惑にしない10のチェックリスト」では、フォーム営業への返信などで知ったアドレスに広告宣伝のメールを送ることも、特定電子メール法のオプトイン規制の対象になりうるとして注意を促しています。問い合わせフォームを使った営業の法律面の論点は「フォーム営業は違法?利用規約・特商法・個人情報保護法の正しい理解」で、メールでの営業に使うリストの選び方と配信の考え方は「メールDM営業の成功法則:開封率・返信率を最大化するリスト選定と配信テクニック」でも整理しています。
ご注意:本記事は、総務省の公表資料をもとにした一般的な情報の整理であり、法律相談ではありません。個別のケースで送ってよいかどうかの判断に迷うときは、弁護士などの専門家にご相談ください。
返事が無いときの2通目|送る間隔の考え方と例文
初回のメールに返事が無くても、相手が内容を読んで断ったとは限りません。忙しくて後回しになっている、ほかのメールに埋もれてしまった、担当が違うので回すかどうか迷っている、といったこともあるので、一度だけ短い2通目を送るのは、丁寧な進め方の一つです。
ただし、相手から受信を断る連絡があった場合は、その時点で送るのをやめます。2通目を送るまでの間隔に決まりはありませんが、相手が読んで社内で相談できるくらいの日数はあけ、短い間隔で何通も重ねないことが大切です。何通目までにするかの上限も、あらかじめ社内で決めておきましょう。
2通目の例文
例文1の打ち合わせのお願いに返事が無かった場合を想定した、2通目の例です。
2通目で気をつけること
- 1通目を全文引用して送り直すのではなく、何の件だったかを1行で振り返る
- 資料だけ送るなど、1通目より軽い次の一歩か、新しい情報を1つだけ加える
- 「ご確認いただけましたでしょうか」と返事を促すだけの文面にしない
- 担当が違う可能性に触れ、正しい窓口を教えてもらえるようにする
- 連絡を止める方法を、1通目と同じように分かる場所に書く
- 決めた上限まで送っても返事が無ければ、その会社への連絡はいったん止めて、記録に残す
返事が無い状態が続くと、文面をより強い言葉に変えたくなりますが、初めての相手に対しては、押す力を強めるよりも、断りやすさと返事のしやすさを保つほうが、会社としての印象を守れます。いったん連絡を止めた会社も、相手のホームページで新しい動きを見つけたときなど、連絡する理由があらためてできたときに、社内の決まりに沿って考え直せば十分です。
やってはいけないことと、送る前のチェックリスト
新規開拓の営業メールは、1通の印象で会社の評判が左右されることもあります。次のような書き方や送り方は、返事が遠のくだけでなく、相手に迷惑をかけたり、会社の信用を損ねたりするので避けましょう。
やってはいけない8つのこと
| やってはいけないこと | なぜ避けるか | 代わりにどうするか |
|---|---|---|
| 宛先や写しに複数の会社のアドレスを並べて送る | ほかの送り先のアドレスが見えてしまい、情報の漏えいになる | 1社ずつ個別に送る |
| 社名や名前を間違える | 確かめずに送ったことが伝わり、読んでもらえなくなる | 公式サイトの会社概要で表記を確かめる |
| 「Re:」や「至急」で返信や急ぎを装う | 開いたあとに不信感を持たれる | 用件と送り主が分かる件名にする |
| 初回からファイルを添付する | 知らない相手からの添付ファイルは開くのをためらわれやすく、受け取る側の設定で届かないこともある | 資料は希望を聞いてから送る |
| 確かめていない数字や大げさな表現を使う | 根拠を聞かれたときに答えられず、信用を失う | 出典や前提を示せる事実だけを書く |
| 送り主や連絡を止める方法を書かない | 相手が断る手段を持てず、特定電子メール法の表示の考え方にも沿わない | 署名に会社名・住所・連絡先と、連絡を止める方法を書く |
| 断られた相手や、営業お断りの表示がある会社に送る | 相手の意思に反し、苦情につながる | 断られた記録を残し、次から外す |
| 同じ会社の何人もの担当者に同じ文面を送る | 社内で話題になり、一斉送信の連絡だと受け取られる | 1社につき送る相手を1人に決める |
送る前のチェックリスト(12項目)
新規開拓の営業メールを送る前の確かめ
- 01その相手にメールで営業の連絡を送ってよいか(同意の有無、名刺交換などの経緯、公表されたアドレスか、広告宣伝メールを断る表示がないか)を確かめた
- 02営業お断りの表示がある会社、過去に断られた会社、いまのお客様や商談中の会社が含まれていない
- 03件名だけで、送り主と用件が分かる
- 04宛名の社名・部署・氏名を公式サイトで確かめた
- 05名乗りで、自社名・名前・何をしている会社かを書いた
- 06連絡した理由に、相手のホームページなどで確かめた事実を書いた
- 07相手の事情を決めつける文や、褒めるだけの文になっていない
- 08確かめていない数字や大げさな表現を使っていない
- 09お願いしたい次の一歩が1つに絞られている
- 10署名に会社名・住所・電話番号・メールアドレスと、連絡を止める方法を書いた
- 11宛先は1社だけで、ほかの会社のアドレスが見えない
- 12送った日と内容、返事の有無、断られた記録を残す準備ができている
送った記録は、2通目を送るかどうかや、断られた会社を外すかどうかを判断する土台になります。フォーム営業向けの記事ですが、「フォーム営業リストの作り方|問い合わせフォームURL付き企業リストの手順」で紹介している「送った日」「結果」「断られた記録」などの列の持ち方や、既存のお客様・取引先をドメインで照合して外す方法は、メールで送る場合にもそのまま使えます。
1社ずつ書き分ける手間を減らすには|リスジェネとアポジェネPRO
ここまで見てきたように、返事をもらえる営業メールは、送り先を選び、相手のホームページを確かめ、連絡した理由を1社ずつ書き換えるところに手間がかかります。最後に、その手間を減らすために当社が提供している道具をご紹介します。
送り先の会社を探す段階では、リスジェネ(ListGene)が使えます。AIが分析した100万社超の企業データベースから、業種・地域・規模などで絞り込んだり、探したい会社の特徴を言葉で入力して検索したり、企業のURLや企業名から似た会社を探したりできます。メールアドレスや問合せフォームを保有している企業に絞り込むこともできます。企業情報の検索と閲覧は無料で、ダウンロードするときだけ1件3円がかかり、17件から購入できます。初期費用と月額費用はかかりません。ただし、公開されているアドレスであっても、送ってよいかどうかは前の章で説明した考え方に沿って確かめてください。
メールではなく、相手の問い合わせフォームから送る方法を選ぶ場合は、アポジェネPROがあります。AIが1社ずつホームページを読んで文面を書き分け、問い合わせフォームに送るクラウド型のツールで、フォームで届かなければメール窓口へ自動で切り替えます。紹介ページでは、「営業お断り」と書かれたフォームには送らず、一度断られた相手はNGリストで自動的に外すとしています。料金は月額3,000円(税込)と、フォーム送信成功1件につき3円(税込)で、送信に失敗した分とメールでの補完は0円です。フォーム送信成功50件までは無料で試せ、お試しにクレジットカードの登録は不要です。
メール窓口への切り替えを使う場合も、送信するのはご利用いただく会社自身であり、特定電子メール法や送り先の意思に沿っているかの確認は、利用者の側で行っていただく必要があります。この記事の構成やチェックリストは、道具を使うかどうかにかかわらず、文面を見直すときの物差しとしてお使いください。
まとめ:新規開拓の営業メールは、件名・宛名・名乗り・連絡した理由・相手に合わせた一文・提案の要点・次の一歩・署名の8つで組み立て、初回は次の一歩を1つだけお願いする形にすると、相手が返事をしやすくなります。例文は土台にとどめ、相手のホームページで確かめた事実をもとに1社ずつ書き換えましょう。送る前には、その相手にメールで送ってよいかを特定電子メール法の考え方に沿って確かめ、送り主と連絡を止める方法を示し、断られた相手には送らないことが、長く続けられる新規開拓の土台になります。
よくある質問(FAQ)
Q.新規開拓の営業メールは、どのくらいの長さがよいですか?
A.決まった長さはありませんが、初めての相手は時間を取って読んでくれるわけではないため、スマートフォンの画面で少しスクロールすれば読み終わる程度を目安に、用件を1つに絞るのがおすすめです。会社の沿革や機能の一覧は削り、名乗り・連絡した理由・提案の要点・次の一歩が数行で伝わるように整えましょう。詳しい説明は、返事をもらってから資料や打ち合わせで伝えれば十分です。
Q.まだ取引のない会社に、営業メールを送ってもよいのでしょうか?
A.自社の商品やサービスを案内するメールは、特定電子メール法の広告宣伝メールとして扱われる可能性があります。総務省の資料は、原則としてあらかじめ同意した相手にのみ送れるとしたうえで、名刺などの書面でアドレスを通知した相手や、アドレスをインターネットで公表している相手(広告宣伝メールを送らないよう求める旨が併せて公表されている場合を除く)などへの送信を例外として挙げています。送る場合は、送信者の名称や受信拒否の連絡先などの表示も必要です。本記事は法律相談ではないため、個別の判断は専門家にご相談ください。
Q.返事が無いとき、2通目はいつ、どのように送ればよいですか?
A.決まった間隔はありませんが、相手が読んで社内で相談できるくらいの日数をあけ、短い間隔で重ねないようにしましょう。2通目は1通目を送り直すのではなく、要点を1行で振り返り、資料だけを送るといったより軽い次の一歩や、担当が違う場合の確認を添えた短い文面にします。何通目までにするかの上限を社内で決め、受信を断る連絡を受けたら、その時点で送るのをやめます。
Q.営業メールの件名は、どう書けばよいですか?
A.初回は、用件と送り主が一目で分かる件名にするのが基本です。たとえば「【ご相談】〇〇業務の効率化について(株式会社□□)」のように、何の話か、どの会社からかを入れます。「ご挨拶」だけの件名や、返信を装う「Re:」、急ぎを装う「至急」などは避けましょう。件名の型やダメな件名の例は、営業屋のコラム「【BtoB】営業メールの件名の書き方」で詳しく紹介しています。
Q.メールと問い合わせフォームは、どちらで送るのがよいですか?
A.どちらにも向き不向きがあります。メールは、名刺交換などで相手のアドレスを知っている場合に送りやすい一方、送ってよい相手かを特定電子メール法の考え方に沿って確かめる必要があります。問い合わせフォームは、相手が外からの連絡を受け付けるために開いている窓口ですが、営業お断りの表示や窓口の種類を確かめる必要があります。どちらの場合も、文面の組み立て方は大きくは変わりません。
1社ずつ書き分けた文面を、問い合わせフォームに届ける
1社ずつ文面を書き分ける手間を減らしたいときは、相手の問い合わせフォームから送る方法もあります。アポジェネPROは、AIが1社ずつホームページを読んで文面を書き分け、問い合わせフォームに送るクラウド型のフォーム営業ツールです。フォームで届かなければメール窓口へ自動で切り替えます。
料金は月額¥3,000+フォーム送信成功1件¥3(いずれも税込)。送信に失敗した分とメールでの補完は¥0で、フォーム送信成功50件まで無料で試せます。契約期間の縛りはありません。
※ お試しにクレジットカードの登録は不要です。送信成功50件で自動的に止まり、勝手に課金されることはありません。送信先リストはListGene(100万社超の企業データベース)から作れます。