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営業屋Sales Innovation
Expert Insight PUBLISHED: 2026.10.20

展示会の名刺をリストにしてフォローする手順
お礼メールの例文と優先順位

この記事の3つの要点

  • 1

    展示会のフォローは、名刺を受け取ったその日から始まります。名刺の裏や付箋に優先度の印と会話の要点を残し、会期中は毎日の締めに担当者ごとの名刺を集めて数えておくと、相手の記憶が新しいうちにお礼と次の連絡を準備できます。

  • 2

    リストは1人1行にそろえ、受け取った日と展示会名、会社名、氏名、メールアドレス、優先度、会話のメモ、次の約束、担当者、お礼を送った日、配信停止の申し出といった列を先に決めておきます。優先度はA・B・Cの3段階にし、お礼メールの文面と送る時期、その後の連絡の計画を段階ごとに変えるのが基本です。

  • 3

    名刺の情報は個人情報で、表計算ソフトに入力して整理すれば、個人情報保護法の「個人情報データベース等」にあたる例とされています。名刺交換で知らせてもらったアドレスへの案内メールには特定電子メール法の考え方も関わるため、利用目的の範囲、送信者の表示、配信停止の受け付けを押さえて運用しましょう。

展示会場から集まった多くの白い名刺が光の線をたどって整然とした表の形に並び、そのうちいくつかが赤く光っているイメージ

展示会やセミナー、交流会が終わると、机の上には名刺の束が残ります。会場ではたしかに手ごたえがあったのに、名刺の入力に手間取っているうちに相手の記憶が薄れ、お礼のメールを送るころには「どちらのブースの方でしたか」と思われてしまった、という経験はないでしょうか。展示会で集めた名刺は、枚数よりも、一枚ごとに「次に何をするか」が決まっているかどうかで価値が変わります。この記事では、展示会の当日中にやっておきたいこと、名刺をリストにするときの列の決め方と入力の決まり、重複の消し方、A・B・Cの優先順位の付け方、優先度別のお礼メールの例文と送る時期の考え方、その後の連絡の計画、そして名刺の情報を扱うときの個人情報保護法と特定電子メール法の考え方までを、順に整理します。

当日中にやること|名刺に優先度の印と会話のメモを残す

展示会のフォローで差がつきやすいのは、会場にいる間の準備です。名刺そのものには会社名や氏名、連絡先しか書かれていないので、ブースで何を話したのか、相手がどのくらい関心を持っていたのかは、受け取った人の記憶の中にしかありません。会期が終わって数日たつと、何十枚もの名刺の中から「あの熱心だった方」を思い出すのは難しくなります。そこで、名刺を受け取ったら、その場か、遅くともその日のうちに、次のようなメモを残しておきます。

メモの項目書き方の例あとで何に使うか
優先度の印A・B・Cのどれか(迷ったらB)お礼メールの文面と送る順番
関心を持った製品・話題足を止めた展示、質問された内容お礼メールで触れる話題、送る資料
困りごと・きっかけ「入力が追いつかない」「来期に見直す」など相手の言葉提案の切り口
相手の立場決める立場か、情報を集める立場か次の連絡の相手と中身
検討の時期「今期中」「来年度」「未定」次に連絡する時期
次の約束資料を送る、打ち合わせの候補日を出す など担当者と期限の割り当て、お礼メールの中身

名刺の裏か付箋に、印と短い言葉で書く

書く場所は名刺の裏でも付箋でもかまいませんが、会場ではゆっくり書く時間がないので、印と短い言葉で済む書き方を決めておくと続けられます。たとえば右上にA・B・Cのどれかを書き、その下に関心を持った製品の略称と、相手が話した言葉を一言だけ書き写す、といった形です。担当者ごとにAの基準がばらばらにならないよう、後の章で説明するA・B・Cの考え方を、展示会の前にブースに立つ全員で共有しておきましょう。なお、相手の目の前で受け取った名刺に書き込むと失礼だと受け取られることもあるため、相手が離れてから書くか、付箋やメモ帳を使うほうが無難です。

会期中は毎日の締めに、名刺を集めて数える

会期中は一日の終わりに担当者ごとの名刺を集め、枚数とA・B・Cの内訳を数えておくと、なくしたときに気づけるうえ、その日のうちにAの相手への動きを決められます。名刺をスキャンしたり写真に撮ったりして、紙とは別に控えを残しておくのも一つの方法ですが、その画像も個人情報なので、私物のスマートフォンに置いたままにせず、社内で決めた保存場所に移すようにします。

次の約束をした名刺は、その日のうちに担当と期限を決める

会場で「資料をお送りします」「来週お電話します」と約束した相手は、もっとも急ぐ相手です。約束をした本人が会期中は手が離せないこともあるので、その日の締めで、誰がいつまでに何をするのかを決めておきましょう。約束したのに連絡が遅れることは、名刺交換だけの相手に連絡しないことよりも、相手の印象を大きく損ねます。

展示会のブースで、日本のビジネスパーソン2人が軽く頭を下げながら両手で名刺を交換している様子
名刺を受け取ったら、その日のうちに優先度と会話の要点を残す

名刺をリストにする手順|列の決め方・入力の決まり・重複の消し方

名刺をリストにするときは、入力を始める前に列と書き方を決めておくのが近道です。途中で列を足したり、担当者ごとに書き方が揺れたりすると、あとで並べ替えや絞り込みができなくなります。

列は「誰に・何を・次に何をするか」で決める

列書く内容何に使うか
受け取った日・展示会名名刺を受け取った日と、展示会やセミナーの名前どこで会ったかの説明、展示会ごとの振り返り
会社名正式な社名(「株式会社」の位置も含めて)宛名、重複の確かめ
部署・役職名刺のとおり宛名、相手の立場の判断
氏名名刺のとおり(読みが分かれば別の列に)宛名
メールアドレス名刺のとおり(半角・小文字にそろえる)お礼メールの宛先、人の重複を照合する鍵
電話番号名刺のとおり電話での連絡
会社のURL名刺の記載か、メールアドレスのドメインから調べたもの会社の重複の照合、会社の情報を補うときの手がかり
優先度A・B・C・対象外から選ぶお礼メールの文面と順番、その後の計画
会話のメモ名刺の裏や付箋のメモを書き写すお礼メールで触れる話題
次の約束約束した内容と期限担当と期限の管理
担当者名刺を受け取った人と、引き継いだ人連絡の窓口を一本にする
お礼を送った日実際に送った日送り漏れと二重送りの防止
次の連絡予定日次に連絡する日と、その手段その後の連絡の計画
反応返信の有無、打ち合わせの約束など優先度の見直し
配信停止の申し出申し出の日と内容以後の案内を止める

列が多く見えますが、会場で手書きするのは優先度と会話のメモだけで、ほかは名刺を書き写すか、送ったあとに書き足していく列です。業種や従業員の規模のような会社の情報は、名刺には書かれていないことが多いので、あとから補う列として右端に足しておくとよいでしょう。補い方は後の章で紹介します。

入力の決まりを先に決めておく

複数の人で手分けして入力する場合は、次のような決まりを最初にまとめて渡しておくと、あとで直す手間が減ります。

  • 社名は名刺のとおりに書き、「株式会社」と「(株)」のような略し方を混ぜない
  • 英数字は半角にし、メールアドレスはすべて半角の小文字にそろえる
  • 電話番号は区切りの記号の有無をそろえる
  • 日付は年・月・日の並びと区切り方を一つに決める
  • 優先度や反応のように選ぶ列は、表計算ソフトの入力規則で選択肢を決めておく
  • 会話のメモは相手の言葉をなるべくそのまま書き、自分の推測とは書き分ける

名刺を読み取る仕組み(スキャナーやスマートフォンのアプリ、名刺管理のサービスなど)を使う場合も、読み取った結果の確かめは人の目で行います。とくにメールアドレスは、小文字のエルと数字の1、大文字のオーと数字の0のような読み違いが一文字あるだけで届かなくなるので、お礼メールを送る前に名刺と見比べておくと安心です。

重複は消さずに、1行にまとめる

展示会のリストでは、同じ人の名刺を二人の担当者が受け取っていたり、前の展示会ですでに会っていた人だったり、同じ会社の何人かと名刺を交換していたりと、重なりがよく起こります。人の重なりはメールアドレスを、会社の重なりはメールアドレスのドメインか会社のURLを照合の鍵にすると見つけやすくなります。ただし、無料のメールサービスのアドレスはドメインで会社を見分けられないので、社名と見比べて判断します。

重なっていた行は、片方を消すのではなく1行にまとめ、「誰が・どの展示会で会ったか」は会話のメモの列に残しておきます。同じ人に二人の担当者から別々のお礼メールが届くと、相手を戸惑わせるうえ、社内で連携がとれていない印象を与えてしまうので、重複はお礼を送る前にまとめておくことが大切です。すでに顧客管理の仕組みや過去のリストがある場合は、新しい名刺と照合して、既存のお客様や商談中の相手、以前に配信停止を申し出た人を見分けておきます。照合の鍵の選び方や表計算ソフトでの手順は、「名寄せ・データクレンジングのやり方|営業リストの重複をなくす手順」で詳しく説明しています。

STEP 01

列と入力の決まりを決める

展示会の前に、列・選択肢・表記の決まりと優先度の基準を決め、ブースに立つ人と入力する人に共有します。

STEP 02

毎日の締めに名刺を集める

担当者ごとの名刺を集めて枚数と優先度の内訳を数え、次の約束をした相手の担当と期限を決めます。

STEP 03

Aの名刺から入力する

全員分がそろうのを待たずに優先度の高い名刺から入力し、読めないメモは記憶が新しいうちに本人に確かめます。

STEP 04

メールアドレスを名刺と見比べる

似た形の文字が混ざりやすいメールアドレスは、送る前に名刺と一文字ずつ見比べます。

STEP 05

重複をまとめ、既存の相手を見分ける

重複を1行にまとめ、社内の既存のリストと照合して、既存のお客様・商談中の相手・配信停止を申し出ている人に印を付けます。

STEP 06

担当者とお礼を送る日を決める

優先度ごとに、誰がどの文面でいつ送るかを決めます。既存のお客様には、ふだんの担当者から送るほうが自然です。

優先順位の付け方|A・B・Cの3段階で次の動きを決める

名刺の数が多いほど、全員に同じ文面を送るだけのフォローになりがちですが、ブースで具体的な相談をしてくれた人と、資料を受け取って通り過ぎた人とでは、望んでいる次の連絡が違います。細かく分けすぎると運用が続かないので、展示会のフォローではA・B・Cの3段階に、同業の会社や売り込み目的の来場者などを分ける「対象外」を加えた分け方が扱いやすいと考えます。対象外の名刺は理由を一言残し、お礼メールの一斉送信に混ざらないようにしておきます。

優先度目安お礼メールその後の動き
A具体的な困りごとを話した、次の約束をした、決める立場の人が関心を示した個別に書いた文面を、できるだけ早く打ち合わせや電話の約束を進める
B関心はあるが検討の時期が先、情報を集めている段階会話に触れた文面を、会期のあと早めに役に立つ資料や事例、セミナーの案内を、間をあけて届ける
C名刺交換だけ、資料を受け取っただけ、話す時間がなかった共通の文面で、会期のあとに反応があった人だけ個別に連絡し、優先度を見直す
対象外同業の会社、売り込み目的の来場者、学生や報道関係など一斉のお礼には含めず、必要なら個別に理由を一言残して、案内の対象から外す

判断の材料は「関心・時期・立場・合うか」の4つ

優先度を付けるときの材料は、相手がどのくらい関心を示したか、検討の時期がいつごろか、決める立場の人かどうか、そして自社の商品が相手の会社に合うかの4つに分けて考えると迷いにくくなります。展示会の短い会話ではすべてを聞けないことが多いので、聞けた範囲で判断し、分からなかったところは次の連絡で確かめればかまいません。迷ったときはBにしておき、会期のあとに見直すほうが、Aを付けすぎて個別の対応が回らなくなるよりも運用が安定します。

会期のあとに、会社の情報で優先度を見直す

会場での手ごたえだけで付けた優先度は、会社の情報と合わせて見直します。たとえば、会話は盛り上がったものの、相手の会社の業種や規模が自社の想定するお客様と大きく違う場合は、Aのままにするかを考え直す余地があります。逆に、短い会話だったCの相手でも、狙っている業種や規模にぴったり合う会社であれば、Bに上げて丁寧に追いかける価値があります。自社が狙うお客様の像(ICP)の決め方は、「ターゲットリストの精度がアポ率を決める|ICP設計と磨き方」で整理しています。

積み重ねた白いカードが光の流れで3つの列に振り分けられ、上の列が赤く、中の列が水色に、下の列が淡い青に光っているイメージ
優先度を3段階に分け、段階ごとにお礼の文面と次の連絡を変える

お礼メールの例文|優先度別の文面と送る時期の考え方

送る時期は、優先度ごとに分けて決めておく

お礼メールをいつ送るかに決まりはありませんが、相手がブースでの会話を覚えているうちに届くほど、メールの中で会話に触れたときに思い出してもらいやすくなります。会期が終わってから全員分の入力がそろうのを待つのではなく、Aの相手にはその日の締めか翌営業日までに個別に送り、BとCの相手には会期のあと、入力と重複の確かめが済んだ順に送る、というように優先度ごとに分けて準備すると、遅れが出にくくなります。

会期が何日も続く展示会では、相手も会期中は会場にいて、メールを読む時間が限られていることがあります。会期中に送るか、会期明けに送るかは、相手の立場(出展者か来場者か)や業界の慣習によっても変わるので、自社に過去の反応の記録があれば、それを見て決めていくのがよいでしょう。なお、製品の紹介や資料のページへのリンクを入れたお礼メールは、後の章で説明する特定電子メール法の対象になりうるため、例文の署名には送信者の情報と、案内が不要なときの連絡先を入れています。

例文A|会場で詳しく話し、次の約束をした相手へ

Aの相手には、会話の内容に具体的に触れ、会場で約束したことをこのメールで果たすか、次の段取りを提案します。相手が話した言葉を一つ引用すると、誰に宛てたメールなのかが伝わります。

件名:【展示会名】ご来場のお礼と、お約束の資料について(【自社名】【氏名】)

【相手の会社名】
【部署名】【相手の氏名】様

【自社名】の【氏名】です。
先日は【展示会名】の弊社ブースにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。

ブースでは「【相手が話していた困りごと】」というお話を伺い、【製品名】の【説明した機能】についてご説明させていただきました。お約束していた【資料名】は、下記のページからご覧いただけます。
【資料のページのURL】

あわせて、ブースでお話ししたオンラインでのご説明について、【候補の日時をいくつか】のいずれかでご都合はいかがでしょうか。ご都合が合わない場合は、ご希望の日時をお知らせいただければ調整いたします。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

【自社名】【部署名】【氏名】
【住所】
【電話番号】/【メールアドレス】
※今後のご案内が不要な場合は、このメールにご返信いただくか、【受信拒否の連絡先のメールアドレスまたはURL】までお知らせください。

例文B|関心はあるが、検討の時期が先の相手へ

Bの相手には、急がせずに、役に立つ情報を一つ添えて関係をつなぐ文面にします。次に連絡してよいかを尋ねておくと、その後の連絡の時期も決めやすくなります。

件名:【展示会名】ご来場のお礼(【自社名】【氏名】)

【相手の会社名】
【部署名】【相手の氏名】様

【自社名】の【氏名】です。
【展示会名】では、弊社ブースにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。

【時期の目安】に向けて【検討している内容】の情報を集めていらっしゃるとのことでしたので、ご参考までに、【同じような課題への取り組みをまとめた資料や記事】をお送りします。
【資料のページのURL】

ご検討が具体的になる時期に、改めてご連絡を差し上げてもよろしいでしょうか。それまでの間にご質問がございましたら、このメールにご返信いただければ、私からお答えいたします。

【署名(例文Aと同じ)】
※今後のご案内が不要な場合は、このメールにご返信いただくか、【受信拒否の連絡先のメールアドレスまたはURL】までお知らせください。

例文C|名刺交換だけ、資料を受け取っただけの相手へ

Cの相手は会話の記録が少ないので、共通の文面でかまいませんが、展示会名と、自社が何を展示していたのかを一文で書き、思い出してもらえるようにします。一斉に送る場合でも宛名だけは差し込みで入れ、宛先に他の人のアドレスが見えない送り方にします。

件名:【展示会名】ご来場のお礼(【自社名】)

【相手の会社名】
【相手の氏名】様

【展示会名】の弊社ブースにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。【自社名】の【氏名】です。

弊社は今回、【展示した製品やサービスを一文で】をご紹介しておりました。会場でお渡しした資料の内容は、下記のページでもご覧いただけます。
【製品紹介や資料のページのURL】

ご関心のある点がございましたら、このメールにご返信いただければ、担当よりご説明いたします。

【署名(例文Aと同じ)】
※今後のご案内が不要な場合は、このメールにご返信いただくか、【受信拒否の連絡先のメールアドレスまたはURL】までお知らせください。

送る前に確かめたいこと

お礼メールを送る前の確かめ(6項目)

  1. 01宛名(会社名・部署名・氏名の漢字)が名刺と合っているか
  2. 02一斉に送るとき、宛先やCCに他の人のアドレスを並べていないか
  3. 03差し込みの宛名が崩れていないか(自分宛てに試しに送って確かめる)
  4. 04同じ人に、別の担当者からもお礼が届かないか(重複をまとめたか)
  5. 05送信者の名称と連絡先、案内が不要なときの連絡先を書いたか
  6. 06配信停止を申し出ている人や対象外の人が、宛先に混ざっていないか

資料は添付ファイルよりも、資料のページのURLで渡すほうが扱いやすいことが多いです。添付ファイルは、相手の受信の設定によって届かないことがあるからです。また、件名に展示会名を入れておくと、相手がどこで会った会社かを見分けやすくなります。

その後の連絡の計画|お礼のあと、何をいつ送るか

お礼メールは始まりにすぎません。お礼を送ったところで手が止まると、次の展示会の準備に追われているうちに名刺が眠ってしまいます。展示会の前に、優先度ごとの連絡の計画を決めておきましょう。下の表は一例です。

段階ABC
お礼その日の締めか翌営業日までに、個別の文面で会期のあと早めに、会話に触れた文面で会期のあとに、共通の文面で
2回目の連絡約束した打ち合わせや電話を進める会話の話題に合う資料や事例を届ける返信などの反応があった人にだけ、個別に連絡する
その後商談として営業の担当が引き継ぐ間をあけた情報の案内、セミナーの案内、時期が近づいたら電話間をあけた情報の案内(配信停止の申し出があれば止める)
見直し話が進まなければBに移す具体的な相談があればAに上げる反応があればBに上げる

何日後に何を送るかは、扱う商品の検討にかかる期間や、社内で使える人手によって変わるので、表の中身は自社に合わせて決めてください。大切なのは、展示会の前に優先度ごとの「次に何をするか」と「いつまでに」を決めておき、それを名刺のリストの「次の連絡予定日」の列に落としておくことです。予定日が空欄の行がないかを定期的に確かめると、名刺が眠るのを防げます。

検討の時期が先の相手には、情報を届けて関係を保つ

Bの相手のように、関心はあるものの検討が先の相手には、売り込みの連絡を重ねるよりも、相手の困りごとに関係する情報を、間をあけて届けるほうが関係を保ちやすくなります。こうした見込み客(リード)を育てる考え方は、「リードナーチャリングとは?BtoBで見込み客を商談化する手法を徹底解説」で詳しく紹介しています。

誰が連絡するかを決め、引き継ぎで途切れさせない

展示会の運営はマーケティングの担当、その後の電話はインサイドセールス、商談は営業の担当というように役割が分かれている会社では、名刺の引き継ぎのところでフォローが途切れがちです。どの段階で誰に引き継ぐか、何を書き残すか(会話のメモ、送ったメール、相手の反応)を決めておきましょう。インサイドセールスの役割や、段階ごとの数の追い方は、「インサイドセールス立ち上げガイド|KPI設計と歩留まり改善」が参考になります。

大事な会社には、会社ごとに計画を立てる

同じ会社の何人かと名刺を交換した場合や、とくに取引をしたい会社の人と会えた場合は、人ごとではなく会社ごとに計画を立てると、連絡が重なったり、相手の社内で話が食い違ったりするのを防げます。狙う会社を絞り込み、会社ごとに働きかけを設計する考え方は、「ABM実践ガイド:営業リストで始める戦略的アプローチ」で整理しています。

配信停止の申し出は、その日のうちに反映する

「今後のご案内は不要です」という返信を受けたら、その日のうちに配信停止の申し出の列に書き、以後の一斉の案内から外します。別の展示会の名刺から、以前に停止を申し出た人へ再び送ってしまわないよう、新しいリストを作るたびに停止の申し出の一覧と照合しましょう。営業屋が公開している「フォーム営業マナー基準v1を公開|迷惑にしない10のチェックリスト」はフォーム営業のための基準ですが、お断りの意思を示した相手に送らない仕組みを持つという考え方は、展示会のあとの案内にもそのまま当てはまります。

振り返りの数を残して、次の展示会に活かす

展示会が終わってしばらくたったら、名刺の枚数、A・B・Cの内訳、お礼を送った件数、返信や打ち合わせにつながった件数、商談になった件数を、展示会ごとに残しておきます。どの段階で途切れているのかが分かれば、次の展示会でブースでの説明、メモの取り方、お礼メールの文面のどこを直せばよいかが見えてきます。

夜のオフィスで、日本のビジネスウーマンが名刺の束とノートを横に置き、ノートパソコンでメールを書いている様子
お礼のあとも、次の連絡予定日を決めて関係をつないでいく

名刺の情報の扱い|個人情報保護法と特定電子メール法の考え方

名刺に書かれている氏名やメールアドレスは個人の情報です。ここでは、展示会の名刺をリストにして連絡するときに関わる、個人情報保護法と特定電子メール法の考え方を、官公庁の資料をもとに整理します(2026年10月に確認した内容です)。

名刺を表計算ソフトに入力すると「個人情報データベース等」にあたる

個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」は、個人情報データベース等にあたる例として、従業者が名刺の情報を業務用パソコンの表計算ソフト等を用いて入力・整理している場合を挙げています(パソコンの所有者は問わないとしています)。一方で、従業者が自分の名刺入れの名刺を、他人には容易に検索できない独自の分類で並べているだけの状態は、該当しない例として挙げられています。つまり、展示会の名刺をリストにした時点で、その中の情報は個人データとして扱う必要があると考えておくのが無難です。

利用目的の考え方|名刺交換で受け取った情報を何に使えるか

個人情報保護法は、個人情報を扱うときは利用目的をできる限り特定し(同法第17条第1項)、取得したときは、あらかじめ利用目的を公表している場合を除いて、速やかに本人に通知するか公表すること(同法第21条第1項)を求めています。ただし、取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合は、通知や公表は要らないとされています(同法第21条第4項第4号)。

同ガイドラインは、この「取得の状況からみて利用目的が明らか」な例として、一般の慣行として名刺を交換する場合で、その利用目的が今後の連絡や、所属する会社の広告宣伝のための冊子や電子メールを送付するという利用目的であるような場合を挙げています。展示会で受け取った名刺の連絡先にお礼や自社の案内を送ることは、この例に近い使い方だと考えられます。

一方で、名刺の情報をそれとは別の目的に使う場合は、考え方が変わります。たとえば、グループ会社の別の事業の案内に使う、相手の行動や関心を分析して点数を付ける、といった使い方を考えているなら、本人が予測できる程度に利用目的を具体的に特定して公表または通知する必要があり、特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて扱う場合は、あらかじめ本人の同意が必要になります(同法第18条第1項)。自社のプライバシーポリシーに、名刺や展示会で受け取った情報の利用目的が書かれているかも確かめておきましょう。

社内での共有と、ほかの会社に渡す場合

同じ会社の中の別の部署に名刺の情報を渡すことは、同ガイドラインでは第三者提供にあたらない例とされています(ただし、利用目的による制限はかかります)。これに対して、親子会社やグループ会社の間で個人データを交換することは第三者提供にあたる例として挙げられており、原則として、あらかじめ本人の同意が必要です(同法第27条第1項)。共同で出展した会社や販売代理店も別の会社なので、名刺のリストを渡す場合は同じように考える必要があります。委託や共同利用のように第三者にあたらないとされる場合の決まり(同法第27条第5項)もありますが、それぞれ要件があるので、渡す前に確かめましょう。名刺の入力を外部の会社に頼む場合は委託にあたり、委託先を監督する必要があります(同法第25条)。

安全管理と、使わなくなった情報の消去

名刺のリストや名刺の画像は、漏えいなどを防ぐために必要で適切な措置を講じる対象です(同法第23条)。共有フォルダに置く場合は見られる人を限る、私物の端末に置いたままにしない、一斉送信で宛先が見える送り方をしない、紙の名刺は決めた場所に保管する、といった基本を社内で決めておきましょう。また、利用する必要がなくなった個人データは、遅滞なく消去するよう努めることとされています(同法第22条)。リストを見直す時期も決めておくとよいでしょう。

名刺交換で知らせてもらったアドレスへの案内メール

広告や宣伝のためのメールについては、特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)が決まりを定めています。総務省と消費者庁の「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」は、営業上のサービスや商品を広告・宣伝する内容のメールに加えて、そうした広告・宣伝のウェブサイトへの誘導を目的に含むメールも特定電子メールにあたるとしています。一方で、広告や宣伝の内容を含まず、そうしたサイトへの誘導もしない単なる時候の挨拶などは、あたらないものとしています。製品の紹介や資料のページへのリンクを入れるお礼メールは、特定電子メールにあたりうるものとして準備しておくのが無難です。

特定電子メールは、原則として、あらかじめ同意した相手などにしか送れませんが、同法第3条第1項第2号と同法施行規則第2条により、書面で自分のメールアドレスを知らせた人は、同意がなくても送れる例外とされています。総務省の「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」は、この例外を、名刺などの書面により自己の電子メールアドレスを通知した者に対して送信する場合と説明しています。ただし、同ガイドラインは、アドレスを知らせる相手(送信者)が特定されている必要があるともしています。自社の担当者が直接受け取った名刺と、主催者やほかの会社から受け取った来場者の情報とでは、扱いが同じとは限らない点に気をつけましょう。

また、こうした例外にあたる場合でも、受信を拒否する通知を受けたあとは送ってはならず(同法第3条第3項)、特定電子メールには、送信者の氏名または名称、受信拒否の通知ができる旨、受信拒否の通知を受けるためのメールアドレスまたはURLなどを表示する必要があります(同法第4条)。先の例文の署名に連絡先と「今後のご案内が不要な場合は」の一文を入れているのは、このためです。表示の細かな決まりは、同ガイドラインと同ポイントで確かめてください。なお、同ポイントは、通信販売などの電子メール広告を個人に対して行う場合には特定商取引法の適用があるとしています。法人向けの展示会でも、個人として来場した人の名刺が混ざることがあるので、扱いを分けておきましょう。

来場者の受付データは、主催者の案内を確かめてから使う

展示会によっては、来場証のバーコードを読み取って来場者の情報を受け取ったり、主催者から来場者の情報を提供されたりすることがあります。こうした情報は、主催者が来場者に示した利用目的や規約、出展者との取り決めによって使える範囲が決まる部分があるため、名刺と同じ扱いだと決めつけず、主催者の案内を確かめてから使いましょう。なお、個人情報保護法は2026年7月に改正法が公布されており、個人情報保護委員会は施行に向けて政令やガイドライン等の検討を進めるとしています。運用を決めるときは、その時点の最新の内容を同委員会のサイトで確かめてください。

ご注意:本記事は、条文と官公庁の資料をもとにした一般的な情報の整理であり、法律相談ではありません。法令の解釈や個別のケースの判断が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。

名刺の会社の情報を補う|リスジェネで業種や規模を調べる流れ

名刺からは、業種の細かな分類や従業員の規模、事業の中身までは分からないことが多く、優先度を見直すときに手が止まります。公式サイトを1社ずつ開いて調べる方法もありますが、名刺の枚数が多いと時間がかかります。

営業屋のリスジェネ(ListGene)は、AIが分析した100万社超の企業データベースから、業種・地域・規模などで絞り込んで営業リストを作れるツールです。フリーワード検索では企業名や事業概要などの項目を横断して探すことができ、企業情報の検索と閲覧は無料です。ダウンロードできるCSVには、業種の大分類と詳細業種、事業概要、住所、企業規模ランク、従業員数、設立年度、法人番号などの項目があります(会社によって入っていない項目もあります)。

リスジェネで名刺の会社の情報を補う流れ

  1. 01名刺のリストから会社名と会社のURLの列だけを取り出す(氏名やメールアドレスは使わない)
  2. 02リスジェネのフリーワード検索に会社名を入れて探す(検索と閲覧は無料)
  3. 03所在地やURLが名刺と合っているかを見て、同じ名前の別の会社と取り違えないようにする
  4. 04業種・規模・事業概要を名刺のリストの右端の列に補い、優先度を見直す
  5. 05まとまった件数の情報を使いたい場合は、必要な会社を選んでダウンロードする(1件3円・17件から)
  6. 06見つからない会社は、公式サイトや国税庁の法人番号公表サイトで確かめる

会社の情報を調べるのに、名刺に書かれた個人の氏名やメールアドレスを入れる必要はありません。会社名とURLだけで調べ、見つけた会社の情報を手元のリストに書き足す形にしておくと、個人の情報を社外のサービスに入れずに済みます。

手ごたえのあった会社に似た会社を探す

リスジェネのAI検索では、企業名や企業のURLを入れると、似た会社も見つけられます。展示会でとくに手ごたえのあったAの会社に似た会社を洗い出し、次の展示会までの開拓先の候補にする、といった使い方もできます。業種や企業規模ランクなどにはAIによる分析が含まれるので、優先度の見直しの目安として使い、最終的な判断は会話のメモと合わせて行ってください。

まとめ:展示会のフォローは、名刺を受け取ったその日に、優先度の印と会話の要点を残すところから始まります。名刺は列と入力の決まりをそろえたリストにして、重複をまとめ、A・B・Cの優先度ごとにお礼メールの文面と送る時期、その後の連絡の計画を変えましょう。予定日の入っていない行をなくし、配信停止の申し出はその日のうちに反映します。名刺の情報は個人データとして安全に管理し、利用目的の範囲と特定電子メール法の表示や受信拒否の決まりを押さえておくことも欠かせません。

チェックリスト|展示会の前・当日・あとにやること

展示会の名刺フォローのチェックリスト(13項目)

  1. 01【前】A・B・C・対象外の基準とメモの書き方を、ブースに立つ全員で共有した
  2. 02【前】名刺のリストの列と、入力の決まりを決めた
  3. 03【前】優先度ごとにお礼メールの例文を用意し、送信者の情報と受信拒否の連絡先を入れた
  4. 04【前】自社のプライバシーポリシーに、名刺や展示会で受け取った情報の利用目的が書かれているかを確かめた
  5. 05【当日】名刺を受け取ったら、優先度の印と会話の要点を残した
  6. 06【当日】毎日の締めに名刺を集め、枚数と優先度の内訳を数えた
  7. 07【当日】次の約束をした相手について、担当と期限を決めた
  8. 08【あと】名刺を入力し、メールアドレスを名刺と見比べて確かめた
  9. 09【あと】重複をまとめ、既存のお客様・商談中・配信停止を申し出ている人を見分けた
  10. 10【あと】優先度ごとにお礼メールを送り、送った日を書いた
  11. 11【あと】全員分の次の連絡予定日を入れ、空欄の行がないかを確かめた
  12. 12【あと】名刺のリストと画像を、見られる人を限った場所に保管した
  13. 13【あと】展示会ごとに、名刺の枚数から商談になった件数までを振り返った

よくある質問(FAQ)

Q.展示会のお礼メールは、いつまでに送ればよいですか?

A.決まった期限はありませんが、相手がブースでの会話を覚えているうちに届くほど、メールの中で会話に触れたときに思い出してもらいやすくなります。次の約束をした相手や関心の高かった相手(A)には、その日の締めか翌営業日までに個別に送り、それ以外の相手には会期のあと、入力と重複の確かめが済んだ順に送るというように、優先度ごとに分けて準備すると遅れが出にくくなります。

Q.名刺交換をしただけの相手に、製品の案内メールを送ってもよいですか?

A.特定電子メール法では、名刺などの書面で自分のメールアドレスを知らせた人への送信は、あらかじめの同意がなくても送れる例外の一つとされています。ただし、送信者の名称や受信拒否の連絡先などの表示が必要で、受信拒否の申し出を受けたあとは送れません。個人情報保護法の面では、名刺交換で得た連絡先に自社の案内を送ることは、個人情報保護委員会のガイドラインが利用目的が明らかな場合の例として挙げている使い方に近いと考えられます。本記事は法律相談ではないため、個別の判断は専門家にご相談ください。

Q.名刺の情報を表計算ソフトで管理するとき、気をつけることは何ですか?

A.個人情報保護委員会のガイドラインは、名刺の情報を業務用パソコンの表計算ソフト等で入力・整理している場合を、個人情報データベース等にあたる例として挙げています。そのため、リストは個人データとして、見られる人を限る、私物の端末に置いたままにしない、一斉送信で宛先が見えないようにするといった安全管理が必要です。利用する必要がなくなった情報は、遅滞なく消去するよう努めることとされています。

Q.優先順位は、どのように付ければよいですか?

A.関心の強さ、検討の時期、決める立場かどうか、自社の商品が相手の会社に合うかの4つを材料に、A・B・Cの3段階で付けると迷いにくくなります。具体的な困りごとを話した人や次の約束をした人はA、関心はあるが時期が先の人はB、名刺交換だけの人はCを目安にし、会期のあとに業種や規模などの会社の情報と合わせて見直します。同業者や売り込み目的の名刺は、別に分けておきましょう。

Q.展示会で集めた名刺を、グループ会社や販売代理店と共有してもよいですか?

A.同じ会社の中の別の部署に渡すことは第三者提供にはあたらないとされていますが、個人情報保護委員会のガイドラインは、グループ会社の間で個人データを交換することを第三者提供にあたる例として挙げており、原則としてあらかじめ本人の同意が必要です。販売代理店など別の会社に渡す場合も同じように考え、委託や共同利用の要件にあたるかを含めて、渡す前に確かめましょう。本記事は法律相談ではないため、判断に迷うときは専門家にご相談ください。

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